馘と3Dプリンター
オーガを血祭りにあげたアリスはギルドに向かった
「アリスが殺ったのか?…」
ギルドのカウンターに置かれるオーガの生首×4
その内の一つ、潰れ真っ二つになったオーガの生首を目の当たりにしたギルド長が脂汗を流しながら呟いた…
「うん、このドラゴン殺しでぶっ叩いたんだよ!」
背後でモブ冒険者どもがどよめきがあげる。
「あれって…やっぱりギルドの奥にあったドラゴン殺しか…」
「なんで…それを子供が背負ってるの!?」
「あれは、人が持てる重さじゃないだろう!!」
モブどもの称賛と感嘆の声が心地いいぜ!
オーガ討伐報酬プラスオーガ3体分の追加報酬で200万ゴールドゲット!
日本円にして約200万だ。
「あと、おめでとうアリス。Cランクに昇格だ」
おぉ、2日目にして3ランクアップ。
ストブリと並んだぞ!
「これは異例の速さだが、オーガを一人でやれるなら昇格するしかないからな」
唖然とするストブリのメンバー達。
◇◇◇◇
ギルド併設の酒場に移り、ストブリと報酬を山分けしようとすると…
「いや、その報酬は全部アリスが受け取ってくれ」
とロイが言った。
「え!?」
俺が一人で全部倒したからか?
「それで…悪いんだが…チーム入団の話はなかった事にしてくれ」
「ええ!?」
まさか馘にされるとは思わなかった!
「うん、ロイやエトとさっき話し合ったんだけど…」
「貴方は強すぎるのです」
「俺達は強くなりたい。アリスがいるとその機会が失われてしまう」
「アリスちゃん一人で魔獣を殲滅できちゃうもんね」
「多分、一か月もしない内に俺たちよりランクは上になるだろう」
「俺達は強くなるためにアリスに頼る訳にはいかないんだ!」
レベルが違いすぎてか…仕方ないか。
「うん、分かった!アリスもう一人で大丈夫だよ」
「ごめんね。でも分からない事とかあったら何でも聞いてね」
すまなそうにするリタ。
「じゃ、王都の行き方教えて!」
ストブリ達に馬車の乗り方を教えて貰い、あと地図も貰った。
「うん、ありがとう!またどこかで!」
◇◇◇◇
しかし参ったな…居場所がなくなってしまった。
ギルドを出た俺は街を散策する。
とりあえず何か食うか。
街の広場にある屋台村に向かう。
「おじさん、肉串3つちょーだい!」
「あいよ!お嬢ちゃん可愛いから1本サービスだ!」
「ありがとーー!!」
あむ…味が薄い。
まぁナノマシン補充の為の食事だ。贅沢は言うまい。
ナノマシンといえば…
[タブレットなら製作可能です]
おぉ、早速作るか!
タブレットがあれば幼女偽装プログラムを解除できる
[宿屋で製作する事をお勧めします]
「なんで?」
[3Dプリンターを起動中は機体アリステルの性能が83%低下するからです]
それはマズイな。
俺は宿屋に泊まり、さっそくタブレットの製作に入る。
[最初は小さめのタブレットの作製をお勧めします]
サポートAIがそう言うならそうしようか…
俺はスマホサイズのタブレットをイメージする
[3Dプリンター起動します]
もともとポッコリしていたお腹が更に膨れ始める
[あと音声出力のボリュームも絞ります]
「おえ!?」
どんどん膨らむお腹。
(ギャァァァァ!!いでぇぇぇぇぇ!!!ストップストップ!!)
[3Dプリンター起動中の停止はできません]
まるで妊婦のように膨らむお腹。
そう言えば…女性の子宮部分に3Dプリンターを仕込んだっけ。
(痛覚off!!痛覚off!!)
[タブレットで設定してください]
マジかぁぁ!!
しかし…この痛みは出産の痛みか!!!
(ひっひっふーーーー!!ひっひっふーーーー!!)
ラマーズ呼吸法で乗り切ろうとする俺。
(うぎゃおおおおおおおお!!裂ける!!裂ける!!)
子宮内で作られたタブレットはどこから出でくる?
それは産道だ!!
ぴっちり閉じた新品の割れ目がこじ開けられ頭を出すタブレット。
しょ処女喪失の痛みなのか?これはぁぁぁぁ!!
サポートAIが小さめのタブレットを勧めてきた理由がわかった。
誰だ!!このアホみたいな設計をしたヤツは!!
俺だよ!!!
製作から出産までの約2時間、地獄を見た俺だった。
「よ、幼女偽装プログラム…off…」
瀕死の状態になりながらも当初の目的を果たした俺だった。
と、とりあえず…明日は王国を目指そう…
良いね。ブックマありがとございます!