ギルド
「あぁ?ロイ…頭大丈夫かぁ?」
街に着いた俺たちは早速ギルドに向かった。
そこでロイの推薦もあり、ギルド長に会うことができたのだが…
うーん、本来ならここでガラの悪い冒険者達に
「お嬢ちゃん、俺たちが冒険者の心得を、おしえてやるぜぇひひひひ!」
絡まれる事を期待していたのだが、ストームブリンガー達がいたせいか誰も絡んでこなかった…
さて、俺を見下ろすギルド長は身長215センチ。
体重121キロ。体脂肪率7%のマッチョな大男だった。
「本当だって!なんならギルド長も腕相撲してみろよ」
「私も見てたけど、ロイの言ってる事は本当よ」
「神に誓って」
このマッチョは俺の強さを信じてくれない
「ギルド長…ロイさん達が嘘をつくとは思えません。」
マッチョの隣に立つ、できる秘書的な女性の発言。
「さすがサブマスターのフィーナさん!」
美人に肯定されて喜ぶロイ。
「ふむ…ならワシが自ら試してみよう」
俺たちはギルドの裏にある訓練所に移動する。
◇◇◇◇
「ワシはマッスルマックス。このギルドの長をしている」
なぜか訓練所に入るなり、上半身裸になるマッスル。
ついでにギルドにいた暇そうな冒険者達も訓練所について来た。
マッチョに襲われるあられもない幼女の姿を見たいのだろう。
「ギルド長…いくら試験と言えどもこんな幼い娘に抱きついたりしないでくださいね」
「…む、と、当然じゃ」
サブマスターのフィーナに釘を刺されるマッスル。
こいつ…こんなナリしてロリなのか?
「ご、ごほん!!ハンデとしてワシは素手で戦おう。嬢ちゃんは後ろにあるラックから好きな武器を選ぶと良い」
背後のラックを見る…
小剣、ロングソード、ファルシオン、長槍、短槍、弓、杖…色々あるが…
「これにする!」
ヒョイと片手で得物を取る。
「「「「うぇ!!!」」」」
俺の選んだ得物に驚くギルド長とストームブリンガー達。
どよめくギャラリー達。
それは…剣と言うには大きすぎた…で有名なドラゴン殺しと言われる大剣だ。
刃渡り200cm。重量35kg
それを片手で持ち、構える俺。
「おいおいおい!!!」
焦るギルド長。
軽く素振り。
ブンブンブン!!
小枝を振り回すようにいとも簡単に振り回せる。
ドラゴン殺しを振り回すたびに、その風圧がギルド長の顔を叩く。
[武器の重量配分。中心点。強度の測定完了。以後効果的にこの武器を使う事ができます]
うむ、身体に馴染んだようだ。
「じゃ、いくよ〜!」
ギルド長に向かって牙突の構えを取る
「合格!!」
即座に降参するギルド長。
唖然とするストームブリンガー(以後ストブリと略)
青ざめるギャラリー。
「お、お嬢ちゃん…本当に…人間かい?」
「あの武器って…王都のドワーフの職人さんがヤケクソで作った剣ですよ…ね?」
まっこれで俺も晴れて冒険者だ!
カウンターでサブマスターのフィーナに冒険者カードを作って貰う。
その背後でドラゴン殺しを片手で持ち上げようと、顔を真っ赤にしているギルド長。
フィーナが魔法で俺の顔をカードに転写する。
おー魔法すげぇ…あとで研究させて貰おう。
とりあえず俺はこうしてFランク冒険者になった。
読んでくださりありがとございます^_^