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古代魔導人形

◇◇◇◇◇

帝国ドワーフ王国遠征軍司令サリュース視点


「これで全部か?」

ラインハルト皇帝陛下の命でドワーフ王国を陥した。


ドワーフ王国と言っても帝国の規模ではせいぜい町クラスの広さしかない。

極めて小さな王国だ。

落とすのに半日もかからなかった。


王国を占領した我が帝国軍は、ドワーフ達が集めていた古代魔道具を徴収していた。


「ハッ!これで祭殿にあった魔道具は全部です!」


ドワーフ王国の広場に集められた様々な魔道具。

これらのうち兵器転用に使えるのはいかほどか…


その中でも一際大きい石棺が目に入った。


「何が入っている?」

俺は石棺を調べている魔法技官に尋ねる。


「特殊な方法で封印されているようで、現在解除方法を探っている所です」


「ふむ…おい。これは何だ?」

捕らえたドワーフ技師に問う。


「そいつに触るな!!それは呪いだ!呪いの古代魔導人形が封印されている!」


俺はほくそ笑む。

皇帝が望まれるアリステルに匹敵するかも知れない魔導人形を当てたかも知れない。


「解除方法を教えろ!」

「知らん!知っていても教えん!!」

反抗するドワーフ技師。


「そうか…おい、連れて来い」

縛られ連行されてくるドワーフの王と妃、そして王女。


「喋らなければ、王妃の首を刎ねる」

王妃の首に剣を当てる。


「ドギ!!喋ってはならぬ!!」

ドワーフ王は、自分の妻の命より石棺の中身の方が大事なようだ。


「ドギ!私の命などどうなっても良い!」

「うっぐぐっ…」

王妃の覚悟に開きかけた口を閉ざすドギと呼ばれた技師。


「そうか…残念だ」

ザシュ!

一刀のもと王妃の馘を落とす。


「うあああああ!!」

「いやぁぁぁぁぁ!!」

絶望の悲鳴をあげる王と王女。


「お、お 王妃…さま…」

地面に転がる王妃の首に愕然とするドギ。


「次は王女だ」

俺は縛られ膝まつく王女の背後に回る


「うっ!ううっ!!」

命乞いなどしないようように固く唇を噛み締める若き王女。


「エルサ…すまぬ…儂もすぐ後を追うぞ」

ドワーフ王が娘に別れを告げる


「はい…お父様。母様と共にあの世で待っております」


俺は剣を振り上げる。


「言う!!言うからやめてくれ!!!」

ドギが叫ぶ。


「ならぬ!!アレは開けてはならぬ箱だ!!」


「うるさい」

ドワーフ王の馘を刎ねる。


「お父様!!!!」

「うおおおおおお!公王さま!!!!」


「ドギ、早く言え。次は王女の番だぞ」

「わかった…言う…」


ヨロヨロと石棺に向かうドギ。

そして石棺の背面にある複雑な文様が刻まれた無数にある出っ張りを押す。


ピ、ピピッピー

出っ張りを押すたびに聞きなれない甲高い音がする。


[コード確認。封印を解除します]

ガコン!

石棺の蓋が二つに分かれる。


石棺の中から眩しい光が溢れる!

「ぐっ!!何だこの光は!!!」


目を閉じても眩しいこの光はなんだ!!

俺も帝国騎士達も全員、目を押さえ石棺に背を向ける。


それでも眩しい光!!


その光が収まり、俺はゆっくり視線を石棺に戻す


…石棺の中には…全裸のアリステルに瓜二つな魔導人形がいた。



◇◇◇◇◇

ドワーフ王国古代魔道具研究家ドギ視点


王女の命を盾に取られ、開けてはいない石棺を開けてしまった。


文献通り目を閉じても消える事のない光が溢れ出す。


帝国の将軍も騎士達も全員目を押さえ蹲っている



その隙に王女を連れ逃げ出す。

「王女さま!!今のうちにどうかランバード王国に逃げ落ちてください!」


「そ、そんな…私一人おめおめと…」

「これは逃亡ではありません!王と王妃様の仇を取るためにもランバード王国に向かってください」


ハッとする王女。


「ランバード王国には儂の友人のギムとギムリと言う冒険者ギルド長と王国一の鍛冶屋の二人がいます。

どちらでもいいらか、その二人を頼ってアリステルと言うバニーガールに会ってください」


「バニーガール族のアリステル…」

「そうです、そしてめちゃくちゃ強い敵がいるので倒してくださいとお願いしでください」


「そんなお願いの仕方で…」

「ギム達の話だとそのバニーガールは常に強者を求めているそうです。強者の話を聞けばアリステルはきっと討伐を受けてくれるはずです」


「わ、分かりました!きっとアリステル様を連れて戻ります!!」


「いえ、ここには絶対戻ってはダメです。この土地はもう呪いを受けました。貴女達も呪われてしまう。だから敵討ちは帝国でやってください」


「は、はい…ドギは一緒に来てくれないのですか?」


「私はこれ以上呪いが広がらないように石棺を閉じてから行きます。早く逃げ延びてください」


儂の必死の説得に頷き、駆け出す王女。

何人かの生き残った我が王国の騎士も王女の後を追った。


石棺の元に戻ると…

[ユーザー認証確認。以後ザリューシュに所有権が移ります]


将軍が魔導人形とキスしていた。


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