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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
77/555

襲撃


「とうさん!おかえりなさい!」

「トウリ~元気だったか~」

「わたしは元気ですよ」


ニコニコ笑う愛息は超可愛い。


「義兄さん、お帰りなさい」

「ただいま、カルミアありがとういつも助かるよ…」

「あたしもトウリが可愛すぎて…だから良いの」


…カルミアの見た目年齢ヤバイな犯罪臭が…二十代なのまだ十代前半に見える…ルーミリアさん見てるみたい。


「ティルクスお帰り~」

「ただいま…シェリナも居たのか」

「うんカルミアが心配でね、あとは大丈夫?」

「あぁ、アレは吹き飛ばしてきた」

「そう…また絡んできたら今度は僕を呼んで?僕がズタズタにしてあげるから?」


シェリナ表情が黒いぞ!


「はは…」

「カルミア行こうか」

「そうね、またね義兄さん」


ふたりは村に来る依頼を引き受けに向かった。


「とうさん…少しは一緒にいられるの?」

「あぁ…しばらくは居られるぞ」

「…やった」


イベリスを失ってから更に3年経ち息子は五歳半になりオレは村の薬剤師や警備員そしてオルセの手伝いとして魔物を狩りに行ったりしている。

トウリが生まれてから約5年…週に一度必ず魔神教が襲撃してくるようになった事で愛息(トウリ)と過ごす時間を奪われている…絶対に許さん。


「何しようか?」

「とうさんのお手伝いしたいです…」


ズッギューーンと来た。


「…それじゃ一緒に薬草の仕分けをしよう」

「はい!」


◇◇◇


「いい匂いがします」

「香草とかもあるからな」

「とうさん…わたしは何をすればいいのですか?」

「このローズマリーを五本集めてこの植物の蔓で結ぶんだ」

「わかりました」

「オレも頑張るか」


2時間後


「くぅ~終わった…トウリは」

「Zzz…」

「(まじ可愛い!写真撮りたい!写真!)…トウリを抱っこして薬草の束をカリーナとミリアに渡しに行くか」


◇◇◇



「ティルクスありがとう」

「これで傷薬がたくさん作れるわ…」

「子供たちやんちゃなのが多いから直ぐ無くなるのよね」

「ラカンたちの崖からダイブはさすがにオレでもビビったよ」

「アレはサニカ婆ですら「うぉおお!」って叫んだものね」

「それにしてもトウリよく寝てるわ…」

「アガーテとネムリアとラカンは?」

「父親ズに連れられ狩りに同行してるはずよ…」

「…あぁ恒例のアレか」

「そうやって狩りの仕方と手加減を覚えるものね」

「オレも何か手伝おうか?」

「ティルクスはトウリと一緒に居てあげなさいよ、甘えたい盛りなんだからさ」

「外に行ってー」


ドドドド!と騒がしくなってきた。


「カリーナ!ミリア!避難するぞ!ティルクスたちも居たのか!」

「どうしたの…テムル」

「魔神教の団体が向かってきてるんだよ!堕竜四体連れで本格的にな、そこをオルセたちが時間を稼いでるよ」

「やっぱり来たのね、サニカ婆たちの留守…霊峰スクリクスに行ってる所を狙われたわ」

「傷薬作ってるヒマはないわね…」

「子供たちは?」

「広場に集めて避難の準備中だ」

「テムル!溜め込んでおいたポーション持って行って!」

「サンキュー!マイハニー!」

「オレは」

「ティルクスはカリーナたちと一緒に子供たちの所へ」

「わかった」


大事な物は常に自分たちはアイテムボックスにしまっているために詰め込む必要はなくテムルに渡した以外のアイテムを詰めてから向かっていった。


「ティルクスたち来たね!」

「シカナさん状況は」

「子供たちと女性陣とご老人たちも全員集まったよ」

「避難先は山頂付近にある領域よ」

「お母…」

「パエールは皆と行くんだよ、イシェーラたちも一緒に向かってくれるかい?」

「妾も戦いたいが」

「向こうは絶対に何か仕組んでいるから…大人が何人居ても困らないわよ」

「フェルチェさん」

「おばあ様…」

「「フェルちゃん…」」

「わたしの可愛い孫たち…わたしなら平気よ?…カリーナとミリアも行きなさい」

「母さんは…」

「シカナの援護の為に残ります…孫に会うために来てたのに…許さないわ」

「私も残るわ~ティアは今留守にしてるし~」


村のアリセアさん世代の他の女性陣も残ると言ってシャドーボクシングや組手を始めた。


「無茶したら怒りますからね~?」

「母さんたち早く移動を始めて!」

「何なのあのドラゴン!攻撃が通るようで通らないわ!魔神教は弱いけど!」

「シェリナとカルミアが帰ってきたわね」

「わたしのお花の兵隊さん頼んだわよ~お母さんたちを守ってね」

「リシアたら…ありがとうね~」

「シカナさんこれ」

「随分固そうなオタマだね!カリーナ」

「私が育てた植物の剣と盾も置いていくわ、使ってちょうだい」

「ありがとうラミーちゃん~リシアたちは早く避難シェルターに向かいなさいね~」

「ティルクスが見た未来と似たような事が起きるとは…キャラストミストはやはり怖いわね」


オレがキャラストミストで見た出来事を村の皆に伝えていた事で少し変わったのかもしれないな。


「準備しておいて良かったわ」

「マックスさんたちは?」

「ふたりならハーシュさんとアスエルとユフィを連れて男どもと一緒に堕竜と魔神教を足止めしてるわ」

「オレが先頭を歩くよ」

「トウリは…寝てるのね…」

「わたしが抱っこして走るわ~」

「リシア頼んだ」


今のリシアは男化しているのでオレより屈強である。



◇◇◇


山頂まであと十キロ


「はぁ…疲れた…」

「ぼくも…もうダメ…」

「子供たちは限界みたいね、走るのは止して歩きましょう」

「なんなの村のおじいちゃんたち…軽やかにピョンピョンジャンプして先に行っちゃったよ…」

「あの人たちは普通じゃないから」

「……皆」

「部隊を小分けにしていたのが来たわね」

「はぁ…懲りないわね…」

「子供たちは皆で1ヶ所に固まって居るのよ~【純の結界】発動~」

「ボクが動くよ」


シェリナはそう言うと短剣を投げそれを見事に弾いたのは…。


「どうしようもない弟だね」

「なんだ腐れビッチ吸血鬼か」

「口が悪くなってる…」

(アレが義兄さんの元恋人か…確かにイシェーラさんに似てキレイな人ね…でもイシェーラさんと姉ちゃんのほうがもっと綺麗ね)

「何しに来たのじゃ」

「魔神カストルファ様が求める子供がこの中に居るらしくてね?その子を貰いに来たんだ」

「懲りないわね…キモくなってるわ」

「アンタのそのストレートな物言い僕は大嫌いだよ」

「吹き飛ばされたくなかったらそこを退きなさい」

「僕にはコレがある!」

「アレは魔除けの札…」

「だから僕には効かないよ!」

「…ならこれでどうだ?」

「!いつのまに…何てね?」


シェリナの一撃を避けたビッチ半吸血鬼。


「僕に効くとでも?」

「無駄口叩くだけはあるね…後は宜しくねティルクス?」

「なっ」

「シェリナご苦労…ラセス!力を貸してくれ!全てを洗い流す【アクアプリズン】と【聖域の風】」


敵である者たちの足もとから水が湧き出て包み込みラセスの力を使い囚われて居るまま吹き飛ばした「アレがティルクスだって!引きこもっているんじゃないのか!!」と言いながら飛ばされていったと思っていたが。

突然鎖が現れ飛ばされなかった。


「はぁ…ホントに弱い奴だな?」

「!…カンセム…ムルア」

「あぁ?カンセム様だろ?このピー!いや…教団のピーか?」

「気安く名前を呼ばないでくださいまし!このピー!」

「がっ!ぐっ!」


…元村人が八歳ぐらいの子供ふたりに思いっきり踏まれている。


「…初めましておばあ様、おじ様」

「妾に孫などおらぬ」

「僕の片割れは行方知らずだから」

「ちっ…このアバズレのせいで否定されちゃったよ」

「最悪ですわ」

「リシアこの会話子供たちには…」

「大丈夫よ~聞けないようにしてあるから~」

「何しに来たのじゃ」

「自己紹介に来たのです…オレっちの名はカンセム・アルディティア」

「わたくしはムルア・アルディティアと申します…魔神様の御子様をいただきに参りましたが…簡単には渡してくださらないみたいですわ…兄様」

「そうだな…この村の人たちは本当に強いから余計な事はあんまり言わない…今回は引こうか」

「後は堕竜とわたくしたちの可愛い子ちゃんに任せて帰りましょ「それではサヨウなら?」」


そう言って消えていったと思われるが。


「厄介なのに育てられたみたいだな」

「それにまだまだお子ちゃまね?…」

「そうね…あんな挑発に乗るアホはここには居ないわ」

「気配隠すの下手くそね~結界解くわけないじゃない~」

「考えが足らぬな」

南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)…」

「あのお子ちゃまは大司教アルディ…何だっけ?の血を引いてるんでしょ?ならゾンビ製作するだろうからいつでも対策は取ってあるよ」

「気合いをー…えっ」


◇◇◇◇


「あのドラゴンとゾンビどもミスリルの剣とかで斬っても効かねぇな」

「オルセさん!左左!」

「アレは?」

「マグナ爺さんとコルエルさんがジャイアントスイングしてたぞ」

「居なくなったのね…後はどうしましょうか?」

「我輩の魔力も流石に尽きるぞ…」

「アイテムは後どれだけある!」

「105本ですお爺様」

「一旦ひ…えっ」

「あらあら…」

「皆元気~?」

「後は3000年前を経験してる俺たちに任せるがよい!」


そこには先に避難していたはずのご老人たちの一部が普段着ないような格好をして現れたのであった。


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