トレーラーハウスでの一夜と射殺
手料理をご馳走しようとしたアリスに迫る試練!
「さて、晩飯は俺の手料理をご馳走してやるぜ!」
お風呂でさっぱりした後は、晩飯にちょうど良い時間になっていた。
「お手伝いします!」
ネレイと二人でトレーラーハウスのシステムキッチンの前に立つ。
考えてみると四歳児サイズの俺では、システムキッチンを使うには身長が足りなかった。
俺はタブレットを取り出し、クッ○パ○ドを開きみんなに見せる。
「な、なんて精巧な絵!」
タブレットに表示された料理の画像に驚くみんな。
「どれ食べたい?」
スワイプで画面を切り替えていく。
「おおお!」
「ス、スクロール(巻物)の魔法ですか?」
おっかなびっくりタブレットの画面をスワイプする姫。
「こ、これが美味しそう…」
トマトとソーセージのスープだ。
「オッケー」
ネレイにタブレットを渡しレシピを見せる。
タブレットを見ながら慎重に計量しながら調理を始めるネレイ。
その隣でネレイにシステムキッチンの使い方を説明する。
ついでに俺の好物のフライドポテトを作ろう。
踏み台を持ってきてジャガイモをオートパイロットでカットしていく。
「案山子セットしてきたよ〜」
周辺の警備を終えたドロシーとレイチェルが戻ってきた。
「良い匂いですね」
キッチンを覗き込むレイチェル。
「ふふ、もうすぐ出来る。テーブルで待っててくれ」
「どうですか?」
完成したトマトスープを小皿に取り、味見をする。
[若干、塩味が強めですが許容範囲です]
「合格だ」
「やった!!」
喜ぶネレイ。
「センセ!この板貸して頂けないでしょうか?」
キラキラした目で俺を見るネレイ。
「いいぜ」
タブレットの機能の一部にロックをかけネレイに預ける事にした。
このタブレットには百科事典やら色々な叡智が詰め込まれている。
ネレイなら有効活用するだろう。
「ご主人様ぁ〜ご飯まだぁ〜」
ドロシーめ、奴隷の分際で飯を催促するとはいい根性だ。
後でベッドの上でヒィヒィ鳴かしてやる。
トマトとソーセージのスープとフライドポテトとたっぷりバターを乗せたパンをみんなの前に並べる。
あとジュースを各種。俺はブラックコーヒーだ。
こっちの世界では、いただきますの代わりに、天使に献杯をしてから食べるのが作法らしい。
それぞれジュースを一口飲んでから食事が始まる。
(天使ルディアルさま。アイテム売買スキルを授けてくださりありがとうございます)
天使ルディアルとは殺し合いをした仲だが、今はもう感謝の気持ちしかない。
「美味しい…」
トマトスープを一口飲んだ姫は、小さな手を口元に当て味わっている。
「こんな美味しい料理を野外で食べられるなんて…」
貴族の令嬢でもある女騎士レイチェルも賞賛する。
「こんな柔らかくて白いパン始めてだよ〜!」
ドロシーも追加でバターを乗せてパンを食べている。
「お代わりまだまだありますからね」
褒められて頬が赤くなったネレイ。
「このジャガイモを細く切ったのもカリカリして手が止まりません」
楽しいひと時を過ごし、
ベッドルームに移動する。
シングルベッドが6つ並べてある。
カーテンで自由に仕切られるようになっている。
姫とレイチェルは個別にカーテンで仕切る。
俺とネレイ、ドロシーは同室になるようベッドをくっ付けて仕切る。
「ククク…ドロシー、俺に食事を作らせて尚且つ催促した罪でMの刑にする!!」
「わっ!今日は、ボ、ボク一人がM役なの!?」
驚きつつも、そそくさと服を脱ぐドロシー。
「はい、センセ」
と俺に縄を渡すボンテージ服に着替えたネレイ。
ドロシーのまだ成長途中の身体に亀甲縛りを施す。
「わっ!ちょ、ちょっと!!食い込む!!あそこに食い込んでるってば!!」
その後、三人でたっぷりプレイを楽しむ。
そして、こっそりそれを盗み聞きし、自家発電する姫とレイチェルがいた。
次の日
AM7:00
[おはようございます。アリス]
「あ〜良く寝た…寝ている間に何かあった?」
トレーラーハウスの6個あるベッドはシングルサイズとは言え、この世界のベッドとは比べ物にならないぐらい上質だ。
姫さまも自己発電で疲れたのかくぅーかーくぅーか寝息をたてて寝ている。
[狼の襲撃がありましたが、ドロシーさまの案山子により撃退されております]
レイチェルは俺より早く起きて、トレーラーハウスの外で剣の訓練をしていた。
キャビンに移動すると
「センセ、おはようございます」
エプロンを付けたネレイがキッチンに立っていた。
クッ○パ○ドを見ながら料理をするネレイ。
昨日のスープの残りとハムエッグと野菜サラダのヘルシーメニューだった。
朝食の後にみんなに電動歯ブラシ(歯科医師絶賛のやつ)をプレゼントする。
動物の毛で磨くよりも遥かに綺麗になりスッキリする。
「すごい…気持ちいい」
みんな大喜びだ。
トイレも済まし、獣人国カラバを目指して出発する。
道が良ければ、このままトレーラーハウスをラン○ルで牽引しても良いのだが、牽引するには道が悪すぎる。
トレーラーハウスをアイテムボックスに収納する。
ここから先は獣人国で、少し治安が悪くなるらしい
獣人同士の縄張り争いが激しくなるからだ。
ドロシーのジークを召喚して周りを威圧しても良かったが…それをやると周りの木々をなぎ倒してしまって環境破壊になる。
それに俺としては襲撃とかあった方が楽しい。
姫もワクワクしながらP9とPSG-1の点検をしている。
「正面1500メートル。野盗ぽいのが五人いる。まだこちらに気がついていない」
俺のウサ耳レーダーが人間を捕捉する。
サンルーフから身を乗り出し、PSG-1をセットする姫と双眼鏡でスポッターするレイチェル。
その二人に結界を張るネレイ。
「見えた!距離1000メートル。武装している。少なくても一般人じゃない」
双眼鏡で覗いたレイチェルが報告してくる。
「こっちも確認。狙撃できるけど?」
PSG-1を撃ちたくてしょうがない姫。
うーん。どうしよう?
「向こうもこっちに気がついたみたい。森の中に散開して隠れたわ」
ラン○ルにビビって隠れただけの冒険者なのか、それとも襲うつもりで隠れた盗賊か?
「身なりからすると盗賊ね」
PSG-1のスコープで確認する姫。
「よし、気がつかないふりで進もう。そしてもし襲ってきたら一旦、全力で離脱。冒険者だろうが盗賊だろうが姫の遠距離狙撃で撃ち殺そう」
頷く姫。
「ドロシー、聖なる教会だ」
「はーい!」
ドロシーを中心にラン○ルの周りに結界が張られる。
新車のラン○ルを傷つけられたくないからな。
[unknownまで15メートル]
5メートル。
飛び出してくるフード姿の男達。
「止まれ!!その馬車と金目の物置いていけ!!」
盗賊だ!!
喜ぶ俺と姫。
「走れ!!」
アクセル全開にするネレイ。
「ギャン!!」
ラン○ルの突進を避け損ねた盗賊の一人がタイヤの餌食になり頭部を踏み砕かれる。
そのまま100メートルほど走り距離を開ける。
その間、サンルーフからPSG-1を構え撃つ姫。
バシュ!
心臓を撃ち抜かれ、即死する盗賊。
「外れた!!」
頭を狙ったつもりが心臓に当たってしまったらしい。
走るラン○ルのルーフからバイポッドなしのスタンディングで100メートル先の人間に当てるだけでも凄いのにそれでも納得しない姫。
射撃のセンスに関しては、完全に俺の上を行く姫。
高速演算で処理される俺の弾道計算でも読みきれない不確定要素を、直感で補正する姫のシックスセンスには脱帽するしかない。
バシュバシュバシュ
続けざまに三人を射殺。
「一人残して!!!」
「はい」
不満そうに最後に残った逃走中の盗賊の足を撃ち抜く姫。
倒れた盗賊に寄せるラン○ル。
「おい、生きてるか?」
盗賊の銃創の跡を踏みにじる。
「ぐぁぁぁぁぁ!!」
生きているようだ。
フードを剥ぎ取ると狼タイプの獣人だった。
「仲間はいるのか?」
頷く盗賊。
「仲間の所に案内しな。そうすればお前だけは助けてやる」
「ほ、ほんとか…」
「ネレイ、治療してやれ」
ヒールをかけるネレイ。
ネレイのヒールは現代日本の医療知識をミックスした
粉砕骨折ですら数瞬で治すエクストラヒールだ。
獣人にも効くだろう。
「あ、ありがてぇ…」
動けるようになる獣人の盗賊。
俺たちは捕らえた獣人を先頭に森の茂みの中に入っていく。
「ここだ!ここに仲間がいる」
30分ほど歩いた所に洞窟があった。
「あと何人いる?」
「三人だよ!なぁ俺を解放してくれ。仲間に殺されちまう」
「安心しろ。お前は仲間に殺されない」
「そ、そうか!なら早く俺を逃して…
グチャ!!
「お前は俺に殺されるからな」
獣人の頭をアイテムボックスから取り出した金棒で叩き潰した。
俺はともかく姫さまの顔を見てしまったからな。
悪く思うな。
洞窟に入り二人の獣人を金棒で撲殺する。残った一人は生け捕りにし洞窟の外に連れ出す。
「た、助けてくれ!!俺は命令されて仕方なく盗みをしていただけなんだ!!」
命乞いする盗賊を木に縛り付け、姫のP9の試し撃ちの標的にする。
「や、やめてくれ!何でもする!!や、やめ
BANG!
近距離で獣人の胴体に1発撃ち込む姫。
「キャイ〜ン!!!」
絶叫がうるさいな。
俺は獣人の顎を殴って割る。
BANG!
「ガァァ!」
2発目、まだ生きてる。
BANG!
3発目で絶命する獣人。
「なるほど…殺傷力はPSG-1と比べて低めなんですね」
銃口から立ち昇る硝煙の匂いにうっとりする姫。
P9のストッピングパワーを確認できた姫であった。
その間、ネレイとドロシーはアジトを漁る。
50万ぐらいしか貯め込んでいなかった。
良いねブックマークありがとうございます^_^




