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スト0

ネレイ視点。


「はぁ...はぁ...はぁ...」

地平線まで見える灼熱の荒野。

私は屈み込む事でようやく身を隠す事ができる小さな岩陰に身を潜めている…


「ここなら索敵範囲外のはず…」

私は指で輪を作り、その中の光を屈折させ望遠レンズを作る。


指の中に、はるか遠くにいる最強最悪の(センセ)の姿が見える。

センセのうさ耳レーダーの索敵範囲は半径3km。


私はセンセの頭部を狙い、9mm弾サイズまで小さく圧縮したファイアーバレットを放つ!


秒速2000メートル。

2秒でセンセの頭部に到着する。

しかし紙一重で交わされてしまった。


「くっ!」

即座にセンセの反撃に備えて防御シールドを張る。


「いい反応だ!」

4000メートルの距離を一瞬で詰め、殴りかかってくるセンセ。


シュ!

ピンポイントで作り出した防御シールドでセンセの鉄拳を受け流す。


バキッ

限界まで強化したシールドが一瞬で砕け散った!


と見せかけ!

バン!!!

砕けたシールドがリアクティブアーマーの原理で爆発し、無数の破片となってセンセに身体に食い込む…


はずだったが、その破片は巨大なドラゴン殺しで防がれてしまった。


「イイ!今のは実に良いアイデアだ。ネレイ」


ビュン!!

「ガハッ!!!」

センセの振るったドラゴン殺しが、私の身体を輪切りにする…


「5秒か…まずまずだネレイ」

「あ、ありがとう…ござい…ま…す」

輪切りにされた私は、そこで生き絶えた……



[シミュレーション終了します]


プハッ

長いセンセとのディープキス。

ゆっくりと唇を離す。


こうやって、私とセンセの電脳をディープキスでリンクし、バーチャル空間での戦闘訓練をしている。


「ボクも電脳化して欲しいなぁ〜」

ドロシーさんがセンセにシナを作っておねだりしている。

「必要に迫られたらな」


できるなら電脳化は私だけにして欲しい。

[ネレイは意外と独占欲が強いですね]

(も、もう、ほっておいてよ!)

[とりあえず、今回の戦闘を元にアリステル攻略法を練り直しましょう]


私は、私のサポートAIのアイちゃんと、

センセに出された命題「俺を倒せ!」を実現する為、脳内会議を始めた。



◇◇◇◇◇◇◇

ソーサレス兼見習いパン職人 サラ視点。


アリス師匠の弟子になりパン職人になる為、私はアリス師匠達と帝国に向かうことになった。


その道中。


「あ…はぁ…」

信じられない、こんな快適なトイレがあるなんて…

陶器でできた便座。しかも温かい。

水魔法を使わずに洗浄までしてくれて、しかも何?

このトイレペーパーってやつは!?


アリス師匠のトレーラーハウスはまるで天界のような快適な空間だった。


それにこのシャワールーム!!

「サラ、このシャンプーとかの使い方説明するぜ」

師匠と共に裸でバスルームに入る。


私の長いロングヘアーを丁寧に泡を付けて洗ってくれる師匠。


「いい匂い…」

柔らかい花の香りがする。


「身体も綺麗にしないとな」

「ううん!!」

私の胸を持ち上げ、満遍なく優しくもみ洗いする師匠


「あとココも!」

「あひゃ!」

変な声が出てしまった。

私のIゾーンを指でしごき洗いされてしまった。


ドライヤーと言う温風が出る魔道具で髪を乾かすと…

「き、綺麗…」

艶々と光沢を帯びた髪があった。


頭を振る。

さらっさらっと流れる髪。



「むーー!センセ、そろそろ私の特訓の時間です」

嫉妬したネレイさんに師匠が連れていかれてしまった。


「センセ!お願いします」

「おっしゃ本気で行くぜ!」

ベッドの上で口付けをする師匠とネレイさん。

舌を絡ませる濃厚なディープキス。


これが特訓!?

キスの訓練なのだろうか?

唇を合わせたまま、時折ピクピクと痙攣する二人。


「二人なら1時間ぐらいそのままだよ。だからさ!こっちで遊ぼうよ」


ドロシーさんに誘われてテーブルにつく。

「し、失礼します」


テーブルの上でアルフレア王女が見た事のない金属でできた杖?ような物を分解し清掃していた。


「ふふ、サラさん。ここでは私は王女ではなく貴女のパーティメンバーのアルです。かしこまらないでください」


「は、はい。ア、アルさんとレイチェルさん。これから宜しくお願いしますね」


「はい、こちらこそよろしくお願いしますね。サラさん」


その隣に座るのはプリンセスガードのレイチェルさんだ。


「A級冒険者であるソーサレスの貴女の活躍は度々、王宮でも聞いた事があります。最近ではミノタウルスを生きたまま解体したそうですね」


「えぇ、それが縁でアリス師匠と出会いました」

王都の広場で仲間の仇であるミノタウルスを惨殺したはつい1ヶ月ほど前だ。


ゆっくり、ゆっくり半日ほどかけて生きたままミノタウルスを解体したのだ。


最初こそは熱狂していた観客達も最後は逃げ出したり吐いたりした者が続出した。


お陰で「ハラワタ抜きのサラ」と言い二つ名がついた。


「まぁまぁ、これでも飲もう」

白い箱の中から冷えた筒のような物を取り出すドロシーさん。


「綺麗な容器…」

銀色に輝く薄い金属でできた缶を受け取る。


「スト0って言うエールだよ」

プシュ!


「私は炭酸飲料」

赤い缶を取るアルさん。


「私は氷結を」

レイチェルさんは氷結?


「「「カンパーイ!!」」」

ぐびぐび…


私も見よう見まねで缶を開け飲む!

「くぁっ!!」

美味しい!!果物のようなさっぱりとした清涼水!

そしてしゅわぁってする喉越し!!

初めての味だ!


ごくごくごく…

こんな美味しい物、飲んだ事ない!!

普段はエールなんて不味くて飲めたモンじゃないと思っていたけど、これなら何杯でも飲める!!


「お、イイ飲みっぷり!」

おかわりを出してくれるドロシーさん。


「ありがとう」

2本目も頂く。


「お、やってるな。俺にもくれ」

キスの特訓が終わったようで、ベッドルームから師匠とネレイさんが出てくる。


「はーい」

白い箱からスト0を取り出し師匠に渡すドロシーさん。


「私はドクペで」

小豆色の缶を受け取るネレイさん。


「もう1本、貰っても良いですか?」

「サラ、結構強いんだな」

師匠から3本目のスト0を受け取る。


プシュ…

ごくごく

「え、私はあまりエールは好きじゃ…ないですけひょ…このスト0とかいふヘールは…すきへふぅ」


「お、おい、まさか酒に弱いくせにスト0を3本開けたのか!?」

「ひゃ、ヒャイ…とてもおいひくてぇ…う、うげぇ


何か胃袋から逆流してくる

「ネ、ネレイ!!シールド…

ゲロロロロ…!!

私の口から液体が飛び出す。


それを0距離で浴びる師匠。


「ギャァァァァァァァァ!!!

師匠の絶叫が聞こえるぅ

「せんせーー!!!」

ネレイさんの悲鳴だぁ


私はそのまま…気持ちよくなって寝てしまった。


イイね、ブックマークありがとうございます!

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