花見でわかった衝撃な出来事と…
【幻の大陸ツヤトシト】
《桜花の森…サクラフブキ》
「はぁー!絶景だな…」
「こんなにも美しい景色があるのですね」
「うー…」
「光溢れる大地って言われているのがわかったわ」
オレたちは今世界樹の周辺でも桜と呼ばれる木が生えている場所で花見の準備をしている。
「この辺はホントに豊かな土地ね…」
「我輩でも分かるぞ」
「「あぅ~」」
「ここに来ると浄化されるわ~」
「あい~」
「子供たちもとても機嫌が良いものね」
「男連中は酒を運んでるのね」
「今日はハメを外す人が多いわね…呑まれないようにしないと」
「子供たちはサニカ婆とルノカが見てくれるって言ってたものね」
「ここは新しい魔の存在でも近づけないものね」
「来たら来たで世界樹のじい様の根が敵を縛り上げて栄養にするし」
「その光景結構生々しいよね」
見たくないなその光景。
「昼辺りからどんちゃん騒ぎ出来るかな」
「村のご隠居たちは昼に到着するからね」
「それにしてもこれ食べきれるのか?」
そこには大量の弁当箱が積み重ねられていた。
「村のご隠居が本気になったらこれでも足りないかもね」
「えっ」
「もう老人の振りをする必要はないからね、ルトラウスもやる気になってるし…今日はとても良い日になりそうだよ」
「ばあちゃん…」
「ティルクスもたまにはハメを外しなさいな」
「今日はオレも飲み食いさせてもらうよ」
「ふふふ…楽しみなさい」
昼になって…
「マノリ婆さんだよね…」
「ふふっ楽しいわね~こんな風に全盛期の頃を常に出すなん久し振りすぎてね」
村のご隠居(マグナム爺さん以外)は全盛期の頃の姿になっているために…色々凄いことになってる。
「ホントによく食べるな」
「昔はもっと食えたんだがな」
「それでも充分すぎるわよ」
「あら…筍の土佐煮ね……サニカさんの日本料理美味しいわ~」
「ん?」
「えっ」
「えぇ!!恵先生!どうしてこの場所に!」
「プレシセア先生と呼びなさい」
「はい」
「どうしてここに」
「…可愛い生徒の旅立ちですからね。立ち会わせて貰います」
「ホントはサニカ様の料理目当てですよね?」
「どうかしらね?」
そこには緑色の長い髪を持ったとても神秘的な雰囲気を持った人がいた。
「旅に出る前に知らせる事があるから来たのよ」
「どんなことですか?」
かなりの衝撃的な話となった。
魔神を食らった者は自分に付いてきた者たちまで食らい力を付けたがこの世界から出て行ったそう。
プレシセア様にもどうしてこの世界から出て行ったのかわからないらしい。
「えっ…」
「ホントにどうしてかしらね?」
「それが真実ならワシらの3000年は何だったのだ…」
「出て行ったのなら暫く闇に包まれることは無いのですね」
「…長生きの意味は子孫を見守ることだったと思えばいいんじゃないのか?」
「さっぱりしない終りかただったねぇ」
「ホントにね~」
「…でも気を抜くつもりは無いけどね」
「当たり前ですよ」
「呆気ないな…これまでの犠牲は何のためだったんだか」
「でもこれでもう留まる理由はないわ」
「逝く前に祝福を掛けられそうですね」
3000年前の話を聞きながら飲み食いし遂に夜になった。
「さてと始めるわよ!」
「えぇ!気合いを入れるわよ!」
「後は頼んだぞ?」
「生まれ変わってまた会おうね!」
「早く来るんじゃないよ?」
「これでやっと妻の元に行ける…」
「…頑張れや」
ひとりずつ言葉を残し終えた後は…円陣を作り出した。
「行くわよ!【サークルファンタジー!】」
ご老人たちが色とりどりの光に変わり…頭上を回りだした。
【我らは100人の王のひとりと呼ばれこれまで延命を続け世界を見守り続けただがその役目を終えるときが来た!】
【我らに付き合った子孫や村に嫁いだ者や婿に来た者よ】
【これからの人生に祝福を!】
【またな!】
光の粉の様なものが降り注ぎ…空高く溶けていった。
「まったく…寿命がまた延びてしまったよ」
「俺たちの人生は長いが…今までどおりに過ごせば良い」
「…あれ?」
「どうしたイベリス」
「身体の疲れが…なくなった?」
「お姉ちゃんの様子が!」
「それなら心配ないよ」
「サニカさん?」
「マノリたちがイベリスに少し元気を分けたんだ」
「だからといって無茶をするなよ?」
「…はい」
少ししんみりした夜となったが明け方近くまでご隠居たちの話で盛り上がった…プレシセア様とじいちゃんたちは少し寂しそうにしていた。