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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
65/555

冷静なキレ方をしたティルクス

《空島ミルキーウェルスト》



「こんなところにひとりで居るなんてね」

「…………」

「君は本当にぶれないね」

「………」


オレの元幼なじみ兼元恋人は男に戻っていた。


「何も喋る気にはならないか」

「「!?」」


濃密な魔力がばあちゃんの家から出ていることに気付いた。


「大司教様が言ってたけど…老害どもはヤバイと言っていたけど…ね!」


オレたちを裏切っていた奴が短剣を向けてこちらに来ていたが、いつもの早さでなく動きが鈍く見えた。


「奥の手その1じいちゃん仕込みの【空気砲】」

「!?…そんな技知らな…」


人差し指に風の魔力を溜め、空気砲を放ち受けた奴は木に叩きつけられていた。


「じいちゃんとばあちゃんの悪口は許さない」

「威力が…」

「良く腹に穴を開けても喋れるな」

「………【ヴァンパイアブラッド】発動…」


みるみる内に穴が塞がっている。


「なんか弱くなったな?」

「…くっ…」

「やはりあなただと勝ち目がないですね…」


そこには前回の時に見たことがある魔神教の関係者が現れた。


「申し訳ありません」

「やはり【観測者】に育てられた者は本当に強いですね」

「てっきりアルーヴさんかバルセイルさんが来ると思ったけどな」

「ふたりは向こうに行ってますが…この様子だとボコられて終わってしまいますね…魔神様の加護を受けさせてと言うのに」

「魔神の加護ねぇ…あんなの信用できるのかよ」

「何ですって?」

「この星の外側に封印されてるのに加護が届くのかよ」

「忌々しい老害のガキ!」

「弱いのは事実だろ魔神もお前たちもな」

「魔神カストルファ様は唯一無二のお方を愚弄するか!」

「魔神様の為とか言ってる癖にどうして【あの儀式】をしないんだ?」

「!…何故それを知っていると言いたいですが…そう言えばあなたは前回の記憶を持っているのでしたね?」


もう冷静さを取り戻しやがったな、あと少しだったのに。


「攻め時ではないですね…挑発に乗るのは止めた方が良さそうです…引きますよミストル、一応ふたりも回収しましょうか?」


逃げるだと?そうはさせん!ばあちゃんとじいちゃん仕込みのプロレス技を食らえ!…【写し身】発動!この時のオレは普段よりにこやかで早かった…オレはもうひとりのオレを作り逃げようとするふたりを植物魔法で引っかけて盛大に転ばせて大司教を本体のオレが【逆エビ固め】を掛け裏切ったアイツには分身を使って【フランケンシュタイナー】を掛け。

フィニッシュ技としてそれぞれに【ジャイアントスイング】を仕掛け空島から追い出してやった。


「サヨナラオレの幼なじみ兼元恋人よ…オレもテムル兄さんが所属している【独身を貫く会】に入会しようかな?…恋愛は懲り懲りだ…じいちゃんたちも終わってるかな」



◇◇◇



「どうして弱体化しているんだ!」

「こっこれでは!」

「くそ親父はもうここの住人じゃないからね!」

「ルトラウス殿たちはソタナらを強化したのを解除しただけじゃ!」


シェリナとイシェーラVSアルーヴとバルセイルのデスマッチが行われカオスな状況をその他の村人は闘技場の観客のように騒ぎ立てながら見ていた。


「イシェーラ!オレと共に!」

「貴様など知らん!貴様の短剣を貴様と共に捨ててやる!これからはわらわとシェリナ!そしてシェザーナと共に生きる!魔神教に入信していたアホに従う訳なかろう!」

「シェリナとイシェーラが…ますます!」

「ボクは…宗教は前世の時に友を変え奪ったから宗教は嫌いじゃい!ボクは無宗教じゃ!コンチクショー!」

「シェリナそろそろ終わりにするぞ!」

「OK!」


「「…この魔神に魂を売った愚か者達にサヨナラを!!【ブロークン・ハート・プロミネンス】!」」と叫びながらふたりを宙に浮かせ爆発させ島から追い出した。


「ミストルと何かの魔力の気配も無くなったな」

「そうみたいだね」

「弱体化して驚いていたみたいだけど、いつまでも強化するわけないだろアホどもめ、魔神は外から来た者ある意味部外者。

この星に生まれた者の方が強いのに決まっている」

「魔神教に堕ちていたなら今まで貸してた力を返して貰うのは当たり前だろ…バルセイルたちよ」

「ルトラ父様が以外とシビアで驚いています」

「バルセイルも可愛かったがな…魔神教はダメだ」

「早めに仕掛けてくれて良かったよ」

「シルトフォレスト山どうしますか?」

「また村を作るよ例え何があろうともね」

「約束…何でしたっけ?」

「そうだね…魔神の心臓が持っていかれる事によって山は本来の力を取り戻すだろうさ」

「あの山は一体何かあるんですか…」

「ヤバイのじゃないから安心しなさいな」

「ルーミリアさん…」

「悪いことではないからね?」

「おばあ様が楽しそうだから何か怖いわ」


そこへティルクスが帰って来た。


「今戻ったよ」

「お帰りなさいティルクス」


じいちゃんたちも無事でよかった。


「ただいま」

「何か異常はあった?」

「特に何もないよ」

「何か変なこととか言われなかった?」

「その辺も特に平気だよ」


ティルクスが非常にスッキリしたと言う表情をしていたので村人全員はほっとしていた。


「ばあちゃん眠くなったから先に帰って寝るわ」

「私が魔法で送るよ」

「頼もうか……な?」

「ティルクス!」


そこからオレは意識がなくなった。




◇◇◇




「サニカさん何かわかりましたか?」

「ティルクスの中の防衛本能が働いたのかも知れないね」

「ティルクスを包むこの水は何かしら?」


ティルクスが倒れた直後に水がティルクスを包み水の中に籠っている状態になっている。


「ティルクスの両親は判明したから」

「本当の両親を見つけたのかサニカ!」

「うん…既に亡くなってしまったけど」

「そうなのか…テスは?」

「知ってるよ」

「そうなんですね…このティルクスを包む水からはとても清らかな魔力を感じます」

「ティルクスの母親は海泡の妖精のハーフらしくてね」

「海泡の妖精のハーフって事はマリンティアの孫か…昔俺とサニカでティスの血脈を調べても見つからなかったはずだが?」

「そこなんだよね…マリンティアは1000年前に愛する女性が亡くなって海の泡となって自然に帰ったよね?」

「マリンティアは【妖精の秘術】を使ったのか?」

「マリンティアも古の妖精のひとりだったから可能性は有るけどね…愛する娘をひとり未来に送るか?」

「小さい頃の妖精は好奇心旺盛でイタズラ好きが多いが成長するに従って自然や愛する者に対して愛情深くなる…サニカは特例でそんな事はないがな」

「悪かったね、淡白で」

「もしかして」

「何か引っかかる事があるのかルーミリア」

「えぇ…1000年前に孤島に暮らしている【師匠様】が空間の実験してなかったかしら?」

「してたな…確か時空間についての研究だったよな?」

「それがバレて【時空維持委員会】に呼び出し食らって怒られてたよね?」

「時々サニカ婆とルトラウス爺が飲み会に誘われてるとても強いヤバい人達がいる所だよな?」

「そうだが…ちと行ってくるか」

「うん」

「ティルクスは動かせないから…カリスは村人全員にここで普段通りにしといてくれと言っておいてくれ」

「わかりました」


◇◇◇


とある次元の狭間 【時空維持委員会本部】


「サニカ殿にルトラウス殿!久し振りでございます!」

「おっ頑張ってるな」

浅黄(あさぎ)は居るか?」

「はい、浅黄なら資料室に」

「私たちが暮らしている星で起きたちょっとした出来事を知りたくてね」

「【観測者】であらせられる方でも観測仕切れないことがあるのですね~」

「俺たちの暮らす星の賢者がやったことだからな」

「あぁ…【賢者モーリン・タリフェルス様】が仕出かしたのですか…」

「ルトラウス、サニカ久しいな飲み会は10年後ですよ」

藍堵(あいと)か調べたい資料があってな」

「なら私がこのまま案内しますよ」

「そう簡単に通していいのか?」

白理(はくり)様がそろそろ来るなと行ってましたから」

「そうか」

「白理も元気そうで」

「突然何し出すかわからないバーサーカーですけどね…」

「お前たちも苦労してるんだな…」


◇◇◇


「来たわね」

「相変わらず部屋汚いな」

「久し振り」

「失礼ねルトラウス…こいつが白理様の同期なんて…見たい資料はこれでしょ」

「流石に早いな」

「当たり前よ、あなたたちのような化け物が数多いてそれが毎日訪問してくるからね」

「さて見るか」


ふたりは資料を開き1000年前の出来事を調べた。


「…これだと話が合うな」

「みたいだね」

「…それにしても時空を歪めるって何よ」

「モーリンならやってのけるだろう」

「悪気がないからね」

「でも白理様に叱られてたみたいね」

「あと赤義(あかぎ)にも釘刺されてるな」

「ひぇ~…赤義さんにもか…いい加減懲りないのかしら?」

「術式オタクなだけだからね」

「そろそろ帰るか」

「そうだ帰る前に白理様と黒司(こくし)様に会ってね」

「わかったよ」


ふたりは【時空維持委員会】のトップふたりに面会した後ふたりは帰って行った。


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