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捕虜、ときどき聖女  作者: きなこもち
第1章
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プロローグ

消しちゃったので投稿し直しです!!


「おい!フィリナ!早く回復魔法をかけろ!!」

前方から王太子の声が聞こえてくる。無駄にでかいその声に寝不足の頭はズキズキと痛む。


眠いひたすらに。

一昨日から不眠不休で働かされてるのだ。私だけ。冷静にこの国にあった労働法はどうなったんだ。燃えたのか?


王太子の様子を見に行くために足を前へと進める。ふらついて足取りがおぼつかないが何とか王太子の元へたどり着いた。王太子の周りにはパーティーのメンバー全員が集まってきている。一応戦っている最中だぞ。


呆れながら怪我の様子を確認する。なんと擦りむいただけだった。

これくらい我慢しろよ。


「なんだと!?貴様それが殿下に対する口の利き方か!!」


やっべ声に出てたみたい。

私の発言を聞いて掴みかかってくる剣士のリアム。

そんなに揺らさないで。頭痛いんだけど。

王太子の隣では魔術師のルルアが目に涙を溜めながら王太子の手を握っていた。


「ルドリフ様……!大丈夫です。ルルアが着いてますから……!」


「ありがとう……ルルア……」


王太子がルルアの肩をそっと抱き寄せる。雰囲気的には致命傷だが、ただ膝を擦りむいただけである。なんだこの茶番。


「早く治療して差し上げてください。フィリナさん。」


隣でことを見守っていた弓使いのレフリートが眼鏡をかちゃっとしてそう言った。

このままじゃ埒があかないので渋々聖術をかける。

王太子の膝の擦り傷の上に白銀の聖術式が現れ、治していく。

すっかり傷が無くなるとルルアは涙を流して喜んだ。


「良かったです……!ルドリフ様……!」


「ああ……!」


まるで奇跡が起きたかのように喜ぶ一同。

だから致命傷かて。


ふと後ろを振り向くとさっきまで戦ってた魔王様もぽかんとしている。

だろうね。


宴を開きそうな勢いで喜んでいる4人を横目に見ながらなんでこんなことしてるんだろうという気になってきた。


ひと月ほど前、突然王太子から魔王討伐に行くという話をされた。

私はものすごく反対したが、聖女という立場にいても国に仕える身である私は命令だと言われてしまえば、従う他なかった。


確かにこの世界に魔王はいる。魔物もいる。

でも、お話に出てくるような悪逆非道という訳ではない。魔物とも共存しているはずだ。


そんなこと他国と交流したり、歴史書を読むだけでも分かることなのに、何故かこの国では魔物も魔王も悪だという風潮があるのだ。


至る所に魔を悪とし、それを討伐するという話が多くあり、王太子はそれに影響されたのだろう。この国は鎖国しているし、他国の情報があまり入ってこない。元々信じ込みやすい性格の王太子のことだ。魔王が悪だという話を沢山読めば、そうだと信じて疑わないだろうし、変な正義感を振りかざして討伐しようとするのは少し考えるだけで納得がいく。


そんなこんなで、王太子に心酔している3人と私と王太子の5人で討伐に行くことになったのだが、それはもう散々だった。


別に悪さをしていない魔物を殺そうとしたり、弱っている魔物をいじめたり、あげくの果てには飼われている魔物を倒そうとしたのだ。

その度に私は魔物に聖術で回復をかけたり、飼い主の人に謝ったり、興奮する王太子達を宥めたりしてきた。


でも、それを4人はよく思わなかったらしい。私は次第に雑用や仕事を押し付けられるようになった。


食事や洗濯、宿の確保はもちろんのこと、野営のときのテントの準備から見張りまで何から何まで全て私がやらされた。

時にはひとしきり攻撃して怒った魔物の前に置いてけぼりにされたこともあった。

その度に聖術を駆使して切り抜けてきたが、連日続く不眠不休の見張りと襲撃の対処、傷ついた魔物の治療で私の聖力も底を尽きかけていた。

今日も突然魔王と出会った途端戦闘を始めた4人について行くのに必死だった。

心無しか頭も痛い。


私がぼんやりとそんなことを考えていると、ひとしきり喜び終わったらしい4人が立ち上がり、また魔王に攻撃を仕掛けに行く。


ルルアが魔術をうち、レフリートが弓を射掛け、王太子とリアムが剣を振る。

そんな4人の攻撃を魔王様はいとも簡単に避け、魔術を展開する。

4人の頭上に大量の魔法陣が現れた。


「むっ無詠唱!?」


ルルアが驚いた声を上げる。

当たり前でしょ。魔王だよあの人。


「おっおい、フィリナ!!早くあれを無効化しろ!!」


王太子が慌てて後ろでぼんやりと見ていた私に声をかける。

前方では突然現れた魔法陣にリアムとレフリートが慌てていた。


「何とかしろよ!!お前!!」


「まずいですよ……やられますよ……」


まるで魔王様の魔術が必殺かのように2人は言っているが、あれは相手を眠らせるだけの魔術だ。あくまでも私たちを傷つける気は向こうには無いらしい。

ていうか、魔法陣の勉強は一通りみんなやってるはずだよね?眠らせる魔術は初歩中の初歩のはずだけど、見ても分からないのかな?


もうこのまま眠らせた方が早いのではと思い、ぼんやりと静観する。

すると王太子が鬼のような形相で叫んだ。


「おい!!あれを消せ!!命令だ!!」


途端、首を締められるような痛みが走る。上手く息ができない。

私は魔法陣の上に聖術式を展開して打ち消す。だが、魔王様もその上から再び魔法陣を展開した。


そうしてしばらく魔法陣の打ち消しあいを繰り返していると突然聖術式が展開できなくなった。


やばい、聖力が尽きた……


瞬く間に私たちの頭上に魔法陣が現れる。

王太子が早く消せ!!命令だ!!と叫ぶせいで、首の圧迫が強まりさらに息が出来なくなった。


視界がぐらついてくる。


ぷつんと糸が切れるように意識を失った。







読んで頂きありがとうございました

突然消してしまい申し訳ないです。

残りも投稿し直してます!!

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