ワイバーン落ちる
◇◇◇◇
アリステル視点
「うひょぉ!」
白いワイバーンの炎をジャンプで躱す。
着地と同時にファランクスで反撃。
それをバレルロールで綺麗に回避するワイバーン。
「うわっ!うわあっ!!」
俺の腕の中で情けない悲鳴をあげる帝国技術局長ネスティ。
「なぁ、あんな非道な姫見捨てて俺んとこに来いよ」
ネスティをスカウトしてみる
吊り橋効果で口説けるかと考えたからだ。
「た、助けてくれるなら何処でも行く!行くから!!」
ワイバーンに焼き殺されそうになったネスティは俺に必死にしがみついている。
怯え、涙目になったクール系ヤンデレ女技術者もなかなか良い。
「ネスティ!!貴女も帝国軍人なら軍人らしく潔く死になさい!!」
ネスティの亡命宣言にキレるワイバーン皇女騎士。
「冗談じゃない!私は技術者だ!軍人じゃない!!」
死ねと言われて激昂するネスティ。
「アリステル!私を連れて行ってくれ!!」
「交渉成立。」
帝国の技術者ゲット!
そうはさせまいと、急接近してくるワイバーン。
「お、おい!?姫が、姫が突っ込んでくるぞ!!な、なんで動きを止める!?おい!おいぃ!?」
俺は足を止め、空からダイブしてくるワイバーンを正面から眺める。
「問題ない…俺達の勝ちだ…」
次の瞬間。
ドゥンッ!
アルフレア姫が撃った狙撃弾がワイバーンの後頭部スレスレを通過した。
◇◇◇◇◇
帝国第6皇女エターシャ視点
「ネスティ!!貴女も帝国軍人なら軍人らしく潔く良く死になさい!!」
帝国の技術を敵国に漏出させる訳にはいかない。
ネスティの損失は帝国にとってかなりの痛手だが…敵の手に渡るぐらいなら!!
動きを止めたアリステルに相討ち覚悟で突撃をかます!
距離10メートル!
今、アリステルにストーンバレットを撃たれたら回避は不可能。
だが、アリステルもこのファイアーブレスの拡散範囲から逃れる事はできないはず!
「ファイア!!」
ドゥンッ!!
その瞬間!!
ワイバーンの後頭部スレスレを何が恐ろしいスピードで掠って行った!!!
ビクッと身体を震わせ動きを止めるヴァリス…
「ヴァ、ヴァリス…ど、どうしたの…」
翼をピンっと伸ばしたまま動かなくなるヴァリス。
この翼を伸ばす姿勢はワイバーンが気絶、もしくは死亡した場合のパイロットを墜落から守る為の滑空姿勢だ。
「くっ!?」
私は滑空状態に入ったワイバーンの姿勢制御に入る。
現在の速度は約200エーカー(約200km/h)
この速度で地面に激突したら私もワイバーンも死んでしまう…
激突を避け高度を上げると、同時に速度を落とし軟着陸できる場所を探す。
ここで、アリステルの反撃を受けなかったのは奇跡だ。
「あそこに…」
不時着ポイントを見つけ体重移動でワイバーンの身体を傾ける。
が…。
その時、信じられないスピードで地上を駆け抜けるアリステルの姿が見えた。
そして私が見つけた不時着ポイントに先回りする。
私達を捕獲するつもりか!?
「くっ!!」
進路はもう変えられない…
こんなったら…
私は腰のレイピアを抜く。
ネスティは王国の手に落ち帝国の技術はランバード王国に漏洩するだろう
だから…せめてアリステルを破壊し、その損失分の穴埋めとしよう…
「ヴァリス…ごめんね。私と一緒に死のうね」
私はアリステルに向かってヴァリスを最大速度で墜落させる。
◇◇◇◇
アリステル視点
「くくく…相討ち覚悟の特攻か…真面目だねぇ」
俺に向かって加速して落ちてくるワイバーンとその背でレイピアを構えた皇女騎士。
ま、たとえ正面衝突しても俺は無傷で済むが…
せっかくウチの姫さまに無傷で気絶させて貰ったんだ。
生きたまま確保したい。
上空50メートル。
「重力ダイブ…」
俺は重力を反転させ、ワイバーンに向かって猛スピードで落下する
驚きの表情を見せるワイバーンの皇女騎士。
「エアブレーキ」
スカートを展開しワイバーンとの速度差を調整する。
「お邪魔するぜ」
そのままワイバーンの背に乗り込む
◇◇◇◇◇◇
帝国第6皇女エターシャ視点
「な、な!?」
ジャンプじゃない!不思議な挙動でこちらに一直線に飛んでくるアリステル!!
いや、飛んでくると言うより落ちてくるような感じでこちらに向かってくる。
そしてバッと広がるスカート。
ドロワーズ丸見えでこちらに急接近してくるアリステル
「お邪魔するぜ」
まるで旧友の家に入るかのように、落下するワイバーンの背に乗り込んでくるアリステル。
「こ、この!!」
シュッ!
レイピアを突きたてる!
パシッ!
レイピアの刃先をいとも容易く摘むアリステル。
「!?」
私とて騎士としてそれなりの修練は積んできたつもりだった。
アリステルはかなりの強者だと報告書に書いてあったが…まさかここまでとは…
「あっ!」
ヒョイと奪われてしまう私のレイピア。
そのまま投げ捨てられるかと思ったが、私のそのレイピアをアイテムボックスに大切そうにしまうアリステル。
ワイバーンも気絶し、武器も奪われた…
もともと勝ち目がないのは分かっていた。
どうせ相討ち覚悟の特攻だ。
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
私はアリステルに飛びかかる
それと同時にヴァリスを半回転させ、腹を空に向ける。
「む?」
驚きの声を上げるアリステル。
その小さな背のアリステルを胸に抱きしめる形で共にワイバーンの背から落馬(落ワイバーン?)する。
上空100メール(メートル)
みるみる迫る大地…私は気を失った。
◇◇◇◇◇
アリステル視点
「む?」
突然、皇女に抱きつかれ、その胸に頭を押し付けられる。
ふむ…限りなくA寄りのBカップか。少々固く平らだが…それも悪くない。
皇女のちっぱいを顔面いっぱいで堪能する。
しかしこのままだと俺達はともかく、乗り手不在のワイバーンがどこか遠くに落ちて死んでしまう。
再び重力反転させ、ワイバーンに向かって落下する。
「もう少し…」
ワイバーンの手綱を取り、その背に座る。
皇女とは対面座位状態だ。
前が見えにくい。
「ネレイ、目標確保した。迎えに来てくれ」
(はい、10分で到着します)
こうして俺はワイバーンの奪取に成功した。
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