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処理水

ついに王子を追い詰めたアリス

「くくくっ、チェックメイトだな」

俺はドラゴン殺しをカイン王子に突きつける。


王子を守る6人の騎士達が剣を構え盾を俺に向けるが、その手は震えていた。


「に、2000人いたんだぞ…それをたった一人で…」

俺の背後には騎士の死体で道が築かれている。

比喩ではなく文字通り、死体で道ができている。


「ここで死ぬか、俺の駒になるかどちらかを選べ」


俺は勝ち誇った顔を王子に向ける。

実際、どちらを選んでも構わない。


「死ね!」

一人の勇敢な騎士が俺に斬りかかってきた。


ぶんっ!ブシャァッ!

俺は王子から目線を外す事なく、その騎士をハエ叩きで蝿を潰すようにドラゴン殺しの腹の部分で頭から叩き潰す。


騎士はプレス機で押し潰された空き缶のようなった。

綺麗に頭から足まで一直線に地面に向かって潰れている。



「ひ、ひぃぃ!!」

腰を抜かし、小便を漏らす王子。


「おっと…逃げるなよ」

逃げ出そうとする騎士を一喝する。


「さぁ、どうする?」

「な、なる…駒になる!いや、ならせて下さい!!」

自分の小便で作った水溜りの上で土下座する王子。


「お前らは?」

兜を脱ぎ、バッとひざまづいて剣を俺に差し出す5人の騎士。

騎士の忠誠を誓うポーズか。


では、こいつらにナノマシンを飲ませるとしようか…


とは言え、こいつらの臭い口に唾を垂らすのは気持ち悪い。


あ、そうだ!いい事思いついた!!

「お前ら、全員正座して口を開けろ!」


王子を含め全員、直立不動の姿勢で正座をし地面に並ぶ。

そして、大きく口を開け俺の次の言葉を待つ。


俺は王子達の前でパンツを脱ぐ。


そして王子達の前でスカートをめくり上げ…


「飲め!」

チョロロロ…


王子達の顔に向かって、ナノマシン入りの処理水を排出する。


「吐き出した奴は殺す」

むせ返りながら必死に吞み下す王子達。


タンクが空になるまで王子達6人の顔に処理水を浴びせまくる。



「あ、アリス…さま?」

背後で驚愕の表情で処理水を飲ませる俺を見るアルフレア王女。


ジークの背中からドロシーに抱っこで下ろして貰った王女が、俺の所業を見て口をパクパクさせて驚いている。


「おう、全て終わったぞ」

「おしっ…いえ…花摘みが終わったと言う事ですか?」


「いや、もう王子は俺の手駒になったと言う事」


処理水塗れになったカイン王子を汚物でも見るような目で見るアルフレアとレイチェル。


「「あ〜〜」」

その横で同じように正座をして口を開けるネレイとドロシー。



◇◇◇◇◇


これで下準備は整った。


まず、王子が俺を討伐したと王に報告する。

それを功績に王子は王位につく。

その後、元王であるランバード14世を暗殺。

王になったカイン王子はアルフレアを女王に指名。


そして王家の禁忌…魔力渦の発生原因の天使の骸を始末する。


うーん、色々破綻したところはあるが…

うん!上手くいかなかったら…腕力で解決しよう。



「ただ、王に討伐完了報告するには少なくてもアリス様の死体が必要になります」

王女がもっともな意見を述べる。


「うん、ボクもご主人様とお姫様の死体を持ち帰れって王様に言われたし。」

ドロシーが、手を上げて発言した。


「いくらお兄様の言葉でもでも、アリス様の死体なしでは王は信用しないと思います」


「それなら方法はある。一晩待ってくれ」



◇◇◇◇◇

街道から外れ一晩キャンプを張り過ごす。


「じゃじゃん!!」

スイカサイズの包み三つをテーブルに並べる俺。

3Dプリンタで昨晩作ったものだ。


「これは…」

興味津々で包みに近づく姫。


包みを解くと中から…


「ひっ!」

驚く姫。


なんと包みの中身は俺の生首だったのだw

額をカチ割られ舌をだらし無く垂らした俺の生首。


「な、なんと精密な作り…」

しげしげと生首を見る姫。


「こっちは姫様の」

包みを解く。


「うわっ!」

自分の生首にまたもや悲鳴をあげる姫さま


蒼ざめ唇から血を流した姫の生首。

静かに斬首されたイメージで作った。


「これはオマケ」

こちらは顎を砕かれ半壊したドロシーの生首だ。


「な、なんでボクまで!!」

絶叫するドロシー。


「ドロシー…お前、のこのこ王城に戻ったら天使の骸で口封じされるぞ」

「?」

「王の秘密を知る者は消される」

だからドロシーは俺と相討ちで死んだ事にする。



みんなは、三つの生首を興味深く、うわぁぁぁぁて感じ観察する


「よ、良く出来てますね…私の後ろってこうなってたんだ…」


自分の後頭部を観察する姫さま。

ネレイは俺の生首の舌を愛おしそうに手で弄んでいる。


ヤバイ!ネレイにネクロフィリア(死体愛好者)と言う新しい性癖を与えてしまったかも!?


まぁいい。


あとは俺とドロシーの傷だらけの胴体部分を出す。

「ひゃ!」

「これ…センセーの…身体?」

「ボクの…身体!?」


後で死体確認されたら困るからな。

ここで戦って俺とドロシーは死んだと偽装するため、騎士の死体の間に俺達の首無し死体を置く。

これで騎士の遺体回収に来た奴らを騙せるだろう。



あとは…

「こいつを王子に俺の首を持たせて王に献上すれば、流石に信じるだろう?」


「そ、そうですね…やってみる価値はありそうです」



だか…この作戦は上手くいかなかった。

何故ならば…王都が燃えていたからだ。



◇◇◇◇◇

ランバード14世視点


「伝令!!!王城直上に魔力渦発生ぃ!!!」

謁見の間に飛び込んでくる伝令兵。


「それは誠か!?」

ワシの隣にいた第二王子クロードが問い正す。


「ハッ、今まで見たことも無い規模のものです!!」


ワシとクロードはバルコニーに飛び出す。


「な!?」

言葉を失う…

直径100メートルはある。


「王よ!!また天使の力をお使いになられたのか!?」


バカな…天使の力でカイン達を外れの村に送っただけだぞ。雨を降らせたり、敵を壊滅させたり大きな力を使わせたつもりはない。


魔力渦の中から赤い腕が出でくる。

城下町では民達がパニックを起こしている。


「グオオオオオオオオオオ!!!!」

大咆哮と共に火竜が姿を現した。



◇◇◇◇◇

武器鍛治職人ギムリ視点


「ふふ、これで良いじゃろ」


[名刀ドラゴン殺し…その役目を果たしここに眠る]

そう刻まれたプレートを装飾されたガラスケースに貼る。


ガラスケースの中にはアリスから貰った折れた初代ドラゴン殺しが飾られている。


それを見つめ悦に入っていると…


「キャーーー!!」

「ドラゴンだーーー!!!」

「逃げろーーーー!!!!」


ワシは店の外に飛び出す。

空に50メートルはありそうな赤いドラゴンが飛んでいた…



◇◇◇◇

ストームブリガー視点


王子に捕らえられたアリスは磔にされ石打ちの刑にされていた。


助けに行こうとする俺を止めるエト。

「今、行くのは得策ではありません。機会を待ちましょう」


たしかに精鋭ぞろいの王国騎士団2000人を相手にしてどうにかなる訳がない。


俺たちはこれ以上、苦しむアリスを見る事に耐えられず村を後にする。


そしてチャンスを待ち、アリス達を連行する王子達を尾行するが…

こちらは徒歩で向こうは馬。


しかも2000人の騎士達に見つからないように街道を外れ森の中を歩いている。


当然、馬で行軍する王子達から引き離されてしまう。


それでも必死で追いかける俺たちが見たものは…

騎士達の死体でできた道だった。


「きっとアリスちゃんがやったのよ!」

途中で合流したソーサレスのサラが喜びの声をあげる


「すごい…」

言葉を失うラビィ。


無言で十字を切るエト。


騎士の死体は原型を留めてないのが多い。


その先にきっとアリスちゃんがいる。

その思いで、俺たちは死体の道を進む。


「わたし、斥候に出る」

「ラビィ、気をつけろよ」


風のような速さで突き進むラビィ。


5分後。地面にへたり込んだラビィを見つける。

「どうした!?」

ラビィの元に駆けつける。


「ア…リスちゃん…首…討ち取られちゃったんだ…」

ラビィの視線の先には…


「そ、そんな…そんな…」

「おぉ…神よ」


そこには、白いエプロンドレスに水色のスカートを着たボロボロになったアリスの首無し死体があった…

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