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アリス囚われる

◇◇◇◇

村娘リタ視点


「アリスちゃん!!」


巨大な剣を振り回し、巨大なライオンと戦うアリスちゃんの姿を私達は教会の中から見守っていた。


巨大な大木より太いライオンの脚に向かって剣を振り下ろすアリスちゃん


「あ、あぁ!」

大人たちから落胆の声が上がる。

さすがのアリスちゃんでも脚を断ち切る事は出来なかったようだ。



「む、無理か…」

「や、やっぱりダメだったか…」


ライオンの頭の上にいる少女に向かって、剣を投げ渡すアリスちゃんの姿が見えた。


「降伏…したの…か?」

剣を敵に渡す…それはどう見ても降参したようにしか見えなかった。


胸に手を当てアリスちゃんを見守る王女と、教会の中を侵入者が入ってこないか、せわしなく見張るネレイさん。


「あ!!」

ライオンの頭の少女がアリスちゃんの剣を受け取り損ねて地面に落ちた。


地面に落ちた少女はアリスちゃんの剣の下敷きになって身動きが取れなくなってる!!


「いまだ!」

「やれ!!!!」

「こ、これで俺たちは助かる!!」

湧き上がる大人たち。


しかし…何故か少女を助けてしまうアリスちゃん。

「な、何をしてるんだ!?あの子は!!」

「やっぱりあんなガキじゃ無理なんだよ!」


ライオンの頭の上に戻る少女。

そして…アリスちゃんは…


ズドーーン!!

教会を大きく揺らす地響き。

割れるガラス。


落ちてくる天井の梁。

動じる事なく、それを魔法で受け止めるネレイさん。


窓の外に目を向けるとアリスちゃんは…ライオンに潰されていた。


アリスちゃんが死んじゃった…

私を助けるって言ってくれたアリスちゃんが死んじゃった。


呆然とする私。


「大丈夫。センセーは舐めプが得意」

舐めプ?

落ち着いた様子でネレイさんが励ましてくれるけど…舐めプってなんだろう?


「おぉぉぉぉ!!!」

再び大人達の驚愕の悲鳴。


窓の外を見ると…巨大なライオンが宙を舞っていた。

そして…倒れたライオンが消え…ライオンを操っていた少女はアリスちゃんの前に膝をついた。


「か、勝ったのか?」

「俺たちは助かったのか?」


「皆さん、もう大丈夫です。私の騎士アリステル・レステルが魔を討ち取りました!」


「うおおおおお!!!アルフレア王女さま!!!アルフレア王女さま!!ありがとうございます!!!」


教会に上がる大歓声!!


お父さん達と一緒に教会の外に出る。

「アリスちゃん!アリスちゃん!!ありがとう!!!」


私はアリスちゃんの元に駆け寄る。

けど、お父さんや周りの男の人の手には鎌やフォークが握られていた。


「うおおおお!!娘の仇ぃ!!!」

「お前のせいで父がぁ!!」


ライオンやブリキの兵士、磔台のお化けに大切な人を殺された大人達がライオンの少女に向かって殺到する。


「おっと、コイツは俺の獲物だ!手を出したら殺すぞ」


ライオンの少女を庇い、私たちに巨大な大剣を向けるアリスちゃん。


え、なんで!?


◇◇◇◇

アリス視点


「おっと、コイツは俺の獲物だ!手を出したら殺すぞ」


せっかく手に入れた面白いモルモットを殺されてたまるか。


俺は無抵抗な相手にしか武器を向けられない根性無しどもに剣を向ける。


斬りかかってきたら村人でも容赦なくぶった斬る!!



[アリス、半径100メートルに無数のワープアウトを確認]

突然、アイが警告を発する。


ワープアウトだと!?

[魔力渦に似た力です]


俺の周りに次々と出現する騎士達。


「そこまでだ!!アルフレア王女とその一味のアリステル!!!」


そして白馬に乗った王子様が俺の目の前にワープアウトした。


「カインお兄様!なぜここへ!?」

2000の騎士を連れ、外れの村にワープアウトして来た王子に驚く王女。


コイツは…金髪イケメンだから第一王子か?


「我が妹アルフレアよ!貴様は国家反逆罪の容疑がかかっている!!」


馬上からアルフレアに剣を突きつけるカイン王子。


「何故です!?私はお父様の命で魔獣討伐を果たしただけです!!」


必死に反論する王女。

遠巻きに王子と王女のやり取りを見守る村人と冒険者達。


俺とネレイは王女の隣に立つ。


「嘘を付くな!!その魔獣使いと共にいるのが何よりも証拠!!」


「首謀者を吐かせるために捉えただけです!!」

さらりと嘘を付く王女。さすがだぜ。


「ならばその必要はない。その者の首を刎ねよ」

刎ねられるか?と俺を見る王女。


目で断る。


「お兄様。それは口封じのつもりですか?首謀者の名前を知られると何か不味いのですか?」


「う、うるさい!その者を殺さないならば、お前も仲間だとみなす!」


2000人の騎士が俺たちを包囲する。

(王女さま、あいつら皆殺しにしていい?)

王女の耳元で囁く。


(村人や冒険者達、目撃した者全員殺ってくれますか?)


なかなか過激なお姫様だぜ。

(村人たちの記憶を消す事はできる)


面倒だが村人や冒険者達全員に俺のナノマシン入りの唾を飲ませて記憶を改竄する事が出来る。

数時間分の記憶改竄ならそれほど脳にダメージを与えないだろう。


(なら…殺ってください。お兄様は戦死した事にします)


(おい、ドロシー!初仕事だ。俺が飛び出したら、聖なる教会で姫とネレイを守れ)

(は、はい!)


ストーンバレットで一瞬でコイツらを消し去っても良いが、周りにいる村人や冒険者も巻き込んでしまう。


面倒でもドラゴン殺しで地道に皆殺しにするとしようか。


「おっと変な事を考えるなよ」

王子は背後にいる騎士に合図を出す。


「レイチェル!!」

悲鳴をあげる王女。


上半身裸で鎖で縛られ猿轡を噛まされたアルフレア付きの女騎士レイチェルが無数の槍に押され連行されて来た。


大勢に殴られたのだろう。

全身に青痣がある。


「お前の騎士団は既に処刑済みだ」

「な!!」

「お前と共謀して国家に反逆したのだから仕方がない」


ニヤリと笑う王子。

「この女まで殺されたくないだろう?ほらお前の騎士様に武器を捨てて投降するように命令を出せ」


[抵抗した場合の人質の生存確率は0.5%]


レイチェルは首にナイフを押し当てられ、複数の騎士から槍を裸の上半身に押し当てられている。


(レイチェルを助けられそうですか?)

(無理)


覚悟を決める王女。

「投降します…アリスさまも武器を捨ててください」


「ちっ!」

俺は背負いベルトからドラゴン殺しを外し、地面に置く…と同時にドロシーのライオンのヌイグルミとネレイの杖をこっそりアイテムボックスに入れる。


ドロシーが命より大事にしていたヌイグルミだ。あいつらにめちゃくちゃにさせる訳にはいかない。


ドロシーにヌイグルミは大丈夫だと目で伝える。


「おら!立て!!」

荒縄で後ろ手に縛り上げられる王女とネレイ。

二人は首枷を付けられ、王子の天幕に連れて行かれる。


「お前らはココに寝ろ!」

そこには騎士達が用意した磔台があった。


俺とドロシーは磔台の上に寝かされる。

両手両足を広げた状態、大の字で 縛り付けられた。


ここで反重力装置を切って抵抗しても仕方がない。


俺達は複数の騎士に磔台ごと担がれ広場に持って行かれる。



◇◇◇◇◇◇


「聴け!!村の者!!!」

村の広場。縛り上げられた俺たちを見下ろせる位置に豪華な椅子を設置し、勝ち誇った顔で俺たちを見下す王子。


俺達の横でありもしない罪状を声高々に告げる騎士


「王女アルフレアはこの女ドロシーと共謀し、自作自演で村を襲い、そして救いお前たちの感謝を得ようとした!これは国王を騙して行われた!卑劣な行為である!!」


騒めく村人と冒険者達。


「大切な家族や友人、恋人を殺された者は多いだろう!」


頷く村人達。


「少しでもその胸の痛みを和らげるために、この者達に石を投げつけるのだ!!」


村人達の前に用意される無数の石。


おいおい、石打ちの刑かよ。

原始的だねぇ。


王子が椅子から降り俺の元に立つ。


「お前の怪力は知っている。もしそこから逃げ出したらお前の弟子は殺す!」


「あ、そう。サッサッとやってくれ」

余裕を見せる俺にイラつく王子。


「おい!そこの娘!!まずはお前が投げろ!」

偶然か、それとも知っていたのかリタが一番手に選ばれる。


「ア、アリスちゃんは…と、友達で…」

震えるリタ。


「まさか…できないとは言うまい?それともお前もコイツらの仲間なのか?」

王子がリタに詰め寄る。


「リタ、大丈夫。早く投げろ」

俺はリタに微笑みかける。


「黙れ!」

バシッ!!

足元に控えていた騎士に鞭でおっぱいを叩かれた。


「早くやらないと、お前も、お前の家族もあのような目に遭うぞ」

優しく諭す王子。


「ご、ごめんなさい!!」

ポコっ

ヘロヘロ玉が当たる。


バシッ!!

「きゃ!!」

リタを鞭打つ騎士。


「もっと力を入れろ!」

「ひいっ!!」

背中を鞭で打たれ悲鳴をあげるリタ。


「リタ、全力で投げろ!!俺の強さは知っているだ

ろ!」

バシッ!


「黙れと言ったろう!!」

足元の騎士に今度は股間を打たれた。

(アイ、コイツの声覚えておけ。後でキ◯タ◯潰す)

[声紋パターン記憶しました。ロックオンします]


「うわぁぁぁぁん、ごめんなさいごめんなさい!!」力いっぱい石を投げるリタ


「ふぁぁぁ…」

リタを安心させるため欠伸をして余裕をアピール。


「もっとだ!全然効いてないぞ!」

さらに鞭打たれるリタ。


くそ、痛がってるフリするか


「あ、あぁ!あ!」

こ、こんな感じか?

鞭で打たれたネレイの声を真似て喘いでみる。


何人かの騎士と村の男達が前屈みになった。

うん、こんな感じで良いだろう。


「良し、残りは一斉に投げつけろ!手を抜いた奴は同罪とみなす!!」


動けない俺たちの体に降り注ぐ石。

つか、気のせいかも知れんが…お前ら変な所、狙ってないか!?


この体は戦闘用とは言えセクサロイドだ。

変な所には敏感なパーツが集中している。


そこに直撃すると、さすがに身体がビクビクしてしまう!!


感度オフにしたいが、タブレットはアイテムボックスの中だ。


や、ヤバイ!!このままだと新しい扉を開いてしまう!!


隣でドロシーも甘い吐息を漏らし始めてる。


あ〜〜〜ちきしょう!!あの糞王子!!絶対楽には死なせない!!

良いねブックマークありがとうございます^_^

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