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アリス復活

壊れた縮退炉エンジンを直す為、獅子王と戦う事になったアリス。

「さて、どう料理してやろうか…」

特別席から飛び降りてきたゲオパルド王と向き合う俺


[脅威レベル 無]

こいつも雑魚か…

瞬殺しても興醒めだし、少しは王に花を持たせてやるか…


クイクイッ

獅子王に向かって手招きする。


「ククッ!我を挑発するとは面白い…行くぞ!アリステル!!!」


「今度は俺がお前の強さを確かめてやるぜ!」


ハルバードを構え、真っ正面から向かってくる獅子王。


金棒を正眼に構え迎え撃つ。


「おおおりゃぁぁぁぁ!!」

上段から巨大なハルバードを振り落とししてくる王。


ガキィィンン!!

それを振り上げた金棒で弾き返す。


「むおっ!!」

渾身の一撃を弾かれ、半歩後ろにさがる王。


ザッ!

バランスを崩した王に足払いをかける。


「クッ!!」

ドサッ

倒れながら身体を丸め、地面を転がり俺から距離を取る王。



ワァァァァァ!!!!

一瞬の攻防に湧き上がる観衆たち!


金棒で自分の肩をポンポンと叩きながら、王が立ち上がるのを待つ。



◇◇◇◇◇

獅子王 ゲオパルド視点


信じられん…

この我の一撃を軽々と弾き返したアリステルに戦慄を覚える。


ハルバードを握る手がジンジンと痺れている。


見た目に騙された。あいつは幼児の姿をした大魔獣だ…


口角を吊り上げ、悪魔のような表情で我を見下すアリステル。


アリステルのその眼を見て悟る。

あれは誇り高き武人の眼ではない。ただの戦闘狂…

我と同じ!!!


悔しいが、力も技量も奴の方が上。

ならば搦め手で行く。


我は、アリステルの足元の石畳に向かってハルバードを叩きつける。

砕け舞い上がる石飛礫と粉塵!!


これでアリステルの視界を封じ、その隙にハルバードを囮にして奴の背後に回る。


獲った!!

アリステルの背後を取る!

そして間髪入れず、その無防備な後頭部に向かい、ありったけの力を込めた拳を叩き込む!!!


スカッ!

振り向く事なく、我の一撃を頭を傾けて避けたアリステル。


見切られていた……。


「まだ、カイエン将軍の方が強かったな…」

ぽつりと呟くアリステル。


アリステルはそのまま、こちらを見る事なく我の腕を掴み…


世界が反転する。

背負い投げか!?

地面に叩きつけられた激しい衝撃と痛みに、世界が暗転した。



◇◇◇◇

アリス視点


「ありゃ?やりすぎたか?」

加減して投げたつもりだが、獅子王は白目を剥いて完全に気絶していた。


「しょ、勝負あり!勝者アリステル!!」

宰相のシシドが俺の勝利を告げる。


おおおおおおおおおお!!

地響きをたて歓声に包まれるコロセウム。


「「「ア・リ・ス!!ア・リ・ス!!!」

一気に獣人達の心を鷲掴みにできたようだ。



◇◇◇◇◇

獅子王ゲオパルド視点


「まだだ!!我はまだ負けておらぬぞ!!」

我は跳ね起きる。


だが、対戦相手であるアリステルの姿が見えない。

それにここはどこだ?


「………ここは?」

我はコロセウムにいたはずだが…


「治療室です。我が王よ。」

シシドがいた。


「アリステルに投げ飛ばされ、気絶なされておりました」


「我は負けたのか…」

頷くシシド。


まるで勝負にならず、子供のようにあしらわれてしまった…


「アリステルは?」

「客間でお待ちです」

「そうか…約束の物を用意して会いに行こう」

「ハッ!」


シシドを連れ治療室を出る。

敗北を認めるのも王の務め…



◇◇◇◇

アリス視点


獅子王に勝利し、コロセウムの控え室を出ると獣人の男達がズラリと列をなしていた。


どいつもこいつも、何故か両手には大量の人参を持っている。

この国は、人参に何か特別な意味があるのか?


「アリステル様!私は◯◯の◯◯です!!どうかお付き合いお願いします!!!」


と貴族ぽい獣人達から人参の花束を渡され次々とプロポーズされる!!


ええい!邪魔すぎる!!人参臭くなる!!

「俺は弱い男には興味ねぇ!!」


ガーーン!と言う表現で固まる男達。

その隙にコロセウムを出る。


出ると今度は…

「きゃぁぁぁぁぁ!アリスサマァァァ!!」

バニーガールの娘達に取り囲まれる。

この歓迎は大歓迎だ!!


「私の人参食べてぇぇ!!」

レオタードの胸の谷間に挟まれた人参を突き出してくるバニーガールちゃん達。


「いただきます!!」

その胸の人参を取ろうとした瞬間!!


バンッ!バンッ!!バンッ!!

空に向かって発砲するアルフレア姫。

発砲音に驚き、まさに脱兎のごとく逃げ出すバニーガールちゃん達。


あぁぁ…みんな逃げちゃった。


「バニーガールの胸の人参は求婚を意味します」

「…センセ、やっぱりバニーガールみたいな女性がいいんですね?」

「バニーガールに手を出すと後が大変だよぉ。あいつら嫉妬深いし構ってちゃんだから」


それは面倒だな。エッは後腐れなく楽しむものだ。


「とりあえずカラバ城に帰りましょう」



◇◇◇◇

「邪魔するぞ」


カラバ城の客室に戻り、寛いでいると宰相と王がやってきた。


「アリステル…お前の強さに感服したぞ!」


「ふふ、当然だ!」

俺はない胸を突き出す。


「いったい、どう言う鍛錬をすれば…いや聞いても常人には無理なんだろうな」


かぶりを振る獅子王。


「これがお約束のオリハルコンです」

ゴトッと布袋をテーブルに置く宰相。


中身を確認する。

(アイ、使えそうか?)

[問題ありません]


「たしかに」

俺はオリハルコンを受け取りアイテムボックスにしまう。


「この後、お前の勝利を称えて祝勝会を開く。ぜひ参加してくれ」



◇◇◇◇◇

「ふぅ…食った食った…」

贅を尽くした晩餐だった。

気のせいか、やけに人参尽な料理だった。


獣人の貴族達から俺の強さを褒め称えられ、ぜひ家臣になってくれないかと誘われたが、今はアルフレアに従えていると断った。


ネレイは俺がバニーガールの貴族に誘惑されないように目を光らせている。


姫はゲオパルド王や王妃と談笑し交友を深めている。


ドロシーとレイチェルは食事に精を出していた。



◇◇◇◇

次の日


王城の広場にトレーラーハウスを召喚する。

そのトレーラーハウスの周りにドロシーの聖なる教会を発動させ、外部から完全隔離する。


この隔離された空間にいるのは俺とネレイだけだ。

今から天使に壊された俺の心臓。

縮退炉エンジンの修復を行う。



俺は縮退炉エンジンとナノマシンを駆使し、オリハルコンの原子結合と原子分離を行なっていた。


「完成…」

縮退炉エンジンを包むフレームが完成した。


あとはこれを体内に組み込むだけだ…


しかしこの作業は俺にはできない。

何故ならば、俺の心臓である縮退炉エンジンを止めてしまうからだ。


当然、俺は動かなくなる。

執刀医はネレイだ。


「ネレイ…覚悟はいいか?」

「はい、センセ!!」

今からネレイは人間ではなくなる。


俺はネレイの口内に舌を差し込む。

「ん…」

ネレイも舌を絡めてくる…


ちゅっちゅぱ…

この口づけは別にエッな事ではない。

パソコンとパソコンをUSB端子で接続させるように、

舌と舌をくっ付けて粘膜接触で俺とネレイのナノマシンを接続。


これでネレイの体内のナノマシンを操作する。


ネレイの体内には大量のナノマシンが蓄積されている

そのナノマシンの一部を電脳化させ、ネレイの脳と融合させる。


この瞬間!

ネレイは身体を機械で強化した人間…サイボーグとなった。


そのまま、ネレイの電脳に俺のサポートAIであるアイをコピーする。


次に電脳に縮退炉エンジンの設計図をインストールする。


「う、あ…あ…これが…ブラックホール…センセイの秘密…すごい…あぁ」


ゆっくり、ネレイの脳がオーバーフローしないように時間をかけてインストールする。


「はぁ…なんて美しいの…」

「理解したか?」


「はい!」

「アイがサポートしてくれるから問題ないはずだ…じゃ…あとは頼むぞ」


俺はアイテムボックスからメンテナンスキットを取り出す。


「は、初めまして…?」

今、ネレイの脳内でアイが挨拶したのだろう。


俺は全裸になりベットの上で横になる。

ナノマシンで構成された1万8千枚の胸部装甲が消え、縮退炉エンジンが剥き出しになる。


シュウウウウウウウ。

[縮退炉エンジン停止]



◇◇◇◇

ネレイ視点。


これが…センセの秘密。セクサロイドなんだ。


縮退炉エンジンの設計図が頭の中に入ってくる。

すごい…私の世界でもこのエンジンが作れないかな?


[初めまして、ネレイ]

頭の中で声がした。


もしかしてこれがアイさん?

「は、初めまして…?」


[アイとお呼びください。分からない事や知りたい事、又は恋の相談や雑談相手が欲しい時などございましたらお気軽に声をかけてください]


わわっ、これは頼もしい


「アイさん、今はセンセの修理を優先しましょう」

[了解]


アイさんの指示に従い、メンテナンスキットを取り出す。


センセの胸部装甲が消え、縮退炉を包むフレームが露出する。


その一部がごっそりえぐり取られている…

天使の剣で斬りつけられた部分だ。


アイさんのサポートを受け、壊れたフレームを外し

オリハルコン製のフレームに差し替える。


カチッ!

最後のフレームが収まる。


「ふぅぅぅ…」

事象の地平面ギリギリの作業。

コンマ数ミリでもズレれば、私はセンセの縮退炉に呑み込まれ原子分解されただろう。


最後にナノマシンが溶け込んだ液体をフレームにかけて作業は終了。


あとはセンセを目覚めさせれば…

センセの口内に私の舌を挿入する。


私の舌からセンセの舌に起動信号を流す…



◇◇◇◇◇

アリス視点


[起動信号受信。縮退炉エンジン始動。OSアリステル・レステル起動完了]


「ふぇんふぇ!!」

ネレイの顔がドッアップで見える。

[自己診断開始します…システム オール・グリーン]


どうやら手術は成功したようだ。

「ネレイ…ありがとう。完璧だ!!」

俺に抱きつくネレイ。


[緊急モード解除。通常モードに移行]


身長が戻る。

ブラックホールギリギリの作業が終わり、その緊張から解放されたネレイが俺の身体に胸を押し付けてくる


「センセ…お願いします。ご褒美…ください」

ベッドの下から荒縄を取り出すネレイ。


俺はネレイの身体を縛り上げ、優しく、そして激しく…




◇◇◇◇◇

2時間後、トレーラーハウスから出る。

「アリスさま!」

「ご主人さまぁ!!」


抱きついてくる姫とドロシー。

「良かった。姫様がかなり心配して…」

俺の無事な姿を見て安堵の溜息をつくレイチェル。


「バッチリ直ったぜ!!」

レイチェルに向かってサムズアップする!!!



久しぶりの出したトレーラーハウスでシャワー浴びる事にする。


俺はともかく、一週間近くお湯で身体を拭いていただけの姫達は少々…汗臭い。

獣人達に湯浴みの習慣がなかったからな。


「ア、アリスさま!臭い…嗅がないでくださいまし!」

と赤面する姫が可愛い。


心配かけたお詫びにみんなの身体を洗う。

特にお股の部分は指で丹念に洗った。


レイチェルだけは頑として洗わせてくれなかった。




「さて、用事も済んだし…王様に挨拶して帰ろうぜ」

スッキリした所で帰り支度を始める。


と…突然騒がしくなる城内。


「奴隷狩りが出たぞ!!!!」

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