11話
耕之助「ん…なんだこの層は…真っ白じゃないか」
何やら匂う。
ペロッと舐めてみる。
耕之助「鹹味…ついに見つけた!」道具を置いて階段を駆け降りる。
ドーンと音を立て、扉が開く。
リル「コーノスケ?どうしたの?」
耕之助「やっと見つけたんだ!袋…あった!ちょっと待ってて!」
リル「?」
―
リル「これ何?」
耕之助「鹹味。僕が欲しかった塩さ」
リル「これが?」
耕之助「ちょっと待っててね」
魚を獲ってきたのか2匹を火で炙り、先ほどの白い粉をかける。
耕之助「これ食べてみて」
リルは渡された魚に齧り付く。
リル「美味しい〜!」
耕之助「これが鹹味。しょっぱいってやつさ。少し苦味もあるけど食べられないわけじゃない」
リル「どこで取れたの?」
耕之助「階段作っていた時になんか層が変わってね」
リル「でもこれって取れないはずじゃなかったの?」
耕之助「うん…僕の常識は通じないのかも」
リル「でもよかったね!これで美味しい料理が増えるね!」
耕之助「やっと色々楽しめるかな」
リル「?」
―
耕之助「やっと筋痙攣がしなくなってきたな…」
リル「もう少しで頂上に着くね」
耕之助「もうここにきて1年経つくらいかな…長かったね」
リル「コーノスケが居たおかげで楽しかったよ」
耕之助「そうだね、僕もひとりぼっちじゃなくてよかった」
リル「今日は盛大にしよう?」
耕之助「今日は珍しく鶏肉が取れたんだ」
リル「久しぶりだね!楽しみだなぁ。焼き鳥」
耕之助「塩っぽいのもたくさん取れたからね」