アリステル異世界に立つ
幼女型セクサロイドが異世界で最強を目指します。
「くくっ、出来た…出来たぞ!理論上、これで完璧なハズだ!!」
俺は自他共に認めるマッドサイエンティスト。
ロボット工学の第一人者にして世界最高峰の科学者だ!
その証拠に俺の頭脳に目をつけたC国諜報機関に誘拐されたぐらいだからな。
C国のお墨付きと言って良いだろう。
それに誘拐されたとは言え、俺への待遇はすごぶる良かった。
何より湯水のように資金を使えたのが大きい。
だが、それに比べ日本の研究機関はケチだった。
やれ実績を出せ!実例がない!と資金はケチるくせに
人の仕事にはケチをつける!
しかし!!
その点、C国は良い。
「金はいくらでも出す。必要な物は全て用意しよう。人体実験でも特許侵害でもなんでもやれ。そのかわり…世界最強の戦闘アンドロイドを作れ」
と言われた。
俺は歓喜した!
そしてC国のお墨付きを貰った俺は思う存分、死刑囚達を使い生体実験を繰り返した。
これによりAI電脳研究は先進国の500年分は進んだ。
またある時はあらゆる技術、情報をハッキングし世界中からかき集めた。
そして実験の結果…多くの研究施設を壊滅させたが、
そのお陰でアンドロイドの性能の決め手になるエンジン…
縮退炉エンジンが完成した。
これで電脳とエンジンは完成。
そしてそれらを包むボディはナノマシンで構成された幼女ボディだ!
これはAIイラストレーターに
[金髪ロリ貧乳の不思議の国のアリスちゃんぽい感じで幼女らしい愛くるしさと悪女ぽい色気もある8歳から10歳ぐらいの少女]
と言うお題で何万枚も描かせ吟味して決めた。
これは決して俺の趣味でない。
世界最強のアンドロイドを目指すためには相手を油断させる容姿も必要なハズだからだ。
T-◯のようなゴッツイ男は歩くだけで通報されるだろうし、2◯のようなエロい尻したゴスロリ女型では、男達の注目を浴びて活動に支障をきたすだろう。
よって幼女最強。
さらに!より人間らしく行動できるように夜の機能もつけた。
こうして戦闘アンドロイドから戦闘セクサロイドに進化した。
そしていよいよ完成直前!
ボディに擬似人格OS[アリステル・レステル]をインストールすれば俺の理想のロリセクサロイドが起動する!!
俺はパソコンのエンターキーを押す。
「インストロール完了。プログラム[アリステル・レステル]起動します」
擬似人格OS[アリステル・レステル]が起動する。
そして次の瞬間!
スドォォォォン!!!!
爆音と共に俺の研究所が吹き飛んだ!!!
◇◇◇◇◇
「いでぇぇぇぇぇ」
爆発の衝撃を頭に受けのたうつ俺。
この人類至高の宝である俺の脳に何かあったらどうする!!
頭を振り、四つん這いで地面に這いつくばる俺。
目を開けると大地と、白く細い両腕が見えた。
「だ、誰の手だ?それにいつのまに外に?」
あたりを見回す…一体どこの田舎だ?
と思うほどに土が剥き出しのあぜ道と緑豊かな自然に囲まれていた。
それに…
この体を包む白いエプロンドレスに水色のスカート…
見覚えがある…
近くを流れる小川を覗き込む。
魚が数匹泳いでいた…
いやそれより、水面に映った幼女は…俺なのか?
俺の理想の女性を具現化した姿が水面に映っていた。
それはまさしく俺が作ったセクサロイド、アリステルの姿だった…
アリステルに俺の人格、もしくは魂が移植されたのか?
そうとしか思えない…もしくは夢か?
「それに…ここはどこだ?」
緑豊かな高原といった感じだ。
森あり小川ありの良いところだ…
[星座を観測します…地球の星座と一致しません]
「おわ!」
突然、頭の中に聞こえる電子ボイス!
[現在時刻不明。現在位置不明。衛星からのGPS信号途絶]
「え!?え!お、お前は誰だ!?」
[私はアリステル・レステルをサポートする人工知能です]
そんな機能付けたっけ?
まぁいいや。
とりあえず起動実験成功か?
自分の幼女のような細く小さな手を握りったり開いたりする。
しかしここは地球じゃないのか?
もしかして爆発と縮退炉エンジンのエネルギーで空間湾曲して並行世界にきたか…いや、風景からして異世界転移か?
まだ判断材料が少なすぎる。
とりあえず、アリステルのパワーチェックをする。
俺は手頃な石を掴み…
「ふん!」
握力5トン。
一瞬で石は砂になる
「おお…自分で言うのもなんだが…素晴らしい力だ」
ついでに自己診断機能を発動する
機体名 アリステル・レステル
全高 1250mm (頭頂部のうさ耳型レーダーを除く)
重量 825kg(反重力装置未起動時)
動力 縮退炉エンジン (連続稼働可能時間 約7万年)
特殊装備 下腹部にナノマシンによる3Dプリンタ機能
最高速度 145km/h
まさにどこの厨二病だよ!的なスペックを持つセクサロイドだ。
「ま、起動は成功した。俺がアリステルになってしまうとは想定外だったが…実機データがダイレクトに分かるから良しとしよう」
[東北東320メートルに生命体を複数発見。体温37度。体積170センチ。ヒューマンの可能性80%]
うさ耳を模したカチューシャ型レーダーが早速役に立った。
「行ってみるかっうあーーーー!!!」
走り出した瞬間!
2秒で時速145キロに達する!
一瞬で300メートルを走りきる。
そこには地面に押し倒された一人の少女とそれを取り囲む5人の武装した男達の姿が見えた。
「うわっ!うわぅ!うわあああ!!!」
頭脳派な俺は運動などしない。
駆け足など以ての外だ!
その俺が時速145キロで走る!
当然、バランスなど取れず武装した男達三人に衝突し、跳ね飛ばしてしまう!
「ご、ごめんなさい!!」
跳ね飛ばされ地面でノびてる男達の顔を見る…
漫画ならこの顔つきは盗賊だろう。
小悪党顔だ。
「あ?」
「お?」
突然現れた俺にキョトンする男達。
「お嬢ちゃん、どこからきた?」
いきなり現れた8歳ぐらいの幼女の俺に戸惑う盗賊達。
「まぁいい、なかなかの容姿だ。高く売れるぞ」
盗賊の親分らしき男が俺を品定めする。
「おじさん達は、盗賊さん?」
俺は可愛らしく首を傾げながら尋ねる。
擬似人格アリステル・レステルの幼女擬装プログラムが動き出したせいか年齢相応の言葉遣いと可愛らしい動きになってしまう。
もし鏡でこの自分の動きを見たら悶絶しだろう。
いや、見た目に似合うからイケるか!?
「そうだよ、悪い盗賊さんだぁ。だから大人しく捕まりな」
俺をロープで縛り上げる手下達。
おいおい、こんな幼女に胸縄とかかけるなよ!
つか股縄まで!?
こ、こいつらSMマニアのロリコンか!?
ピンチになったヒロインを見るのは好きだが、自分のヒロピンシーンは興味ない。
盗賊達が15分以上かけて、縄目が美しくなるように苦労して縛った縄を…
ブチッ!
一瞬で引き千切る。
「な!!」
「うお!!!」
驚く盗賊達。
15分かけて縛った緊縛美を一瞬で無駄にしてやったw
「盗賊おじさん、戦闘データの習得に協力してね」
ウィンク!
ぐえっ!
自分に精神ダメージが入る。
とりあえず近くにいる手下に軽くデコピン。
5メートルぶっ飛んで失神する。
弱い弱すぎる!
戦闘データにならねぇ。
「キャハハ!おじさん達よっわぁい!!」
分からせたくなるようなメスガキ嘲笑する俺。
8歳の幼女にバカにされ憤る親分。
「このメスガキが!!」
子供相手に剣を抜くのはプライドが許さないのか素手で飛びかかってくる。
高速演算で視覚情報を処理している俺には1秒が体感時間30秒になる。
こんな単調な攻撃では止まって見える。
ヒョイ、ヒョイ、ヒョイ。
「ほらほら、おじさん、こっちこっち」
あっかんべーしたりして挑発する。
「舐めやがって!!」
やっと剣を抜いてくれた。
ヒョイ、ヒョイ、ヒョイ。
遅い!遅すぎる!
盗賊の剣を紙一重でかわす。あまりにも剣のスピードが遅いので、サビの数まで数えられる。
「飽きちゃた!」
バギッ!
親分の顎に1発入れる。
ガクッ
声もなく糸の切れた人形のように崩れ落ちる親分。
「あ…あ…ありがとうございます!!」
捕まっていた少女の縄を解く。
15、6歳ぐらいだろう…ソバカスが可愛い娘だった。
「ふふ、どういたしまして」
幼女らしく答えると
「まだこんなに小さいのに…凄くお強いのですね」
俺のあまりの強さに敬語になってしまう少女だった。
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