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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
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SS ブラックサンタクロース

皆さんメリークリスマス

またまた約500年前のシルトフォール村


「テムル!今日はサンタが来るぜ!」

「煩いよ…」

「村のクリスマスツリーを見事に飾り付け出来たもんね」

「この木はワイが父ちゃんと一緒に伐採したんだぜ」


そこへ女子たちが一斉に集まってきた。(ラミーはまだ居ない)


「ここにいたのね!」

「サボってないで村のパーティーの準備を手伝いなさいよ」

「おれたちはサンタの正体を探るために作戦会議するんだよ」

「変なことしてるとサニカ婆が言ってた【ブラックサンタ】が来るわよ」

「サニカ婆が怖がらせるために言ってることだろ?」

「別に【サンタクロース】を探らなくても良いじゃない…」

「ミリアは黒いローブを脱げよ」

「嫌よ」

「オルセったらあたしとアリンには気に掛けてくれないのね?」

「アリンとソリンはもうパーティードレス着てるの?」

「そうよ、わたしたちはお揃いのパーティードレスなんだから」

「ハーシュは?」

「ハーシュはマジックの練習してるわよ」

「発表するんだっけ?」

「あんたたちイタズラは止めなさいよ?」

「神聖な夜なんだから」

「そこまではしないよ」

「所でリシアはどこだ?」

「アリセアさんと一緒にクリスマスリース作ってるわよ」

「そういえば…リオウとヒスカとアミリアとマリグリットとテフィアとシーレンスは?」

「その6人組は例の秘密結社ごっこやってるわよ」

「漆黒の~って奴か」

「…何で悪役好きなのって漆黒とか常闇とか使いたがるんだろうね?」

「さぁ?」

「あたしたちと遊んでないからわからないわ」


アリンとソリンはズバッと言いきった。


「…テフィアどうしてそちらがわに…」

「でも去年みたいに悪さしてないよね」

「アイツらクリスマスの後は凄く大人しかったよな」

「それはな【ブラックサンタ】に説教されたからだ」

「ルトラウス爺だ」

「アイツら【ブラックサンタ】に会ったの?」

「そうだ、悪いことをしまくったからな」

「オレたちの所にも来そうだな」

「確かに悪いことしているが…アイツらに比べると可愛いものだぞ?」

「…カッパに対して魔法ぶっぱなしている事も?」

「あれはカッパが悪い」

「ママの化粧品を使ったことは?」

「それは娘っ子なら自然と興味を持つ事だ」

「シルトフォレスト山に生えてる【水結晶の木】を伐った事は?」

「あれはトルヤがやったのか!凄いな!…じゃなかった【水結晶の木】を伐った事は悪いことではない」

「…おれは」

「オルセは村の柵を良く壊すがそれは悪気があってやってるわけじゃないからな」

「ぼくは勉強をサボった事かな」

「カロルは真面目すぎるからな…息抜きは必要だ」


ドッカーーーン!!


「……またやったか」

「懲りないよね」

「仕方ないからお前たちは親元に向かって手伝いしていろ…後処理してくる」

「へーい」


子供たちは素直にルトラウスの言葉通りに親元に向かっていった。



◇◇◇


「…どうしてこうなった」

「テフィアったら…」

「リオウ兄さん…」

「この馬鹿者が」

「アミリアたら…今年のプレゼントはないわね~」

「懲りないわ~」

「はぁ…今年もやったね」

「今年もまた面白いのが見れるかもな」

「バカ孫たちめ」

「どうしてこうなったのかしら?」

「俺の所もそうだマリーナと父よ…カリーナとミリアは真面に育ったのにシーレンスはどうしてああなった…」

「ホントにアホね…母さん今年も来れないのかな?」

「今年もアレが…来る…」


そこには防寒着を着せられす巻きにされた厨に…秘密結社の幹部(笑)たちがクリスマスツリーに飾られていた。


「今年も良い子は早く寝ようね?」

「えぇ~!」

「今年もなの?」

「今日はルトラウス爺とサニカ婆の家にお泊まりしたい!」

「珍しいこと言うな」

「あら泊まりたいの?」

「うん!」

「でも…」

「別に良いぞ?」

「ホントに!」

「何人来るんだ?」


一斉に手を挙げた。


「…10人だね」

「えっ」

「スノア居たんだ…」

「ぼくはずっと君たちと居たよ…」

「…ごめんなさい…スノア兄さんに気付かなかったよ」

「父さんとサニカさんとルトラウスさんがぼくを認知してくれるから別に良いよ」

「お前たちは良いか?」


親たちは仕方ないねとお泊まりの許可をくれた。


「久々にゆっくり過ごすといい」

「ルトラウスさんたち子供たちを頼みました」

「ちゃんと言うことを聞くのですよ~?」

「わかってるよ」

「アレはどうするの?」


「あのまま放置で」と大人たちはいった。


◇◇◇


ルミナレス家…三階の大部屋


「美味しかったな~サニカ婆の手料理」

「ルトラウス爺のデザートも美味しかったわ」

「豪華だったね!」

「パーティーの料理も美味しいけどこっちも美味しいね」

「子供たちは寝る準備出来たかい?」

「うん!」

「お風呂も気持ち良かったです」

「子供たちの笑顔はやはり良いな」

「枕投げは9時までだからね?」

「はーい」

「それと今日は10時までには寝なさいね」

「どうして?」

「恥ずかしがりやなサンタが来るからな」

「何かあったら居間に来なさいね」

「はーい」


こうしてルトラウスたちは居間に向かった。


「……今年も夜なべしてサンタの正体をみるぞ!」

「今年はランタンとお菓子の準備しておいたよ」

「ワイは望遠鏡×5」

「懲りないわね」

「正体を知りたくないのか?」

「あたしサンタの正体知ってるもん」

「えっそうなのか!」

「えっ…あんたたち知らないの?」


女子たちは引いていた。


「男子たちって…まだピュアだったのね…」

「…これ以上言ったら可愛そうね」

「あたしたちは邪魔しないから」

「頑張って正体を知ると良いわね」

「そうね~」

「窓側のキングベット譲るわ…」


ある程度騒いだら部屋の明かりを消し女子たちは皆ひとつのキングベットですやすやと眠った。


『よし…オレたちはサンタが来るのを待とうぜ』

『…そうだね』

『こうするとランタンの明かりを外に漏らさないんだよ』


カロルは黒い燃えない生地をランタンに被せた。


『さすがカロルだな』

『…今何時だろ?』

『時計は持ってきてないよ』

『…雪が降ってきたね』

『こうみると幻想的だな』

『うん』


~数時間後~


「Zzz…」

『…カロル寝たな』

『良い子の寝る時間なんだな』

『規則正しく寝てると習慣で寝るんだな』

『…あっ…クリスマスツリーの所に黒いのが来た!』

『えっ!』


皆でクリスマスツリーの方に望遠鏡を向けたらとんでもないことになっていた。


『…ひっ』

『なんだよアレ』

『サンタが釘バット持ってツリーを攻撃してるぞ』

『アイツら泣いてる』

『読唇術使えないからなにいってるかわからないや』

『…ツリーが!』

『トナカイもなんかパンクなんだけど』

『首輪が…刺々しいヤツ付けてるもんね』

『ギコギコしてるぜ』

『あっ全員気絶した』

『『『『!!』』』』

『ヤバイ!黒いサンタがこっち見たぞ』

『動きがヤバい!速くね!?』


望遠鏡を隠しているうちに黒いサンタがこちらに迫っていたが…ランタンの火が突然消えてカロルの持ってきていた隠れ毛布の中に隠れられた。


『大丈夫?』

『スノアのお陰で助かった…』

『……もうサンタの正体を探るの止めよう』

『…黒いサンタ怖いよ~』


隠れ毛布の中から窓が見えていた…黒い服を着た目が血走っていたサンタが窓をキョロキョロ見ている…そして窓を攻撃しているが何かに守られて攻撃が全て防がれている、すると家の回りをぐるぐると回り始め…諦めたのだろうか少ししたら帰っていった。


「…もう寝よう…アレは夢だ」

「「「「うん」」」」


素直に寝た。



◇◇◇



この出来事でサンタを探らなくなり成人までピュアのまま男子たちはいった。



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