アリス、チームに加入する
「今日からお世話になります。アリステル・レステルです。アリスと呼んでね」
とスカートを翻しながら可愛らしく挨拶する俺。
これは決して俺の意思ではない。
幼女偽装プログラムのせいだ!…多分。
「よろしくね〜アリスちゃん」
「頼もしい仲間が増えて嬉しいぜ」
「アリスに祝福を」
ギルド併設の酒場で俺の冒険者デビュー兼チーム加入を祝ってくれるストブリ。
「アリス、良かったらコレ使うか?」
ギルド長のマッスル・マッスルがドラゴン殺しを担いでくる。
なんか右手に包帯を巻いている。
俺の真似をして片手で振り回そうとして筋肉を痛めたようだ。
「いいの?」
「こいつを使いこなせるのはお前だけだ」
俺は喜んで受け取る。
ドラゴン殺しより俺の拳で殴った方が威力は高いが、
この小さな手は27本のフレームに27の筋肉繊維を贅沢に使った時価10億ドルの超超高級マニュピレータなのだ。
鈍器として使うには罰当たりな性能を持っている。
やはりマニュピレータは何か持たせてこそだ!
「ドラゴン殺し専用の背負いベルトもあるぞ」
それもありがたく貰う。
ごそごそとベルトを装備し、ドラゴン殺しを背負う。
大型の剣は持ち手を上にして背中に担ぐのが普通だが、俺の身長だと刃先が地面を引きずってしまう。
だから逆さにして担ぐ。
凄みをつけてポーズを取る
「似合う?」
「あははは!!なんかイイ!!怪しい雰囲気出て強そうに見えるわ!!」
爆笑するラビィ。
「うーむ…強そうと言えば強そうに見える…か?」
悩むロイ
「ぷっぷぷ…」
必死に笑いをこらえるエト。
「ま、まぁ、これなら喧嘩売ってくる奴はいないだろう」
「よ、幼女に大剣…イイ…」
…なんかギルド長、ヤヴァイ事言ってるような気がする。
まっとりあえずカンパーイ!
タダ酒はうまい!(注:ここは異世界です。日本の法律とは異なる世界です)
◇◇◇◇
次の日。
宿屋で目を覚ます。
俺は寝る時は全裸派だ。
「へ・ん・し・ん」
鏡の前でバッタのライダー風に変身ポーズを決める
シュワ!
身体にまとわりついた光の粒子が一瞬でいつものエプロンドレスになる。
ちょいちょいと髪のクセを直す。
部屋を出て一階でストブリのみんなと朝食を取り、ギルドに向かう。
「オーガ討伐でいいか?」
討伐依頼リストを確認するロイ。
「おっけー」
どんな敵か分からないが敵ではないだろう
「アリスの力を見たい。単独で倒せるか?」
「ちょ、オーガを一人でやらせる気?」
「もちろん危なくなったら加勢する」
「うん、一人でやってみたい」
この身体の戦闘力を測るのにちょうどいいだろう
「アリスちゃんがそれでいいなら…」
依頼を受諾して俺たちはオーガ出たと言う森に向かった。
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