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捕虜、ときどき聖女  作者: きなこもち
第2章
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じゅういち

今回から第2章です!!

王太子が攻めてきてから半年が経ち、あれから色々なことがあった。

まずは私の誕生日。魔王城どころか城下の街までお祝いムードに包まれて盛大なパーティーが催された。私は泣いた。

みんなからは沢山プレゼントを貰い、豪華な料理をみんなで食べた。そしてまたどんちゃん騒ぎになり、私もお酒を飲んで記憶を飛ばした。そして起きた時にみんなから禁酒を進められた。……ひどい酔い方だったみたい。


そして、そのふた月後に魔王様の誕生日があった。その時はみんなでサプライズパーティーを企画して魔王様を驚かせた。滅多に見られない魔王様の涙が見れたので、企画して良かったと感じた。

魔王様が泣いている時にしょうがないなと言いつつ嬉しそうな顔のグレースさんや喜びを隠してないリテアちゃん、感極まってもらい泣きしているオルド団長や、綺麗な微笑みを浮かべているレッタリアさん、しっぽを高速で振っていたヴォークさんを見ていると普段はぞんざいな扱いをしているけど魔王様のことが大好きだということが伝わってきて幸せな気持ちになった。


加えて初めての他国。瘴気が濃くなってきていたので浄化に赴いたのだ。

他の国は今まで住んでいた国や魔界と違う文化や食べ物などがあり、興味深かった。

リテアちゃんとレッタリアさんと一緒に行って沢山観光した。もちろん仕事もちゃんとしたけどね。

魔王様は仕事が忙しくて行けなかったからお土産とたくさんのお話を持って帰った。

それからちょくちょく瘴気が濃くなった国へ浄化に行くようになった。


あとは小さいことで言えば私の部屋が変わったことと、実はネオは私の従魔になってたこととかかな。

どうやら名を持たない魔物に名前をつけることは従魔契約の意味を持つらしい。もちろん魔物側も拒否ることは出来るんだけど、私の場合はネオが喜んで受け入れたから知らない間に契約が結ばれていたらしい。

でも、従魔契約が結ばれたからといって私とネオの関係は変わらなかったけどね。


従魔契約について教えてもらっている時についでに魔物の階級についても教えてもらった。

魔物の中にも階級があって、魔力の大きさで変わるらしい。もちろんトップは魔王様だ。そしてその次にリテアちゃんたちとかの言葉が話せる魔物の中で魔力が高いもの、次に言葉が話せるもので魔力の低いもの、そして言葉が話せないもので魔力の高いもの、言葉が話せないもので魔力の低いものの順だそうだ。

とてもためになった。




そんなこんなで魔界での生活を楽しんでいる時私に浄化の依頼が舞い込んできた。


「依頼って珍しいですね。」


依頼が来たことを説明してくれた魔王様にむかって言う。魔王様も私に同意した。


「そうだな。依頼という形は久しぶりだ。」


普段私が他国へ浄化に行く時は、魔王様が瘴気が濃くなった国や場所を教えてくれて、そこへ向かうといった形でやっている。

稀にどういう方法なのか分からないが国の方から私にというか魔王様に浄化の依頼が届いたりするのだ。


何気に私が魔界にいること世界中に広まってたりするんだよね。


どうやら今回の依頼してきた国はとてつもなく大きな国らしい。珍しく魔王様が悩んでいた。


「何かありそうな気がするのだがな。とにかくお願いしてもいいか?」


「大丈夫ですよ。」


私は了承する。早速他国へ行く準備しなきゃな。


今回の依頼してきた国はレイアルド王国の海を挟んだ大陸の中で1番大きな国であるリュレット帝国だ。

南の方の国でリゾート地として有名なビーチがあったりする。そして首都のフルールという街はとても賑わっているらしい。

海産物がよく取れご飯が美味しいそうだ。


うーん楽しみだ!!



詳しい話は後ですることになり、私は部屋に戻って荷造りをする。

するとノックの音が聞こえた。


誰だろ?魔王様かな?


「はーい」


とりあえず返事をする。扉の外からリテアちゃんの声が聞こえた。


「ボクなのよ。入ってもいい?」


「いいよ〜。」


扉を開けてリテアちゃんが入ってくる。腕にはネオを抱えていた。


「フィリナのところのネオがボクの部屋にいたのよ。しばらく遊んでたんだけど、そろそろボクはお仕事だから帰しにきたのよ。」


やっぱりか。

最近ネオはみんなの部屋に勝手に入ることが多い。みんながネオの相手をしてくれているからいいんだけど、そろそろ誰かに怒られそうだ。


リテアちゃんからネオを受け取りお礼を言う。リテアちゃんは私の荷造りの様子を見て言った。


「フィリナ、また浄化のお仕事?無理しないのよ。」


「ありがとう。だけど大丈夫だよ。」


心配してくれたリテアちゃんにお礼を言う。リテアちゃんは人差し指を頬に当てて考えるような仕草をした。


「でも、ボクたち団長はみんなお仕事があって誰も一緒に行けないのよ。」


え、そうなの?もしや1人……?


私の考えとは裏腹にリテアは少し考えて納得していた。


「まぁでも、あのまおーさまがフィリナを1人にするわけないのよ。大丈夫なのよ。」


そうかな〜。でも、なんか自分も納得してしまったしな……。


変な気分になりながらも荷造りを再開する。リテアちゃんも手伝ってくれたのでそんなに時間はかからずに終わった。


「詳しいことが決まったらボクにも教えてね。」


そう言ってリテアちゃんは部屋を後にした。





夕食を済ませたあと、魔王様に呼ばれたので執務室に向かう。

部屋に入ると魔王はなにか作業をしているようだった。


「魔王様?」


私が声をかけると魔王様は顔を上げた。


「フィリナさんか。詳しいことの話がしたいから座っててくれ。」


促されたのでソファに座る。すぐに魔王様も向かいに座った。


「出発なんだが明日で大丈夫か?早急に来てくれと言われていてな。」


「大丈夫です。」


元々そのつもりだったし。


魔王様が続ける。


「今リテアたちは忙しくて誰も手が離せない。それで、今回は私が君について行くことにした。」


え?魔王様が?ってことは一緒に旅行?

まじか……嬉しいな……。


「嬉しいです。一緒に行けるなんて。」


私の言葉に魔王様が少し面食らったような表情をした。


「喜んでもらえてるならいいか……。」


そういえば、魔王様と2人きりなんて久しぶりだな。


考えてみてドキドキする。これから先のことに浮かれていて、私は魔王様のなにか考え込むような表情に気が付かなかった。







読んで頂きありがとうございました

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