ネレイ、飛ぶ
ドラゴン殺しを手に入れたアリスはネレイと合流した
「マ、マジかよ…」
離宮に戻るとネレイが上空10メートルの高さを飛んでいた…
スーーイ…スーーイ…気持ち良さそう。
「ネレイ!!それどうやってるんだ!?」
俺は空を飛べない。
重力を反転させ空に向かって落ちる事は出来るが…
マジ羨ましい!!
「あ、センセ!!オリジナル魔法が完成しました!」
ふわふわと降下してくるネレイ。
「センセのダブレットにあった空力学の応用です」
前髪で隠れているが、キラキラした眼を俺に見せるネレイ。
風魔法で気流の流れを作り、そこに防御結界を飛行機の翼形状で展開すると飛べるらしい。
さらに防御結界をパラシュート状にして下から風魔法を浴びせる事でホバリングもできる。
欠点はスカートが捲れてパンツ丸出しになる事らしい。
「あとは常に魔法を展開しているので魔力が30分しか持たないですね」
「この理論を試したくて魔法省に行ったのか?」
頷くネレイ。
「この魔法…世界に広めて良いでしょうか?」
「俺は別に構わないが…世界が激変するぞ」
飛行機の登場で地球の歴史も激変した。
「私…歴史に名前を残したいんです」
おかしい…
目立つ事が嫌いなネレイが、こんな自己主張の強い事をしたいなんて…
「何があった?」
「センセは…寿命が7万年あるんですよね…?」
俺は頷く。
縮退炉エンジンが壊れない限り俺は死なない。
「私は…どんなに長生きしてもあと数十年しか生きられない…」
サイボーグ化したとはいえ、ネレイにも定命がある。
「歴史に名前が残れば…空飛ぶ魔法を見れば、何百年、何千年、何万年経ってもセンセイは私の事を思い出してくれるかも知れない…」
そんなに俺の事を…
定命を持つ者と持たざる者の宿命…死別と忘却。
歴史に名を残す事で、私を忘れないでと言うネレイなりの想いなのだろう。
「分かった…ネレイとの思い出は全て俺のメモリに永久保存する…決して忘れる事はない」
「あ!!」
突然、大声をあげるネレイ。
「そうでした!センセにはアカシックレコードがあったんですね!」
手を叩くネレイ。
「やっぱりフライト魔法は秘匿します」
さっきまでの思い詰めた表情は消えていた。
「こんな制空権を支配する魔法は秘匿して私たちだけの武器にした方が美味しいですもんね!」
「ソ、ソウダネー」
◇◇◇◇
象を引き渡しに行った姫を探しに騎士訓練に向かう。
「おおおお!!これはすごい!!!」
ギャロップする6頭の象。
エル子の背に乗ったアルフレア姫とそれに続くカイエン将軍と騎士達。
「お帰りなさい、アリスさま」
俺に気がついた姫達がこちらにやってくる。
「ボクのジークの方がもっと凄いもん!」
拗ねるドロシー。
「帝国の奴ら…一体いつの間にこんな生物兵器を用意していたのやら…」
実際に象に乗り、その破壊力と戦場の制圧能力の高さに危惧を抱くカイエン将軍。
「帝国をもっと詳しく調べる必要がありそうですね」
一応、鞍が付いてるとは言え横坐りで象の背に乗る姫
…怖くないのか?
しかし…帝国か…帝国兵が着ていた鎧はかなり高度な技術で作られていた。
しかもカッコいいデザインだった。
一般騎士でこれだけカッコいい鎧なら、
もっと位の高い近衛騎士は、さらにゴージャスでイケてる鎧を着ているかも!!
これは手に入れるしかあるまい…
「姫、ちょっと帝国に行ってくるぜ」
「な、殴り込みに行くおつもりですか!?」
物騒な事を言う姫。
「違うよ、ヨロ…偵察に行くだけさ」
まさか厨ニ病の男子中学生みたいに、鎧が欲しいから行くとは言えなかった。
「私も同行します!!」
象に降着ポーズを取らせ、その背から降りる姫。
鎧を手に入れるだけのつもりだっだが、本格的に偵察をしなければならなくなったようだ。
◇◇◇◇◇
帝国は車で片道3日程の距離にある。
早速、ラン○ルに荷物を積み込む。
とは言っても、殆どの物は俺のアイテム売買スキルで現地調達できる。
なお調達資金は姫(王国)持ちだ。
手荷物はせいぜい個人装備ぐらいだろう。
用意したのは姫とレイチェル用の市井の服だ。
「では、出発します」
ラン○ルのハンドルを握るのはレイチェルだ。
助手席には俺。レイチェルの運転のサポートをする。
中央席にネレイ、姫、ドロシーが座る。
「「「は〜い!」」」
もはやピクニック気分だ。
俺もスナック菓子を取り出して、みんなでワイワイ食べ始める。
レイチェルだけは運転教本通り、しっかり安全確認をしながら運転している。
信号のない交差点(信号などある訳ないが)では
ちゃんと一時停止をして左右確認している。
あ、ちなみにランバード王国は日本と同じように左側通行だ。
こうして帝国物見雄山が始まった。
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