3年経ち…村の賑わい
「ティルクス義兄さん!」
「カルミア…訓練は終わったのか?」
「うん!」
「…まさか君が義妹になるとは」
「ふへへ…姉ちゃん美人さんだからね」
「テス!イベリスの様子はどうだ!」
「まだ生まれないよ…じいちゃん騒いでるとばあちゃんにまた怒られるよ」
「お前は落ち着き過ぎだテス」
オレはあれからカルミアがイベリスを説得して外に連れ出し綺麗な景色を見にラセスと馬車を使い旅をして仲を深めていった。
途中、野盗や魔神教に襲われたりしてイベリスも実は強かった事を知った…お互いに助け合い世界で最も美しい景色を見られると言われて居る【世界樹の天辺】に着いた所でオレはそこでイベリスに告白し最初は短命の為に断られたがオレは何度も告白してここまで至った。
結婚式は村の伝統の花婿衣装を着てイベリスは一族の伝統の花嫁衣装だったが超綺麗だった。
オレの結婚を機に村のカップルたちがこぞって結婚して村を拡張しながらの結婚式でシカナさんたち村の年上女性たちが死にかけたがそれから数ヶ月経ち孫が出来たと喜びが村中に満ちた。
「ティルクス…お前は落ち着いてるな…」
「テムルに…元気じゃなさそう」
「その通り…少し寝不足だ」
俺は長生き組に組み込まれた事によってカリーナ姉さんたちを呼び捨てで呼ぶようになった…テムルは独身主義を捨てカリーナと結婚した。
シェイルーンの教皇がその事を聞き付け村に来たがテムルにボコられカリーナが作った薬を盛られ面白い動きをしたが懲りずに「私か息子か娘でリベンジすふ(る)!」と言って帰っていった。
「でも我が子は可愛い…」
「そうだなテムル」
「カフェルネ…お前はなにしてんだ」
「我の所もそろそろ臨月に入るんでな、異種族同士の子だと生まれる時に妻に負担が掛かるから今のうちに我も経験しておこうと…」
「止めなさいよ…カフェルネ」
「カリーナはもう良いのか?」
「えぇ安らぐ香りを作って渡してきたわ…アガーテはわたしが持つから一緒に帰りましょう」
「そうだな…ティルクスも頑張れよ」
「うん」
そういってオレの家から3人は帰っていった。
「…我も寂しくなってきたな…ミリアの元に帰るか」
カフェルネは文字通りミリアを妻として迎えたいと大胆発言してその言葉を聞いていたヴァンヘルムさんはカフェルネに喧嘩を売ったがカフェルネが隠していた技を受け敗北し「次こそは!」と教皇と似た事を言って去っていった。
ミリアは難問を作り出しカフェルネに試練としてやらせたがそれもことごとくクリアしていった…その時のカフェルネは目が血走っていて怖かった。
カフェルネはミリアを説得して「我はとてつもないほど凄いぞ!耐えられん!」と意味深な事を言ってミリアにタコ殴りされたが「嫁に欲しいんじゃあ!!」と言ったところ村のご老人たちの悪巧みによってカオスになった村!そこでカフェルネのふとした何かを見たらしく結婚を承諾した「ぐふふ…アレはサイコーね…」と黒いミリアを見るようになった。
「我も帰るか」
「それが良いよ」
カフェルネもルンルン気分で帰っていった。
「オルセも帰れ」
「アリンとソリンにハブられてな」
「アーリィとオーシェが待ってるよ」
「息子と娘は俺様が抱くと泣くんだよ」
「赤ちゃん何だからしゃーない」
「この村の若い女性たちはしばらく子育てママだからハブられても仕方ないと思うけど?」
「ヴァン師匠は娘オーシェ狙ってくるし…鍛えないとな」
「テムルも同じ事を言ってたよ」
「だなテムルの方は変態教皇とロリコン師匠に狙われてるもんな」
「変なのに絡まれてるな~」
「ティルクスにも娘が生まれろ~」
「呪詛流すな、オレはどちらでも良いよ…元気なら…」
「そうかトルヤとリシアも帰るぞ」
「そうね~」
「シオンも寝ちゃったし~」
「4人とも気を付けてな」
「生まれたら連絡宜しく」
騒がしい人たちは帰っていった。
「じいちゃんは床で変なことしてないで座ってろよ」
「ここの人たちって楽しいわ~」
「愉快だよホントに」
「だってイベリスと孫が心配なんだもん!」
「大の大人がもんって…」
「それにしても長いわ」
「産気付いてまだ8時間だからな」
「でもさっきよりティルクス義兄さんも落ち着きが無くなってきてる」
「余裕がなくなってきてるなテ
「生まれたわよ~ティルクス~イベリスちゃんに声掛けて上げてね~」
ガタン!
「行ってくる!」
「ルトラウスさんは~大人しくしてましょうね~?」
「孫!」
「うひゃ!…アリセアさんの背後から般若のお面が見える…!」
「わかりましたか~ルトラウスさ~ん?」
「はい大人しくします…すみませんでした」
◇◇◇
「イベリス!ばあちゃん!」
「ティルクス大きな音と声を出さないんだよ」
「……ティルクス?」
「イベリス…よく頑張ってくれたご苦労様…よく顔を見せてくれ…可愛いな…オレとイベリスの…」
「息子だ…そうです…」
「髪はイベリスと同じか……可愛い」
「そうですか?…私としてはティルクスに似て欲しかったですが……私も後どれだけ共に…」
「ティルクスはしばらく育児に入りなさい…そして家族でたくさんの時を過ごしなさい…私は村の子供たちに生まれたことを伝えてくるからね」
「わかった」
ばあちゃんは出ていった。
「…ティルクス」
「何だ?イベリス」
「そろそろこの子の名前を…親から初めての…贈り物を上げないとです」
「名前はいくつか候補があるんだが…」
「?…なんか…歯切れが悪いですね」
「イベリスたちは皆、花の名前からだろ?」
「そうですが…」
「オレもそれになぞって選んだんだが…候補はキキョウ、ケイトウ、モモ、フジ、サクラ、スモモ、デルフィニウム、ネモフィラ、ガザニア…辺りか」
「花の名になぞらえなくても良いと思いますが」
「そうか?」
「はい」
「…考え直…あっ」
「どうしました?」
「トウリってどうだ」
「トウリですか?」
「この村で習う文字のニホン文字で桃李って漢字があるんだが」
「そうですね…その名前なら少し変わっていますが…響きも良いのですね」
「今日からお前は【トウリ・アシュクラフト】だ…寝てるな」
「豪胆な子になりそうです」
村は空前のベビーブームに入り何時も賑やかな毎日が訪れた。
そして……
◇◇◇
【フォレスト霊峰山】
《星煌めきの丘》
「…ティルクス」
「この事は覚悟は出来てた」
「…でも最後まで姉ちゃん笑ってたわ」
「早いなホントに、何度も見守ってきているが…何度送ってもこれだけは慣れないな」
「ティルクス私たちは先に戻ってるからね?」
「あぁ…行っててくれ」
「ふぅ…イベリスと過ごした5年半はとても楽しかったよ…トウリの事は任せてくれ…じいちゃんたちにして貰ったように愛情いっぱいに育て誤った道を進ませない、暴力反対と言われているが殴ってでも止める。
イベリス…オレの事を待たなくて良いからな、長生きだから逝くのは当分先だ…じいちゃんたちに聞いた長生き組でも天に登る方法も最低でも500年は生きなきゃならないらしい……何か合ったら報告しに来るよ…イベリス愛してる…トウリ行くか」
「あぅ~?」
【私もいつまでも見守ってます、ふたりが笑っていられるように…ティルクス…トウリ…私もあなたたちを愛しています】




