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帝国第六皇女エターシャ

◇◇◇◇◇

帝国の白い悪魔 エターシャ視点


「あれは一体なんだったの!?」

突然のワイバーンの死。

帝国が10年の歳月をかけて育て上げたワイバーン4匹が、一瞬で殺害されてしまった。


私が6歳の時…

父、ラインハルト皇帝は大陸統一の為、ワイバーン部隊による空からの攻撃を提案し、その実現のため2万の帝国兵士をワイバーンの棲む渓谷に派遣した


2ヶ月の大遠征の末、帰還した兵士は143名。

そんな多大な犠牲を払い、手に入れたワイバーンの卵は僅か12個だった。


11個の卵は帝国技術開発局に送られ、残り一つは私が羽化させる事になった。


私、エターシャが選ばれた理由は簡単だ。

死んでも損失が少ない第六皇女であり、魔獣使いの才能があったからだ。


その日から私は卵を抱き、ほぼ24時間体制で魔力を注ぎ込んだ。


2週間後…帝国技術開発局に預けられた卵が羽化し、6匹のワイバーンが産まれた。


すくすく育つワイバーン。

でも、私の卵はピクリともしない。


さらに1週間が過ぎ、死産か?と思われた時!

ついに卵の殻を破り白いワイバーンが産まれた。

私はこの白いワイバーンにヴァリスと名を付け、私専用のワイバーンとなった。


ヴァリスは、卵の時から私だけの魔力で育ったせいか、私を母だと思っているようだ。


それに比べて技術開発局のワイバーンは気性が荒い。

数ヶ月かけて食べて良い人間(獣人と奴隷)と悪い人間(関係者)の区別をつける躾にようやく成功した。


そして1年後。

成体に成長したワイバーンでの本格的訓練が始まった


人を乗せた状態での歩行訓練から始まり、ようやく空を飛ぶ段階に達した。


「ヴァリス…行くよ!」

「クェ!」

皇帝の鷹狩りの領地で秘密裏に始まる初めての飛行訓練。


私を乗せ、崖に向かって全力で駆け出すヴァリス。


こ、怖い…

ヴァリスの事は信用している。

でも、断崖絶壁の先は海だ。落ちたら死ぬ。


崖から飛び出す!

フワッ!

この胃の中の物が迫り上がるような感覚。

足下から地面が消え、海になる。


「と、飛んだ!?」

「おおお!!」


ワイバーン技術開発局の研究者達から歓声が上がる。

だが、私は彼らの声援に応える事が出来ない。


「ひっ!ひいっ!!」

か、風が、キツイ!!風圧で振り落とされそうになり

手綱を強く握るが…突き刺すような冷たい風が私の手の握力を奪う。


落ちる!!


「ヴァリス、戻って!!」

馬のように精一杯の力で手綱を引く。

「クェェ」


私の苦痛を感じたのかゆっくり崖に戻ってくれるヴァリス。


「エターシャ姫!お見事です!!さすが姫自ら育てあげたワイバーンです!!感服いたしました!!」

開発局局長が私の手を握る。


「…えぇ、空は寒い、厚着をした方がいいです…ね」

行きも絶え絶えで応える私。


「ハッ!かしこまりました!」

私のアドバイスで厚着をする六人のワイバーン騎士(ライダー)


彼らもワイバーン騎士として選抜されたエリート達だ


「では、行ってきます」

一人ずつ飛び立つ。


こうして私と六人のワイバーン騎士と技術開発局の人達と少しずつ血の滲むよう訓練を重ねてきた。


10年後。

ようやく実戦投入できるレベルになった。

途中、2名のワイバーン騎士とワイバーンが事故死する悲しい出来事があったが、ワイバーンによる空戦マニュアル(マニューバー)が完成。


そんなある日。


ワイバーン宿舎でヴァリスの世話をしていると

ドサッ、ドサッ、ドサッ、ドサ!

給餌係の獣人を食べていた4匹のワイバーンが突然倒れる。


「え?」

咄嗟にヴァリスを庇う。


「な、なに?」

ワイバーンは何かで、額を撃ち抜かれ死んでいた…


「て、敵襲だ!!」

自分の愛馬であるワイバーンを失った騎士が叫ぶ!


「キシャァァァ!!!」

仲間の死に咆哮をあげるヴァリス。


外に飛び出そうとするヴァリスに飛び乗る私。

月明かりで辛うじて地表と空の区別がつく。


毎日のように空を飛び、鷹のように大地と空を見つめ続けた私の視力はかなりな物になっている。


「見つけた!!」

丘の上に怪しい人影が三人。


こちらを見ている。


「ハッ!!」

頭に死のイメージがフラッシュする!!

私の思考が魔力を通じてヴァリスに伝わる。


グルン!!

軌道変更するヴァリス。

その瞬間、私の頭の横を何かが凄い勢いでカスっていった。


「ストーンバレット!?」

魔法で撃たれたの!?

な、なんて言う速さと威力が込められた魔法だ!


多分、これを撃った魔道士がワイバーンを殺したに違いない。


「来る!」

再び飛んできた魔法?をバレルロールで躱す。


「ワイバーンの仇!!!」

魔法を躱され、慌てふためく魔道士にワイバーンのファイアーブレスを叩きつける!!


「な!?」

その広範囲を焼き尽くすファイアーブレスから、新たに駆け寄ってきた少女…バニーガール族の少女によって連れ出される魔道士の少女と女騎士。


次の瞬間!!

ブゥドドドドドドド!!


聞いた事のない轟音を放つストーンバレットが私とヴァリスを襲う!!


「くあっ!!うあ!!ぐうっ!!」

何万発と飛んでくるストーンバレット!


急旋回、急降下を繰り返し位置エネルギーを失わないように無理な軌道で躱す!


信じられない!!こんなに撃ったら普通魔力切れするでしょ!!


「キィィィ」

無理な軌道でヴァリスの翼を痛めてしまったようだ!

これ以上は追撃できない!!


私は戦域から緊急離脱する。


最後に私を撃った人物を見る…


その人物は巨大なうさ耳を持つ両手剣を背負ったエプロン姿のバニーガール族の娘だった。


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