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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
86/555

大人げない大人代表VS子供たち…三日目

ゴゴゴゴゴ……ドゴーーーン!


「うぉお!」

「何の音です」

「ひゃ!何か凄い音がした!」

「変態たちの基地から……煙が立ってませんか?」

「……何があったんだ…」

「おはよう三人とも」

「おはようございます?マナト……え?」

「どうしてここにマナトが居るんだ!」

「本物だ!」

「パエール頬を引っ張るのは止めて…ラカンは髪を引っ張るな…トウリは凝視しないんだよ」


マナトは次期村長であるスノアさんの長男で私たちより一歳年上で普段は交流の為に【学園都市ワイズライズ】に通っていて普段は村に居ないローナの従兄(いとこ)です。


「サニカ婆からもし変態が愚かなことを仕出かしたら動けと指示を受けてトウリたちの二日前からこの島に潜伏してたんだよ」

「居たんなら助けてよ」

「えぇ…面倒じゃん…あんなのに目を付けられたら嫌じゃね」


そうでした…マナトは変なところずぼら何でした…スノアさんは忙しなく動くマメな方なのに。


「サニカ婆の指示を無視してるね」

「お叱りが怖いから今さら動いたのでしょうね」

「毒を吐くなよ…今さらじゃないぞ…お前たちが崖からダイブの時はヴ…変態仮面を垂直に落としたし、アーリィたちが川に飛び込んだ時は川の流れを緩くしたぜ」

「そうだったのか」

「確かに…ヴァ…変態仮面としては垂直に落ちるのは可笑しかったですね」

「でも…助けて欲しかったな」


パエールのマナトに関しての好感度が下がった。


「何か変なの聞こえたんだけど」

「それより何しに現れたのですか?」

「嫌みったらしく言うなトウリ……シオンがキレた」

「「「えっ」」」

「リシアさんから貰った【シオン観察玉】が割れてな……お花の兵隊さんマメタンク風の集団が向かった方向があるんだが…」

「変態仮面たちの基地だな」

「さっきの爆発って…」

「お花の兵隊さんでしょうね…」

「……準備して俺たちも向かうぞ」


◇◇◇


「跡形がないんだけど…」

「…瓦礫の上に誰か居る!」

「来たか残りの小僧ども」

「…シオン!アーリィ!」


シオンとアーリィがボロボロにされ簀巻きにされていた…シオンは男だと気付いてましたか…ですがパエールを見ても反応しませんね。


「さすがにコレはやり過ぎじゃないですか?ルトラウス爺たちキレますよ」

「アガーテやオーシェたちはどこ!」

「特別室に居るぞ…コレは正当防衛だ…襲ってきたのはこの坊たちだからな」

「私の念願が今度こそ叶うかもしれない!」


変態仮面たちの目が血走っていて怖いです。


「子供相手に本気出すとは…大人げない人たちですね」

「俺ですら引くわ!つかオーシェたち返せ!ロリコン!」

「ふん!お前たちで我々に勝てるとでも!」

「ラカン!パエール!作戦その1を仕掛けますよ!マナトは離れて居てください」

「へぇーい」

「じい様特製の魔法のスクロール!発動!」

「あの魔法陣見たことないぞ!」

「一旦引くか!」


ポンとセルクシアとラセスが召喚された。


『おや…ここは』

『ようトウリたち…今サニカ殿の試練の最中だよな?』

「力貸してくれなさそうですね」

「使えないな…」

「この作戦は使えないわね」

『そう言えばルトラウス殿がアリセア殿たちにお説教を食らってたぞ』

「アリセアちゃん…」

『ですが…ほんの少しだけ力を貸しましょう…』

『私も力を貸そう』


セルクシアとラセスが光り輝きそれぞれに力を与えた。


『わたくしの力の一部を貸します…我々は帰ります』

『まぁ頑張れや』


シュッと居なくなった。


「えっそれだけ?」

「………」

「でも体が軽くなったわ」

「ガキンチョどもそれが作戦か?」

「傑作だな…がっはは!」

「作戦その2を始めます!」


◇◇◇


「はぁ…はぁ…無理だ…作戦38までやったけど敵わないな」

「ふぅ…セルクシアの加護は防御膜でしたね」

「ラセスの加護で早い動きが出来たけど…追いつかないわ」

「痒い痒い!」

「…オルセ世代とはどう違うんだろうな?」

「未来の村平気か?やはり婿入りするしかないな」

「悔しい!妹や仲間を救えないのか!」

「屈辱的です」

「うぅ…」

「今回は俺たちの勝ちだ!…うっ!」

「どうしたマース!なっ」


変態仮面の股ぐらに蹴りをいれたのが現れた。


「……ネムリア?」

「シオンとアーリィもです」

「ローナ、オーシェにアガーテ?」

「3人が遅かったから…出てきちゃったわ…」

「この変態たちはここで…二度と村に来れないようにしなくちゃ」

「僕も…ヤるよ」

「俺も変態どもを許さねぇ」

「あたしもう…疲れちゃった」

「わたしもですの」


連れ去られた六人の様子が…。


「トウリ、パエール、ラカン…ここから離れるぞ」

「マナトどうしてですか?」

「ありゃあ…敵味方関係なく攻撃してくる系だ…通常運転の奴の安全を確保しろと言われてるからな今は変態仮面をターゲットにしてるから良いものの…」

「えっおれネムリアに攻撃されるの?」

「確かに雰囲気ヤバいよね」

「こんなんだと【鬼役】も出てこれないぞ」

「三人も一緒にヤろうよ…君たちに……したあとだけど」

「残ってくれるわよね?…お兄ちゃん?」

「悪いなネムリアたち…三人は俺が貰ってくわ」

「マナト…居たんだ」

「居るにも関わらず助けてくれなかったマナトにも…」

「オーシェも目線やベェな…またな六人!【転移】」


◇◇◇


「ネムリアが!ネムリアが!おれの片翼が!」

「シオンの喋り方が…変わってたわ」

「みな目が据わってましたよ」

「コレからはあの六人から逃げる鬼ごっこだな」

「マナトはどうするのですか」

「オイラも一緒に逃走生活に入るぞ?捕まったら恥ずかしい思いをするだろうからな」

「コレからどう逃げ回りましょうか…向こうはある程度のこちらの策は知ってますからね」

「本気になったアーリィたちと組手したことないぞ」

「普通はしないぞ、大人たちじゃないからな」

「勝てるかしら…大人げない大人に勝てなかったのに…」

「向こうは千年以上生きてる拗らせ童貞ととある血筋を狙う拗らせ童貞だ…まだ勝てるわけないだろう」

「本気を出した彼らから逃げる場所を探さないとですね…ばあ様から預かっている通信を使いましょう」

「そんなの持ってたのかよ」

【おっ…ついに使ったね】

「ばあ様…大変な事に」

【全部見てたから状況は言わなくて良いよ】

「えっ…そうなの?」

【だから君たちの曾祖母たちを押さえるのに手を焼いてるよ】

「終わったねあの人たち…」

【今回はさすがに許さないよ、孫たちを侮辱してさらには洗脳しようとしたからね、いつものおふざけなら移した場所を教えるつもりだったんだけど教えないと決めたよ】

「そもそも関わるの止めた方が良いですよ」

【そう言うわけにはいかないんだ…大人の事情って奴でね】

「そちらから見えて居ると言うことは」

【アーリィたちは馬鹿どもを先祖から引き継いだ力を使って徹底的にぼこぼこにしてるよ】

「次はオイラたちですよね」

【そうだろうね、先祖の力をもて余してるからね、それにしてもマナトは動かなすぎだよ】

「そこは…反省してますよ」

【怠けたい気持ちはわかるが…今回は多少のペナルティが有るのは覚悟しなさいね】

「はい…」

【トウリたちマナトを一回だけ囮に使って良いからね】

「わかりました」

「酷くないですか!」

【自力で見つけるのを推奨しているけど…特別に今回は安全地帯の場所を教えるよ、そこまでは自力で行きなさい。

この島の安全地帯はこの島で一番高い大樹でどんなことをされてもその木の頂上で過ごせば安心だよ】

「無視された…」

「最初におれたちが過ごした大樹であってたんだな!」

【ホントは私たちが止めに入ろうかな?と言ってたんだけど…これ以上は変態たちは動けなくなるから鬼ごっこの続きとして見守るのを続行するよ】

「うぅ…仲直り出来るかなぁ…」

【パエール…心配ないさシカナやテムルたちそれぞれの世代も険悪に陥り仲直りしてここまでやりくりしてきたんだ…大変そうだったら安全地帯で最終日まで過ごして良いからね?今回は馬鹿どもはやり過ぎたから誰も文句は言わないよ】

「出来るだけ頑張ってみますよ」

【そうかい?…コレで最終日が終わるまで連絡出来ないからね、気を付けるんだよ】


そして連絡が切れた。


「さてと…態勢を整えるために大樹の元に向かいましょう」

「わたし…走りきれるかな?」

「ヤバかったらマナトに囮になって貰えば良いんじゃないか?」

「マジかよ」

「準備運動しますよ」


トウリたちは気合いを入れて大樹に向かう準備を始めた。


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