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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
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経過報告と過去話し

「こんなんで気絶するとはモーリンも鈍ったねぇ」

「そんなことないから!ばあちゃん見て皆引いてるから!」

「…生首がそんなに珍しいか?」

「だっ誰だ!サニカ婆をバーサークモードにした奴は!」

「…お前たちでも気付かないか?」

「えぇ…と?」

「私が生首持ってウロウロするわけないだろう…1300年前に出現したの首狩り勇者とは違うぞ?そこまで血に飢えてないよ」

「それじゃこの生首は偽物?」

「コレはスライムと粘土で作った紛い物さ」

「何だよ、びびらせないでくれよ」

「頼まれていた【落ち人】の確保はどうしたんだ」

「それなら…この瓶の中に閉じ込めたよ」


ばあちゃんが取り出したビンの底に小人がふたり体育座(たいいくすわ)りして大人しくしていた。


「お前って奴は…」

「この瓶はオリハルコンを加工した瓶だからね…壊せないし逃げられないように封印も施してるから盗まれても平気さ」

「サニカ婆…師匠どうします?」

「大丈夫さ直ぐに起きるよ」


ガバッとモーリンさんが起き上がった。


「キャアア!サニカどうしてくれるのよぉお!」

「モーリンほらここに居るよ、ほら君が求めている人物達だよ」

「あら瓶の中に閉じ込め……ってその生首偽物だったのね!驚いて損したわ」

「一応偽装工作して来たんだよ…生活していたであろう国の周辺だと有名人だったからね」

「口だけは達者だったみたいだからね…封印の解き方は?」

「向こう側に居る黒司だったら解けるよ…モーリン解こうとしても無駄だからね」

「わかってるわよ」

「白理たち宜しくね…あとコレも持っていって」

「コレは…」

「酒」

「短い会話にしないのよ」

飲兵衛(のんべえ)たちには堪らない貴重な酒」

「今度は長いわ!名称言いなさいよ」

「挨拶代わりに持って行きなよ、どうせ死にかけてるだろうし」

「何らかの影響は必ずあるもの…向こうは戦場になってることでしょうね…ワタシが大事に届けるわ、またね村の子供たち」


そう言って村から去っていった。


「…うけけけ」

「ルトラウス様どうなされました!」

「アイツ…サニカのハッタリに騙されてやがる」

「えっどう言うこと?」

「あの瓶はねデーモン入りの瓶なんだよ」

「それやばくないですか?白理様たち怒りますよ」

「それなら大丈夫、私が直々に届けてきたから」

「既に届け済みか」

「ばっばあちゃん…」

「モーリンはほんの少し信用なら無くてね」

「確かにな昔あったからな、捕まえた手配書の奴をその術式と交換だと言って俺が壊滅させる直前の組織に売ったからなアイツ」

「うわ…」

「師匠えげつない事してますね…ルトラウス爺もだけど…」

「二回も手配書の人物に絶望を与えたからな」

「その人どうしたの?」

「昔あった【法律の国アストラレイア】と言われる国で「助けてください!俺を牢屋に入れてくれ!」と全ての罪をその場で告白してその国の預かりになった」

「おっふ」

「「牢屋で過ごした方が最高」って叫んだらしいから」

「マジか…」

「イシェーラとシェリナ待ってくれるかい」

「どうしたのじゃ?サニカ殿」

「どうかした?」


桃色王国に向かおうとしていたイシェーラさんとシェリナをばあちゃんは止めた。


「アイツらに会うのだろ?ならこの飴を食べてニアとジュリアも誘って上げなさい」

「?……わかったのじゃ」

「何の飴?」

「いざというときの【金○郎飴】さ」

「何が見えたかは教えてくれないのね…」

「楽しい楽しいパーティーが見えたとだけ言っておくよ」

「…コチラとしては面白くないのじゃが」

「イシェーラ達もかなり盛り上がっていたのが見えたぞ」

「…では…行って参るぞ」

「行ってらっしゃい」


何か不安げにイシェーラさん達は桃色王国に向かっていった。


「所で…モーリンさんが桃色王国の国王の事をママって言ってたけど…その関係は?」

「言わないでねって言われてないから話しても平気そうだけど」

「どうー」

「その事ならじかにアタシが話すわよ~」


声が聞こえた途端にその場にいた人たちが振り返った。


「本人のご登場~」

「茶化さないのよっルトラウスちゃん…キッスして欲しいの?」

「やだ」

「途中でイシェーラたちと会わなかった?」

「会ったわよ~ふたりを桃色王国に飛ばして上げたわ」

「そうか…何しに来たんだ?」

「別に来ても良いじゃないの…長い話しになるから聞きたい子だけ残って聞くと良いわ」

「俺様は帰るわ…その話し知ってるからな…ヤることヤりに行かねぇとな」

「お義父さんたちに子供たちを任せっきりにするのも何だものね」

「先に失礼します」

「俺もやることやって来るわ、お袋に預けてるアガーテに会ってからな」

「私が行ったら騒ぎになるかしら?」

「カリーナはアガーテの側に居てやってくれ」

「我輩も行くぞ、ティルクスどんな内容だったか後で聞かせてくれ」

「カリーナ…例のあの薬を使うときが来たわ…」

「ミリア…そうね使うしかないわね」

「あっそれなら…あたしの家にあるあれも使えばさらに強力になるわね…」

「父さんから持ち出す許可を貰いましょう」

「僕も行ってこよ」

「あの植物の種も持たせようかしら?」


娘を持つ親たちが何か企んでる…じいちゃんから聞かされた話だとわかる気がするけど。


「…何か黒いオーラまみれね」

「行ってくら」


ぞろぞろとばあちゃんの家から出ていった。


「あら…こんなにも減ったのね…んもう…」

「モーリンさんの過去か」

「あなたは底そこまで興味なさそうね」

「特には…じいちゃんたちの知り合いだから大抵の事は…な」

「聞いておいてそんはないと思うわよ…どこから話そうかしら?」



夜の蝶たちが拝めている方から話が始まった。


今から3000年前~桃色神殿に拠点があった頃~



「ふんふーん♪やっぱりお天道様の光は暖かくて…暑いわ~…だらだらしたくなるわ~……サニカちゃんの所にアイス食べに行こうかしらん♪…あら…何か黒い鳥がバサバサしてるわね…行きましょ!可愛い男の子だったら最高ね♥️」


茂みに着いたら…


「カーカー!ギャーーー!(何や!このおっさん!女装しとるで!)」

「あら、あんたたちちょっと邪魔よ…向こうに行ってなさい」

「グギャァア!(何やコイツ!)」

「邪魔って言ってるでしょー…オラァ!」


黒い鳥は逃げていった。


「あら!ヤダ!赤ん坊じゃない!しかも傷だらけじゃないの!まだ息もしてるし手当てしなきゃ!【ラブラブハートの回復♥️】」


赤ん坊の傷が治った。


「…オギャーー!」

「泣き出したわ~!元気になったのね!このままサニカちゃんたちの所に連れて行っちゃいましょ」


◇◇◇


「こんにちわ」

「ラブ様久し振りですわ」

「んもー…ファーリちゃんたら…無理しちゃいけないわよ?」

「知ってますわ…でも子供たちが可愛くて堪らないのです」

「そうなのね…サニカちゃんは」

「サニカ様なら畑に出てお野菜の収穫しに行ってますわ」

「あらそうなの…」

「所で抱えているその子は…」

「今さっき拾ったのよ~」

「まぁ!…その子はどうなさるのですか?」

「そこなのよね~」


カランカラン


「ただいま戻ったよ」

「サニカ様おかえりなさいませ」

「ただいま~ファーリお母さん」

「おかえりなさいわたくしの愛しの子供たち」

「ラブナシカ殿来ていたのか」

「えぇ」

「子供たちは手を洗ってきなさい…今日は収穫した果物使ってパフェでも作るか」

「わーい!」

「パフェだって!」

「やったぁ!」

「あら…」

「ラブ様もご一緒にどうでしょうか?」

「そうね…一緒にご馳走になるかしら?」


数十分後…【フルーツたっぷり七色パフェ】が出来た!


「きゃー☆虹色のパフェね!凄くキレイ!食べるの勿体ないわ!」

「このブルーベリーわたしが収穫したのよ」

「このメロンはおいらが!」

「このオレンジはぼくが収穫したんだ」

「パイナップルはあたしが取ったの!」

「ブラックベリーはおれが取ったんだ!」

「この桃はわたしが…」

「このスイカはわたしが取ったのよ」

「そうなの?…なら頑張って収穫してくれた子供たちの果物を美味しくいただかないとね?」


◇◇◇


「お休みの時間なのね」

「お昼寝は大事なのですよ」

「君がお子を拾うなんて珍しい事もあるんだね」

「そうなのよ~この子ここに預けようとしたのだけど…」

「離さないようにしっかり服を握ってるね、弟子として育てれば?」

「確かに、世話役は沢山居るものね…でも女の子だから心配があるのだけど…」

「男を誘惑するようなふしだらな娘に育ったら注意すれば良いと思うし…どちらかと言えば逞しく育ちそうな気がするよ」

「そうかしら?」

「何かお困りな事かあってここに来てくれれば相談に乗りますわ!」

「そうね~暇潰しに子育てしてみようかしら?」


そしてラブナシカの子育てが始まった。


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