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アリス、王国騎士と敵対する

ミノタウルス討伐を果たしたアリスはギルドでスカウトされまくる。

「ねぇ、アリスちゃーん。俺たちのパーティに入ってくれよぉ」

「アリスちゃん!私たちと冒険しましょ!」


ミノタウロスの一件以来、チーム勧誘が後を引かない。


「いいぜ!俺に腕相撲で勝てたらな!」

と言えば大体が諦めるが…稀に挑んでくるバカがいる。


「レディ…ゴーー!」

「ウギギィ!!」

額に血管を浮き立たせるスキンヘッドの戦士。

ピクリともしない俺の腕。


「ふぁぁ…両手使っていいよ」

「クソが!」

両手を使い出すハゲ。


「…相手にならねぇ。全員でかかってこい!」

ハゲの後ろにいたチームメンバー5人がうなずき合い参加する。全員スキンヘッドだ!


6人のハゲ頭が同時にキラリと光る。

「ぶほっ!!」

その光景に吹き出してしまう俺。

一瞬だけ力が緩む。


「おおお!!」

ギルド内が湧く!

「いいぞ!!お前らもっと押せ!!!」

今のはお前らのハゲが面白くて力が抜けただけだ!


俺は毎秒1センチのスピードでハゲ達の手を押し返し、テーブルに押し付けた。


「クソォォォ!!」

挑戦料の一万ゴールドをハゲから受け取るネレイ。

「毎度ありぃ」


「アリス…お前に王城から召集命令が来た」

ネレイに科学について教えているとギルマスと城からの使い人が令状を持ってきた。


またもやざわつくギルド内。

「拒否」

「な!?それはマズイぞ!」

焦るギルマス。


「用があるならそっちがこい!と伝えて」

俺は城の使いの人にそう伝える。

「かしこまりました」


頭を下げ、去っていく使いの人。

「…ア、アリス!おま、お前!騎士団がくるぞ!!」

「ん?その時は全員ブチのめすだけだ」


「お、王国を敵に回すのか…」

その時、ふと閃く!!!


「そうか!俺が王国を乗っ取れば良いのか!!そして魔王として君臨すれば、向こうから強い奴がやって来る!!」


「先生!!私はどこまでついて行きます!!」

俺の手を握るネレイ。

「おう!ネレイは技術顧問にしてやるぜ」

「はい!」


このやり取りを蒼ざめ傍観するモブ冒険者たち。



◇◇◇◇◇

…3日後。


「貴殿がアリステル・レステルか?」

ギルド併設の酒場で昼飯を食べていると、

フルプレートアーマーに身を包んだ令嬢が俺を訪ねて来た。


「先生、王家直属の近衛騎士団です」

ネレイが説明してくれる。


「ヤベェぞ!アリスが暴れる!!」

「ひ、避難するぞ!!」

ギルドから逃げ出す職員、冒険者達。


くくく…この澄ました女騎士をどうやって泣かせるか考えるだけで笑いが浮かぶ。


「貴様に逃げ道はないぞ」

ギルドの周りを30人の騎士が取り囲んでいる。


「逃げる?逃げ惑うのはお前らだぞ?」

女騎士に笑みを向ける。


スチャ!

腰のロングソードを抜く女騎士。


「た、頼む!アリス!!!外でやってくれ!!」

カウンターの影に隠れながら声を出すギルマス。



「外に出ろ!王家に対する不敬罪で連行する!!」

俺は外に向かって歩く。

もちろん連行される為ではない。


ギルドの外に出る。

30人のフルプレートアーマーを着た騎士達が抜刀する。


その内の2人が縄を持って俺とネレイに近づく。


「それ!」

その二人の騎士の腕を掴み、ギルドの屋根の上に投げ飛ばす!!


「「うわぁ!!!」」

屋根の上に落ち悲鳴をあげる騎士達。


「貴様!!!」

斬りかかってくる女騎士。


「ネレイ、伏せてろ」

「はい」


ヒョイ!

女騎士の剣を受け流し、合気道の技で地面に叩きつける。


「ぐはっ!」

俺は、そのまま倒れた女騎士の鎧の隙間に手を入れ…

バキバキバキバキ!!!


鋼鉄の鎧を引き裂く。

女騎士の豊満な胸の形が鎧下のチェーンメイル越しに見える


「な!!!」

驚愕する騎士達。


「バ、バケモノ!!!」

「ヒィィ!!」

逃げ出すギャラリー達。


「た、隊長をお救いしろ!!!」

俺を取り囲む騎士団。


「先に剣を抜いたのは貴様らだからな」

俺はドラゴン殺しを構える。


胸を隠し後ずさりする女騎士隊長。


「殺れ!!」

命令を出す女騎士隊長。


良し!決めた!!この国は滅ぼす!!!

「ネレイ、ギルドの中に避難して」

「は、はい!」


ネレイが避難した事を確認し、俺は機体のリミッターを解除する。


フル稼働する縮退炉エンジン。

わずかに重力磁場が発生し、俺の身体から光の粒子が溢れ出す。


「ひっ!!」

磁場の影響を受け、火花を散らす女騎士の鎧。


王国滅亡まで3秒。

その時!!


「待ちなさい!!」

奥にあった豪華な馬車から白いドレスを纏った少女がメイドを伴い降りて来た。


重力磁場の影響でふらつく体で俺に近づく少女とメイド。


「わ、私はこのランバード王国第三王女のアルフレア・ランバードと言います。」

12、3才ぐらいだろうか?金髪が美しい少女だ。


「まず、事情も話さず貴女を連れ出そうとした部下達の非礼を詫びます…」

汗を流し、磁場の影響でフラフラする体で前に進む王女。


「ひ、姫!?」

そして…スカートを摘み王女は深々と頭を下げる。


「わ、私の首でそのお怒りが収まるなら…さ、差し上げますので…どうか…この国の民の命を、み、見逃してください!」


頭を下げる姫を見て、騎士達も地面に膝をつき、こうべを垂れる。


ふぅ…仕方がねぇ。俺はドラゴン殺しを背負う。


縮退炉エンジンも最小モードに切り替える。


ギルドの窓から外の様子を見ていたネレイは、

剣を納めた俺を見てギルドから出てくる。


「要件はなんだ?」

四つん這いになったネレイの背中に座る。


「ここではお話できません。出来れば王城でお話したいのですが…」


「構わないが…俺は偉そうな奴が大嫌いでね…」

「はい…レステル様には天使様に尽くすように応対するよう国王共々、全員に言い聞かせます」


神ではなく、その下の天使扱いされるのは少々気になるが、まぁ良いだろう。


俺とネレイは姫の馬車に乗り込んだ。

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