とある女性の生まれ変わりの正体
「イベリス頬に血が付いてるが何があった」
「大丈夫ですよ、蝙蝠と戦ったのでその蝙蝠の返り血です」
「えっ」
「サニカ様に体調を見てもらって…特に異常は無いそうです」
イベリスから流れるナニかのオーラを感じ取ったティルクスは聞くのを止めた。
「そうか…他の女性陣は特になかったか?」
「平気です」
「なら今日は俺が夕飯作るよ…何か候補あるか?」
「そうですね…ティルクスが作る鍋料理が良いです」
「わかった、材料集めてくるな…楽しみにトウリと待っていてくれ」
「わかりました」
「あい~…」
「ふふふ…トウリご機嫌ですね」
「今度は俺が行く番だな…留守頼んだぞ」
俺はじいちゃん達の元に向かっていった。
「ティルクス来たな」
じいちゃんが俺を愛称で呼ぶときは絶対に何かある時だ、今日は特に何も起きない良かった。
「それにしてもテムルたち帰ってこないな」
「今やりあっているからなシェイルーン教会トップとこの世界の最高ギルドのマスターとな」
「ばあちゃんは?」
「水晶玉から様子を覗き込んでるぞ…窓側の椅子に座っているだろう」
「ルトラウス様待たせましたな」
「マックスか」
「私も居るわよ」
「ハーシュさん久しぶりです」
「久しぶりティルクス」
「エンリちゃんはどこに行ったんだ?」
「お義母様ならアスエルとユフィに連れられ狩りに行ったわ」
「そうか…帰ってきたとき何かスッキリした表情してたからな…また何か変なのが湧いて出たのかもな…なぁサニカ」
「例の人たちはもう来る事はナイヨ?」
「例の人たち?…ばあちゃん最後の方なんでカタカナ?」
「ここには私たちしか居ないので吐いちゃいましょうか?」
「そうだなハーシュに賛成だ」
「ハーシュもルトラウスの様にワキワキ手を動かさないの…この事は…ナシュタたちには内緒にしてくれるかい?」
ばあちゃんの目が本気だったが何があったか話してくれた。
「と言うことがあった」
「お前と言う奴は…」
「炊き出しに吹き飛ばしねぇ…」
「元気そうだなあの親子3世代」
「教会も一枚岩とは行かないか」
「フォレスト霊峰山名物の血の海ができていたな、ワダミルですら追い出されたか…アイツも長生きだが悪さ出来なくなるな【エンピエンド村】だろ?あそこの環境は特殊だからな、遂にそこに飛ばしたか」
「【エンピエンド村】?」
「その村はこのフォレスト霊峰山の裏側に土地にあるんだ、しかも断崖絶壁の孤島の近くにあるのだかその村の住人は癖がつよくてな、一度行ったらもう行かなくていいやってなる」
じいちゃんの顔が苦虫を噛み潰した様な変な表情に…。
「…ならアネットさんの生まれ変わりって誰なの?」
「私が生まれ変わりよ」
そう答えたのはハーシュさんだった。
「ホントに?」
「えぇ、だからこそ私は村から離れて暮らしていたでしょう?」
「マジですか」
「生まれ変わりと言っても記憶を持ってなかったのよね…サニカさんとルトラウスさんに私が生まれてすぐにアネットの転生体って知られて…」
「魂の形と色を見ればわかるからな」
「ふたりにバレる前に確保して空島に親子で連行してふたりに悪いけど悟られないように隠蔽したんだ」
「それで村の恒例の成人の儀式を終えたあとに私は村を出たの、親から継いだマジックとサニカさんから教わったマジックで旅芸人しながらね」
「それで流れ着いたのがワシの国だったのだな」
「そうですよ、お義父様」
「ハーシュちゃんとの出会いでワシらは家族は元に戻り明るくー」
「外が騒がしいな…」
ドドド!と何か忙しそうな音が外から近づいてきている…何事もなければ良いが…。