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0番

◇◇◇◇◇

0番視点


「ぐぉぉぉ!すぅぅぅ…ぐぅぅぅ!」


俺は誰に発見される事もなく衛兵どもをやり過ごし、王城の最奥にある王女アルフレアの寝室に到達する。


中に入ると…

広い寝室の中央、キングサイズのベッドの上でターゲットである王女がだらし無く大の字で寝ていた。


愚かな…いくら王城の最奥の自室とは言え、護衛も置かず無防備に寝ているとは…


罠か?


俺はベッドに近づく。

大の字で寝ているのは、まごう方なき王女アルフレアである。


俺は細心の注意は払い…そして、王女のその小さな薄い胸に刺突ナイフを突き刺す。


肋骨の隙間から深々と刺ったナイフは王女の心臓の鼓動を止める。


王女は一瞬、ビクッと痙攣するとそのまま物音一つ立てない死体に変わった。


王女アルフレアの 魂の救済(暗殺) に成功した。


そのままテラスに続く大窓を開け、主人であるコーシギンに報告する為、王都の闇夜に飛び出した。



◇◇◇◇◇

コーシギン視点


「任務完了しました」

0番からの報告をまだ日の光も差さない早朝に執務室で受けとる。


「…そうか」

その報告に胸が苦しくなる。


アルフレア…我が姪は天使の元に旅たった…か

…ツゥ…と目尻から涙が溢れた。


「ご苦労…里に戻り次に備えよ」

「主人よ。一つお願いがあります」


珍しい。ゾルダーの口から願いとは。

「申せ」

「アリステルに挑む事。許可願いたい」

「ならん!」

コイツらの育成には多額の費用がかかっている。

これ以上、減らす訳には行かない。



「そんなつれない事、言わないでくれよ」

二人しか居ないはずの執務室に突然女の声がした!


「な!?」

目の前に我が姪…胸に大きな血のシミを付けた寝巻き姿の王女アルフレアが立っていた。


「…たしかに胸を一突きにしたはず。」

アルフレアの姿にわずかに眉をしかめる0番。


「しかもご丁寧に即効性の毒まで塗ってあったな」

と、口元を歪ませ下卑た笑いを浮かべるアルフレア。


我が姪はこんな笑い方をするのか!?

これではまるでチンピラではないか!


「で、叔父様。何故私を殺したのですか?」

驚く私達を無視し、ソファーに座りテーブルの上に足を投げ出し、くつろぎ始めるアルフレア。


「それが気になって気になって…成仏できず、こんな幽霊になってしまいましたわ」

大袈裟に芝居かかった口調で天を仰ぐアルフレア


「お前はアルフレアではないな!…アリステルか!?」


「くくっ当たりぃ!」

魔法のように一瞬でアルフレアの姿がアリステル に変わる。

服装まで変わっている!


「殺せ!」

黒い疾風となり斬りかかる0番。


パシッ!

0番の瞬足のナイフの一撃をその細い小さな指で摘んで受け止めるアリステル。


「!」

小さな指で挟まれたナイフはビクともしない。


「こんなスピードじゃハエが止まるぞ」


ナイフを捨て後ろに飛び下がる0番。


アリステルの手には、いつのまにか巨大なドラゴン殺しが握られていた。


「俺と殺りたかったんだろ?」

0番にナイフを投げ渡すアリステル。


投げ渡されたナイフを受け取り再び斬りかかる0番,

「シッ!!」

目にも止まらないスピードでナイフを繰り出す0番。



そのナイフの一撃を巨大なドラゴン殺しで受け止めるアリステル


パキッ

折れるナイフ。


素早く背中のカットラスを抜く0番。

そのままアリステルの首目掛けて振り抜く。


パキッ

再びドラゴン殺しによって折られるカットラス。


「終わりか?」

ブンッ!


黒い巨大な旋風が巻き起こったと思ったら…

0番の身体が吹き飛ばされ、そのまま壁に激突し動かなくなった。


ワルダーが失敗した理由が分かった…

こんな化け物に勝てる訳がない。


「さて、コーシギン侯爵様。王女の離宮に案内するぜ」


ソファーから立ち上がり、私に近づくアリステル

そして…頭に強い衝撃を受け、私は気を失った…


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