決着
◇◇◇◇◇
アリステル視点
「こ、こんなポンコツが…俺の後継機…」
地面にポツポツと俺の涙の雫が落ちる。
「ははは!!!降伏するなら今のうちにだぞ!」
サリュース将軍がなんかほざいている。
視線をあげると両手が破損した魔導人形の姿が見えた。
依然として直る様子のない魔導人形の手に、ふつふつと怒りが湧き出す。
あまりの怒りで目の前が白くなり始めた時…
俺は少年の頃、夢中になって観ていた再放送のロボットアニメの事を思い出していた。
それは、上半身裸の少年型ロボットが10万馬力で空を飛び、お尻からマシンガンを放つアニメだった。
そして、その少年ロボットを作った博士の気持ちが今!
理解した!!!
ちなみその少年ロボットを作った博士は
お◯の◯博士と思っている人が多いが、それは間違いだ。
◯茶◯水博士は少年ロボットの育ての親だ。
少年ロボットを作ったのは偉大なる天◯博士だ。
あぁ◯馬博士!!
同じ科学者として、俺は貴方の横に並び立てたでしょうか!?
そして今!!
私は成長しない自分のロボットに腹を立てサーカスに売り払った貴方の気持ちが痛い程理解できました!!
私もケジメをつけます!
このような失敗作はすべからく破壊すべきですね!!
「くくく…天◯博士!観ていてください」
俺はゆっくりと立ち上がる。
立ち上がる俺に慄くサリュース将軍。
「アリステル!!トドメを刺せ!!」
慌てて魔導人形に命令を下すが…
[行動実行不可。マニュピレータを修復してください]
「な、なに!?」
ここで初めて将軍は魔導人形の両手が壊れている事に気がついたようだ
「ま、まさか…アリステルを殴って壊れたのか?」
[肯定]
蒼ざめるサリュース将軍。
「ふふ…今から本物のアリステルのパンチを見せてやるよ」
ゆっくり魔導人形と向き合う。
俺の怒りに連動してフル稼働する縮退炉エンジン
重力磁場が変動し、俺の体重が125tに達する。
「必殺!!アリス1・2・5パンチィィィィ!!!!」
ダイヤモンドよりも硬い重さ125tの俺の拳がマッハ3のスピードで魔導人形の左頬にクリティカルヒットする。
頭部が千切れ、粉々になりながら地平線の彼方に飛んでいく。
残った胴体は、駒のように右回転で元帝国兵士達をふっ飛ばしつつ、地面を転がり分解していった。
「あ…あ…あ…」
ドサッと、尻餅をつくサリュース将軍。
「こ、降伏する…命だけは助けてくれ」
土下座する将軍。
それを見て、次々と武器を捨て投降する帝国騎士達。
◇◇◇◇◇
こうして俺と旧帝国との戦争は俺の勝利で終わった。
サリュースに囚われていたドワーフ王国王女エルサは無事保護され、アルンと共に自国に帰っていった。
「アリステル様…本当に本当にドワーフ王国の危機を救って頂き誠にありがとうございます。
私、王女エルサとドワーフ王国はアリステル様に生涯の忠誠を尽くすことを宣言いたします」
今後、出土した古代魔道具は俺に渡すと約束してくれた。
そして現在のアリス帝国はエターシャ皇帝の元、
サリュース将軍をそのまま全軍の最高司令官として就任させた。
貴族達も財産の半分を俺に寄越す事で無罪放免にした。
結局は帝国の名前と、皇帝陛下がラインハルトから娘のエターシャに変わっただけだ。
「アリス様…」
古代魔導人形の真実を知って抜け殻になってしまった俺を心配するアルフレア姫。
ネレイとネスティは研究所に引きこもって何かを調べている。
ドロシーはサリュース将軍と共に、アリス帝国に反対する勢力を潰し回っている。
「せんせーーー!!」
庭園でゴロゴロしている俺の元に駆け込んでくるネレイとネスティ。
「どうしたネレイ。また反乱か?」
息を切らして走ってくるネレイ。
「ち、違います。あの私、思ったのですが…」
「ん?なんだ?」
白い豪奢なテーブルの上に突っ伏す俺。畳み掛けるネレイ
「ここって先生のいた世界の未来なんですよね?」
「あぁ、かなりの確率でそうだな」
「なら!この世界のどこかに先生の研究施設が残っているんじゃないですか?」
「………!!」
たしかにそうだ。
アリステルの機動実験で研究施設の一つを吹っ飛ばしてしまったが、それが全てではない。
「研究施設があれば、先生の2号機を作る事も、新たな魔法技術を組み込む事も出来ます!!」
おおおお…その通りだ!!
「それに未完成だった先生の拡張アタッチメント計画が進行します!!!」
そうだ!
それもあった!!
アリステル拡張アタッチメント計画。
それは…
実は、今の俺は未完成なのだ。
俺には、縮退炉エンジンの効果で無限に収納できるアイテムボックスがある。
これは前にも言った通り猫型ロボットの四次元ポケットだ。
これは非常に便利だが…
本来なら、ここにひみつ道具が入っているはずだったのだ!!
それらを受け取る前に、俺はこの世界に飛ばされてしまった…空っぽの四次元ポケットのまま…
その中のひみつ道具の一つ。
俺専用外付けアリスパワーアーマー。
これは簡単に言えば、俺の手足や背中に取り付ける追加装甲兼ブースターだ。
これがあれば俺は自由に空を飛べた。
さらには俺専用アリスカー!
人間が乗ることを前提としない超Gマシーンだ。
0.5秒で最高速度750kmに達し、
さらに時速500kmの速度で半径5メートルの旋回能力を持つ超絶コーナーリングマシーン。
エンジンは俺の体をマシーンに直結して俺の縮退炉エンジンを使う仕様だ。
人間だったらGでぺしゃんこになる化け物仕様だ。
この二つは日本の研究機関に開発を任せていた。
C国のようなデッドコピーしか作れない国とは、日本は違う!…と思う。
もし日本が残っていれば…それらを発掘できるかも知れない…
「ネレイ!日本を探すぞ!」
「はい!せんせ!!!」
帝国編完!
アリス帝国無事建国!
アリス達は今後、内乱造反離叛を楽しく腕力暴力火力で制圧していくでしょう。
次回は内政放置で放浪編予定です。
もしくは現在構想中の作品
「異世界に転生したら女の子の体液で動くパワーアーマーになってしまった。」を間に挟むかも。




