デジタルVSアナログ
◇◇◇◇
アリステル視点
シュタタタタタッ!
俺は、地下2000メートルから地上を目指し駆け上がる。
[アリス・カーのエンジンパルス最大周波数確認…ロストしました…]
「く、間に合わなかったか!」
0.5秒で時速750kmに達し、最大速度はマッハ2を叩き出すアリス・カーのエンジンパルスの最大値を計測しロストしたという事はすでに数キロ先…いやもう数十キロ先に行ってしまったのだろう。
「先生…あの脳みそロボットはエルフの村に行ったのでしょうか?」
「あぁ多分、俺のフリして村に入って男とブスとBBAは殺して、美少女エルフとヤりまくるだろうな…」
このままラ◯クルに乗り換えても間に合わないだろう。
俺たちは地上に出る。
「な!?」
「あぁ!!」
地上で俺たちが見たモノは……
プシュゥゥゥ…
壁に激突し、大破したアリス・カーだった……
◇◇◇◇◇
有栖川視点
「イテテテ…」
アリス・カーをフルスロットルにした瞬間。
視覚がホワイトアウトした。
つまりアリス・カーが速すぎて脳内で視覚情報が処理しきれなかった。
気がついた時には壁に激突していた。
ハッチを開き、外に脱出する。
「て、てめぇ!!俺のアリス・カーになんて事を!!!」
その声に振り向くとJ型と先ほど殺したネレイという少女がいた。
◇◇◇◇
アリステル視点
「て、てめえ!!俺のアリス・カーになんて事を!!!」
アリス・カーのコックピットから這い出してくる全裸のアリステル
「ほぅ?出来損ないのコピーがまだ消去されずに残っておったか」
ムカつく微笑みを見せるアリステル
その背後でプスプス煙をあげるアリス・カー。
「覚悟はいいな?」
俺はJ型の指の骨をポキポキ鳴らす。
「カカカッ!この儂と戦う気か?そのJ型で?このアリステル・レステルのボディを手に入れた儂と?」
外装装甲を纏うアリステル。
「貴様如きこの身体で十分だぜ!」
「言うたな?コピー」
身構えるアリステル。
「先生、私も」
「いや、俺一人で十分だ」
腰の苦無を抜く。
「カハハハッ!良いだろう。この身体のチュートリアルがわりに貴様をスクラップにしてやろう」
ゆっくりファイティングポーズを取るアリステル
シュッ!
マッハコーンを纏い俺を襲うアリステルの鉄拳。
それを紙一重で躱す。
ジュッ!
掠ってもいないのに、加熱した空気摩擦の熱でわずかに溶けるJ型の皮膚。
◇◇◇◇
有栖川視点
「カハハハッ!良いだろう。この身体のチュートリアルがわりに貴様をスクラップにしてやろう」
儂はJ型に必殺のアリステルパンチをお見舞いする!
シュッ!
躱された!?
ガンッ!
躱すと同時にJ型のカウンターキックが儂の腹部にめり込む。
数歩後ろにたたらを踏む
「ほう?儂のコピーのくせにやるではないか!さすがにAIを相手にするようにはいかないようだな」
儂のコピーと言えど、ただのAIによるコントロールとは違って動きは良くなるようだ。
「どうした?せっかくのパワーも当たらなければ意味ないぞ?」
挑発してくるコピー。
ギリリリッ
歯ぎしりの音。
儂はアイテムボックスに入っていたドラゴン殺しを抜く。
◇◇◇◇◇
アリステル視点
俺は中指を立て、有栖川を挑発する。
その挑発に乗り、ドラゴン殺しを抜く有栖川。
バカなやつだ。
アリステルはドラゴン殺しを使うより素手で殴った方が強いと言うのに。
とは言え、有栖川の間合いはかなり広くなる。
ブンッ!
ドラゴン殺しの横殴りの一撃。
当たれば上半身と下半身が泣き別れする。
バックステップで華麗に躱しつつ、バニースーツのお尻の丸い白い尻尾をフリフリさせ、さらに有栖川を挑発する。
さぁ、来い!
どんどん殴りつけてこい!!
◇◇◇◇◇
有栖川視点
「何故じゃ!?何故当たらん!!」
斬りつけても斬りつけても躱され、逆にカウンター攻撃で地味にナノマシンを削られていく。
すでにナノマシンの損耗率は15%を超えている。
機体スペックならはるかに儂の方が上。
なのに、何故J型相手にこんなに苦戦するのだ!?
「くっ!!」
J型の上段後ろ回し蹴りが儂の側頭部にヒットする。
頭がクラクラする。
◇◇◇◇
アリステル視点
俺の後ろ回し蹴りが綺麗にヒットする。
何気に高身長なJ型の手足のリーチの長さが便利だ
そのJ型のリーチの長さと機動力の高さで有栖川をチクチクと攻める。
その様子は格闘ゲームの下弱キックでハメるような闘い方だw
「す、すごい…機体性能が段違いなのに…なんでこんなに有利に戦えるの?」
ネレイの感嘆の声が聞こえる。
「ネレイ。覚えておけ!機体の性能が全てではないと言う事を」
アニメ機◯戦士ガ◯ダムで例えるなら
アリステルはガ◯ダムだ。
それに対してJ型はジ◯だ。
機体性能だけ見たら、◯ムはガン◯ムに勝ち目はない。
しかし…今の状態を例えると…
有栖川はセ◯ラさんが操縦するガン◯ムだ。
対して俺は、ア◯ロが操縦するジ◯だ。
しかもニュータイプ能力全盛期のア◯ロだ。
有栖川の左に回り込む。
フリして右に回り込み脇腹に苦無を突きたてる!
この俺のJ型の動きに反応しきれない有栖川。
くうぅ…
その傷を修復する為、損耗するナノマシン。
「腹が減ってきただろう?」
ナノマシンが損耗すると空腹を感じるようにプログラムを変えたからな。
くぅくぅ鳴る腹を押さえる有栖川。
「何故貴様はそんなにもJ型を上手く扱えるのだ!?」
「分からねぇのか?俺のオリジナルのくせに」
俺はこの戦いで、自分が有栖川のコピーである事を認めた。
「ほう、ついに自分がコピーだと認めたな?」
「あぁ…お前は紛れもなく有栖川有栖だ。あの箱に入った生の脳みそがその証拠だ」
そして俺は…
「俺は…電脳にコピー&ペーストされた有栖川の意識体だ」
息を呑むネレイ。
「ならば何故コピーのお前が、オリジナルの!しかもアリステルのボディに入った儂を上回るのだ!!」
「ふん!生の脳みそのお前が、電脳の俺に処理速度で勝てる訳がないだろう!!」
ハッとする有栖川。
そう情報処理スピードが違いすぎるのだ。
アリス・カーの音速を超える速度について行けずクラッシュさせてしまった有栖川。
だが、電脳で情報を超高速処理する俺ならアリス・カーのマッハを超えるスピードでも体感速度20キロぐらいでしかない。
当然、アリステルの音速を超えるパンチすらもスローで見える。
それにJ型の機動力が加われば、そんな蝿が止まるパンチが当たる訳がない。
「その身体。返して貰うぞ」
「糞!」
アリステルのクソパワーで俺の手を振りほどき逃げ出そうとする有栖川。
「無駄だぜ」
ザッザッザ…
地下ゲートから行進してくるJ型202体。
「なっ!?」
その様子に驚く有栖川。
「J型は全て俺の支配下に置いた」
「ジェ、J型は全部くれてやる!だが、この身体は返さん!!」
ピッ!
俺はJ型に信号を送る。
202体の内の1体が箱に入った脳みそを持ってくる
「ま、まて!何をする気だ!!」
J型が持つ、箱に入った脳みそは当然有栖川の本体だ。
フルダイブの欠点。
ダイブ中は本体に何かあっても気がつかない。
俺は戦闘中に全てのJ型をハッキングし有栖川の本体を確保していたのだ。
「さぁ、素直に返さないと…箱割るぞ?」
「……命の保証をしてくれ…」
「勿論だ。貴様にはアリス・カーの修理を頼むつもりだからな」
念の為、箱脳みそに自爆装置を付けておく。
ドサッ!
倒れるアリステル。
そのアリステルの身体を支え、口づけをする。
[データーインストール完了。システム…オールグリーン。再起動します]
「ふぅ…やっぱりこの身体が一番だ」
俺はアリステルの身体を取り戻した。
「先生!!」
抱きついてくるネレイ。
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有栖川視点
コピーに負けた儂はこのテストコースの管理者となり、J型の改良とアリステルの装備の開発研究責任者となった。
ときおりJ型の身体に入り、女の快感を得たり、
新しい少女型ボディを作って街を散策し、かわい子ちゃんをナンパしエッな事をしたりして過ごす
コピーに負けたが…悪くない生活を送っている。
だが、いつかアリステルを超えるアリステル・レステルmark IIを開発し下克上するつもりだ!!
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アリステル視点
ククク…mark IIか。いいね。
ならば俺はアリステル・レステル Zを開発しよう。
やはり最大のライバルは自分自身だ。
こうして最強の敵を求め続けた俺は
最強の敵は自分自身と言う事実に気づいたのだった。
「先生!私も強くなっていつか先生を倒します!!だから…末永く可愛がってください」
ネレイ達と共に俺の最強への道はまだまだ続く。
この縮退炉エンジンが燃え尽きるまで…完
一年近くお付き合い頂きありがとうございます。
一応ここでアリステル大陸編は完結です。^_^
この後の続きも考えてありますので、まとまったら連載再開するつもりです。
本当にありがとうございました。




