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ラインハルト皇帝死す

時間は少し戻る


◇◇◇◇◇

アリステル視点


「ひはは!エターシャは人望ねぇーなw

まさか全軍が離叛するとは思わなかったぜww」


残ったのはエターシャの近衛ワイバーン騎士5名とお付きのメイドさん達だけだった。


「私は第六皇女ですよ!人望あるわけないでしょう」


エターシャはぷんぷん怒っている。

とりあえず残った騎士とメイドさんを集める。


俺の前に跪く騎士とメイドさん。

彼らは、アリス帝国最初の騎士とメイドさんになる訳だからな。


特別報酬を与えよう。

俺はネレイに目配らせを送る。


「アリス様からのギフトです」

リポDサイズの小瓶をバッグから取り出すネレイ。


それを彼らに配り、飲むように促す。

恐る恐るそれを飲むメイドさんと騎士達。


「!」

「美味しい!」

ふふ、成分はリポDで割った俺のナノマシン入り唾液だ。

配合は錬金術師のネレイに任せた。


ナノマシンを体内に入れた彼らは、首チョンパされても数分間の内に胴体とくっ付ければ治る程度の不死性を持った。


「ネレイ。あとで彼らに効果の説明をしてやってくれ」

頷くネレイ。


と、あとは…全軍離叛の件をアルフレア姫に報告しないと不味いな。


「エターシャ、王国まで送ってくれ」

「はい、アリス様」


エターシャの魔力発動で王城のバルコニーに舞い降りるワイバーン。


「ネレイとドロシーは留守番頼む。攻めてくる奴は殺しても構わないが、逃げる奴は見逃してやれ」


「はい、先生」

「はーい」


俺はワイバーン…ヴァリスの首を撫でる。

「良し良し、ヴァリス。ランバード王国まで頼むぞ」


エターシャの腰に腕を回しワイバーンに乗り込み帝国を発つ。



◇◇◇◇◇

ワイバーンで30分ほど飛んだところで

[アリス、要救助者を発見]

アイが何か発見したようだ


「アリス様、川岸に人が倒れてます」

アイに遅れる事数秒、エターシャも発見したようだ。


「子供か?」

ワイバーンを下降させるエターシャ。

ズーム機能で見た感じ、女の子のようだが…


「ドワーフの女性のようです」

ほう、ドワーフの男は見た事があるが女は初めてだ。


ドワーフのずんぐりしたイメージと違い、普通の女の子供体型だ。ヒゲも生えていない。


「まだ息があるな…」

俺はドワーフ娘を抱き上げるとキスをする。


「!!」

驚くエターシャ姫。


「勘違いするなよ。治療だ」

俺の唾液はナノマシンが多分に含まれている。

それを服用させ体内から治療するのだ。


ドワーフ娘の弱った心臓の動きをサポートするナノマシン。


これなら大丈夫だろう。

「城に連れて行こう」

俺はドワーフ娘をワイバーンに乗せる。



◇◇◇◇◇

ランバード王国王女アルフレア視点


「なるほど…分かりました」

離宮でアリス様と落ち合う私。


そこでアリス様から現状報告を受ける。


私の予想通り、アリス様のアリス帝国建国計画は予想通りに行かなかったようだ。


「現状は、王城に立て篭もったテロリストと言ったところでしょうか」


「まぁ、そんな感じだなw」

と気楽に言うアリス様。


「…う、あ…ひ、姫…アリステルさまに…」

アリス様が拾ってきたドワーフの女騎士が目を覚ましたようだ。


「ん?俺を知っているのか?」

女騎士は、寝言でアリス様の名を呼んでいる


アリス様を探しているようなので、背後にいると教えてあげる。


「うわぁぁぁ!!」

アリス様を見るなり悲鳴をあげる女騎士。


取り乱し暴れるドワーフの女騎士をベッドに押さえこむアリス様。



◇◇◇◇◇

アリステル視点


「も、申し訳ありませんでした。余りにも似ていたもので…」


この女ドワーフ騎士アルンの話によると、ドワーフ王国で発掘保管されていた「古の世界を滅ぼした」と言われる俺とそっくりな魔導人形を帝国が復活させたらしい。


「おそらく、アリス様を倒すためにサリュース将軍が復活させたのでしょう」

エターシャ皇帝が俺に耳打ちする。


「お願いします!そのめちゃくちゃ強い魔導人形を倒してください!!」


土下座で頼み込んでくるアルン。


今までの話を総合すると…

間接的にとは言え、ドワーフ王と王妃が殺され、姫が行方不明になった原因は俺にあるようだ。


それに…なぜ俺そっくりの古代魔導人形が存在しているのか非常に気になるし…


何よりめちゃくちゃ強いと言うなら手合わせするしかない!!


「オーケー!殺ってやるよ」

俺は二つ返事で了承した。


◇◇◇◇

ドワーフ王国遠征軍サリュース将軍視点


「ぐあははははっ!これでラインハルト閣下もご安心なさる事だろう!!」


陛下に与えられた任務。

古代魔導人形の発掘に成功。


そして成り行きとは言え、この強く見目麗しい魔導人形の主人にもなった。


この魔導人形は今までの発掘されてきた魔導人形とは違い完全に機能しており、さらに文字通り人外の力を秘めていた。


この魔導人形の力を使えば皇帝の座を奪う事もできるだろう。


儂は捕虜用の馬車に馬を並べる。


「う…うぅ」

中には魔導人形が捕まえてきたドワーフ王女エルサが入っている。


「素直に魔導人形を渡せば王も王妃も死ぬ事はなかったのにな」


「愚かな…その魔導人形は世界を破滅に導く…」

儂と魔導人形を睨みつけるエルサ。


「はっ!なんとでもほざけ。」

私の膝の上に座る魔導人形。

見れば見るほど虜になる。


今夜はこの魔導人形と一夜を共にしよう。

久方ぶりに滾ってきた。


◇◇◇◇

3日後…

毎晩のように魔導人形と枕を共にしつつ、帝国に凱旋すると…皇帝が城の外で野営していた!


「一体何事?」

帝国の外に張られた野営陣営。

何故皇帝が城の外で野営しているのだ?


「おお!!サリュース将軍待っておったぞ!!首尾は上々らしいな!」


儂を出迎えてくれるラインハルト陛下


「ハハッ!この通りでございます」

儂の横に控える古代魔導人形を見せる


「これがアリステルに匹敵する魔導人形!!なるほど見た目もそっくりだな!」


魔導人形に喜ぶ陛下

「しかし…何故、陛下が城の外で野営を?」

最大の疑問を閣下にぶつける


「アリステルに王城を乗っ取られた…」

「な!!!???」


屈辱の表情を浮かべるラインハルト陛下。


「だが、この魔導人形があれば王城を取り戻せる!さぁ、早く私にその魔導人形を献上するのだ!」


魔導人形の腕を掴む陛下。

「申し訳ありません陛下。この魔導人形とは主従関係を結んでおりましてお譲りする事が出来ません」


「何!?なんとかならんのか!!??俺はこのアリステルにそっくりな魔導人形を犯して、奴に付けられた心の傷を癒さねばならないのだ!」


「な!それは出来ません!!」

「うるさい!逆らえばサリュース将軍とは言え極刑は免れないぞ!!」


もうすでに儂はこの魔導人形…アリステルにそっくりなこの魔導人形に惚れてしまっていた。


幼い未成熟な体躯に娼婦もかくやと言う程の房中技術を併せ持つこの魔導人形は誰にも渡さん!


「殺れ…アリステル」

ザシュ!!

ラインハルト閣下の首を手刀で切り落とす古代魔導人形。


「陛下!!!」

このやり取りを見ていた閣僚たちが絶叫をあげる


いつのまにか儂はこの魔導人形をアリステルと呼んでいた。


多分、敵であるアリステルの強く美しい姿に惚れ込んでいたのかも知れない。


「陛下は不慮の事故で死んだ…そうだな?」

儂は周りの閣僚達に問う。


儂の背後に従う古代魔導人形の強さに怯える閣僚達


「そ、そうだな…陛下は古代魔導人形の扱いに失敗して死んだ!」

「そ、そう!こ、これは事故だ!」


「よろしい…では一時的に全軍の指揮権は儂が預かる!良いな!!」


頷く閣僚達。



ドサッ!!

何かが空から落ちてきた!


「おっと…これはお取り込み中だったかな?」

落ちてきたのは本物のアリステルだった。

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