アリス、初めての戦い
ストームブリンガーに仮入隊したアリスは意気揚々とオーガ討伐に向かう。
「この森ではぐれオーガが散見されたそうだ」
街を出て半日ぐらい歩いた位置だ。
「お〜〜ジ◯リの森みたいだ〜」
マイナスイオンが出てる。
ラビィが先頭に立つ。
「索敵は私に任せて」
剣士かと思ったがラビィはレンジャーだった。
俺のウサ耳センサーの性能がレンジャーを上回るか試してみよう。
森に入って1時間。
[目標捕捉。距離500m。数4。食事中の可能性90%]
サポートAIがオーガを発見する。
ん?はぐれオーガと聞いていたが徒党を組んでる?
「いたわ…不味いわね…全部で4匹いるわ」
3分遅れてラビィがオーガを発見する。
ほう、なかなかやるな。
オーガ達はお食事の最中だったようだ
人間の子供の足らしき物を齧っているオーガや
商人らしき男の内臓を引き摺りだし食べる者。
傭兵らしき男達を食べる者などがそこにいた。
「数が多いな…仕方ない…撤退する」
さすがC級冒険者、この凄惨な現場でも眉一つ動かさない
「了解」
「問題ありませんよアリス。この情報を持ち帰れば依頼は失敗扱いになりませんから」
エトが俺の初仕事が失敗ではないと励ましてくれる。
「オーガってそんなに強いの?」
「1匹なら問題ない。俺一人でもギリギリ勝てる」
「チームで戦えば2匹までいけるけどね…」
「なら問題ないよ!」
どう低く見ても俺はロイ500人分の強さはある
まぁ異世界人特有の謎スキルが無ければの話だが。
「…マジ?」
「アリスちゃんがいるならイケそう…」
「…良し、四人でやってみるか」
「私ひとりでやる!」
「え!!!」
「できるもん!」
ドラゴン殺しを抜く。
「わかった…ヤバくなったら加勢する」
「えへ、ありがとう!」
「ほい!」
ジャンプ!
ドッテ!!
「いてっ!」
くるくる回転しながら食事中のオーガ達の前に着地失敗で尻餅をつく。
ウゴォォォォ!!
俺の突然の着地失敗に驚くオーガ達。
ちなみに堂々とオーガの前に飛び込んで転んだ俺にストブリ達も驚いていた。
驚きから回復したオーガ達が棍棒を構える。
オーガの身長は約3m。
手に持つ武器は棍棒。長さ1m。重さ20kgと言ったところか。
だが…身長で負けても武器の大きさは俺の勝ちだ。
ちょいちょいとオーガ達を手招きし、挑発する。
ガァァァァァ!!
正面からの振り落としの棍棒を左手一本で受け止める。
[脅威レベル0]
サポートAIが今の一撃からオーガの戦闘力を算出する
ガッ!!??
驚くオーガ。
そのオーガの両足をドラゴン殺しでヘシ折り千切り飛ばす。
ギャァァァァ!!
両足を失ったオーガが絶叫をあげる。
そのオーガの顔面を踏み砕きトドメを刺す。
「ひとつ」
本能で俺の強さが分かったのか、脱兎のごとく逃げ出す3匹のオーガ。
クククッ…逃がさねぇ!!
先頭を走るオーガの前に回り込む。
時速145キロで走る俺から逃れる事は不可能に近い。
「やあっ!」
オーガの頭に向かってドラゴン殺しを振り落とす。
頭蓋骨、背骨を押し潰しながら真っ二つにする。
「ふたつ」
ブモォォォ!!
俺の圧倒的強さに怯えた目を見せるオーガ。
屠殺される豚のような悲鳴を上げながらふた方向に逃げ出す。
「ク〜〜ケケケケケケ!!」
愉悦!!愉悦!!!
アリステル・レステルの戦闘力に酔いしれ、奇声を上げながら逃げるオーガを追いかける。
シュッ!
「ドラゴン殺しキックぅ!」
一瞬でオーガに追いつき、その背にライダーキックを叩き込む。
ボキッ!
折れる背骨。
ライダーキックの勢いは止まらず、そのままオーガと共に10メートル飛翔しその先に大木とともにオーガの身体をヘシ折った。
「みっつ」
ウサ耳センサーが残りのオーガの位置を俺の目に表示する。
3秒で追いつく。
目の前に現れた俺の姿にビビりへたり込むオーガ。
ちょいちょいと再び挑発するが…
ショワワワワ…
汚ったねぇ…失禁しやがった。
スパッ!
興味を失った俺はドラゴン殺しを軽く振り、最後のオーガの首を跳ねる。
「よっつ」
アイテムボックスから雑巾を取り出し、オーガの血やら肉片で汚れたドラゴン殺しを拭く。
このまま背負ったら俺の綺麗な髪が汚れるからな。
「アリス!無事か!?」
「な、何なのよ!あなたの強さは!!」
「おぉ…神よ」
「うん、楽勝だったよ」
にっこり。
どうやらストブリは俺が倒したオーガの討伐証明として死体の一部を回収してくれていたようだ。
最後にオーガの食事になった人達の身元が分かりそうな遺物を回収し、ギルドに帰投した。
良いね。ブックマありがとございます