ストームブリンガー
帝国の砦を破壊したアリスは逃亡をはかる。
「帝国の追っ手はないようです」
スポッター用の双眼鏡で後方確認するレイチェル。
「センセー、どうします?このまま王国に帰りますか?」
ラン○ルのハンドルを握るネレイが俺に尋ねてくる。
「うーん…いや、このまま西砦から帝国に入ろう」
北門からの入国は先程、失敗した。
「また、同じように砦を壊すだけでは?」
姫様からの信頼度が低くなってしまったようだ。
このままだと本当にただの凶戦士だと思われてしまう。
どうやって姫の誤解を解こうかと考えていると、
[アリス。前方1500メートルで戦闘あり]
サポートAIのアイから報告が入る。
「センセ、行きますか?」
「向かってくれ」
ネレイのアイと俺のアイは同期している。
俺のアイから戦闘情報が共有されたのだろう。
「姫、前方1500メートルで戦闘だ」
PSG-1を構え、ラン○ルのルーフから身を乗り出しスコープを覗く姫。
その隣でレイチェルも観測する。
「冒険者4名。ビッグバイパーと戦闘してる。苦戦しているみたい」
「援護射撃してやってくれ」
「了解!!」
バシュッ!!バシュッ!!バシュッ!!
「姫さま、命中してますが効果ないみたいです」
「むーーー!」
自慢の狙撃が効果なくてふくれっ面になるアルフレア
そうしている内に俺も光学でビッグバイパーを確認した。
体長20メートルの巨大なアナコンダだ。
それに戦っている冒険者は…
「ドロシーは防御。ネレイと姫は遠距離攻撃で蛇を冒険者から引き離してくれ」
俺はラン○ルの助手席の窓から飛び降り、全力で駆けだす。
ラン○ルの周りにドロシーの聖なる教会が発動する。
バシュッ!!バシュッ!!
バリバリバリ!!
レイチェルと運転を替わったネレイの雷撃を交わすビッグバイパー。
魔力感知があるのか!?
「うおりゃぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は助走を付けて鎌首をもたげるビッグバイパーに向かって飛び蹴りを放つ!
◇◇◇◇◇◇
ストームブリンガー ロイ視点
時間はアリステルが獅子王とタイマンをハッている頃に戻る。
「な、なんでお祭りになってるの?」
アリスちゃんの首を取り戻そうと王国に入ると…そこは国を挙げての祭りの最中だっただった…
商人が商隊を組んで激しく行き交い、あっちこっちで呼び込みが声を張り上げていた。
「ねぇ…あれってアリスちゃんの真似?」
ウサ耳のカチューシャを付け、背中に大きな板を背負い、青いエプロン姿で駆け回る女の子達。
中には男の子達もエプロンドレスを着て両手剣の模造刀を振り回して遊んでいる。
いったい王国で何があった?
「とりあえず…ギルドに行って話を聞いてみよう」
◇◇◇◇◇◇
「え?アリスちゃんを見たって?それいつの事?」
冒険者ギルド併設の酒場で早速、情報を仕入れてる。
「1週間前だよ。ドラゴン殺しのアリステルの活躍を知らないのか?」
「ウサ耳でエプロン姿の両手剣使いの女の子ってあのアリスちゃんしかいないだろ」
「俺!アリスちゃんが城の屋根の上で、ドラゴンブレスを真っ二つに斬り裂いたところ見たぞ!!マジ痺れるそこに憧れる!!」
…どうやらつい最近、王国に火竜が現れ、その火竜を単騎で討ち取ったアリスちゃんの活躍で大騒ぎになっているらしい。
「ろ、ロイ…アリスちゃん生きてたの?」
俺の肩を叩くラビィ。
「みたいだな…」
「では…あの死体は…?」
僧侶であるエトの疑問も当然だ。
斬殺された約2000人の騎士の死体とそこにあったアリスちゃんの首なし死体。
「わ、分からん…」
「でも、生きていたなら良いじゃない」
俺たちストームブリンガーと同行してきたA級ソーサレスのサラさんが明るい声を出す。
「いや…もしかしてアリスちゃんの頭を利用してゴーレムとかアンデッドモンスターを作ったのかも知れないよ?」
ラビィが怖い事を言い始めた。
「その可能性は否めませんな…」
「その火竜殺しのアリスちゃんを探してみましょう」
頷く俺。
「なぁ、そのアリスちゃんは今どこに?」
「あー、白い天使の馬なし馬車で獣人国に行ったらしいぞ」
「天使の白い馬なし馬車!?」
またまたすごいパワーワードが出てきた!!
「アリスちゃん…いったい何をしてたのかしら?」
「と、とりあえず獣人国に行くか」
3日後。
俺達は旅支度を整え、獣人国カラバを目指した
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