王の企み
「さてと…黒幕は王様だと判明した訳だが…」
俺とアルフレア王女を襲撃を企てたのは王女の実父ランバード14世だった。
「そうですね…兄様達が犯人なら事は簡単だったのですけど…父となると暗殺するにしても面倒な事になってしまいます」
おー怖っw
こんな妹居なくて良かったぜ。
「でも何で王は王女様を殺そうとしたんだ?王女様が王になるとマズイなら、兄貴達をさっさと王に任命すれば良いだけじゃないか?」
最初はてっきり王位継承が上の兄貴達を殺して王に任命されるつもりか、それとも兄貴達もろとも王も殺害して、空いた王座に就くつもりだと思っていた。
「この国の王は王族の中から民達によって選ばれます」
なんと!?王政なのに日本みたいに選挙で選ぶのか?
「これは賢王ランバード三世によって成立した法
[天使法]と言われる制度の一つです」
「じや、王女様達は馬車に乗って国民達に清き一票をお願いします!って言いながら街宣する訳かい!?」
王女様は一瞬キョトンとして…
「あはははは!!何ですか?それ!!そんなおバカな方法で選ぶ国があるんですか!?」
はい、あります。俺の生まれ故郷のJ◯P◯Nですw
「私達は過去に何をしてきたかを見て国民達に選ばれます」
なかなか素晴らしい政治制度だ。
「つまり、どれだけ偽善行為をしたかを競う訳です」
…まぁやらない正義よりやる偽善の方がマシだな。
「その点、私は国民からの支持が多いです」
「このまま順当に行けば女王になれるって事かい」
アルフレアは満面な笑みで答える
「はい、生きていればなれます…だからお願いします…私を守って」
王女は俺に土下座する。
「俺が求める報酬は一つ…最強の敵だ!」
「女王になった暁には、アリステル様に城の地下深くに安置された最強最悪の天使[器械天使ルディアル]を捧げる事を誓います」
◇◇◇◇
「貴殿を呼んだのは他でもない…我が娘とその食客であるアリステル・レステルの謀殺を頼みたい」
王の間の背後にある秘密の小部屋で密談をするランバード王。
王の前にひざまづくのは若い女性、十六からハタチぐらいだろうか?
「して…どのように処せば宜しいでしょうか?」
「ふむ…そうだな。貴殿の持つ最強のゴーレムで外れの村を襲って貰おうか。そこに娘とアリステルを討伐に向かわせるとしようか」
「ハハッ!必ずや王女とアリステルの首を持ち帰る事を約束します」
茶髪のセミロングの美少女が王に誓う。
「行け!…人形の魔女ドロシーよ!!」
◇◇◇◇◇
数日後…外れの村。
「リタ〜、そろそろご飯にしましょう」
「うん、分かったぁ〜」
川で洗濯をしていたリタと呼ばれた少女。
「アリスちゃん…今頃、冒険者になって活躍しているかな〜」
盗賊を瞬殺して私を助けてくれた不思議な少女。
「ご飯冷めちゃうわよー」
「今行く〜」
そんな幸せな時を過ごす村人達を遠くから見つめるドロシー。
そんな幸せをこれから踏み躙る喜びに顔を歪ませていた。
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