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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
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オルシェルア王国の過去

~35年前~のオルシェルア王国

皇太子の部屋


「ルフェール様どうしたのですか?」

「スイセット…この国はもう駄目かもしれない」

【アタシの事は無視なのね】

「ピプル様は空気ですから…目覚めた変態ですし」

【扱い酷いわねスイセットちゃん…昔野郎から守ってあげたのに】

「ルフェール様もしかして…」

「父上と母上はもう…」

【帝国至高主義者は厄介ねぇ…サニカちゃんも継承の時必ず来て居るのに】

「オルシェルアの問題は俺たち…私たちで解決するようにと初代様が言っていたからね。

オルシェルア王国の【悠久の約束】を使うしかないだろう」

「…オルシェルアを終わらせるのですか?」

「元々帝国だった頃から人々を騙し欺いてきたんだ…もういいだろう。

このアクセサリーがあればどんな人物でも使えるというのに…」

「まぁ…独占していますものね」

【アタシを呼んだって事はアタシに何かしてほしい事があるんでしょ】

「ピプルクルセルもう悪さをしないのか?」

【絶対しないわよ、人間支配してもろくなことないんだもの【ラントエルストア】がとある国王の体を乗っ取って国を運営しているけど…死人みたいだし「やんなきゃ良かった…」って会う度に言うんだもの…】

「その国は面白そうですわ」

「…ピプルクルセル約束してくれ例え私たちに何かあっても必ず実行してくれると」

【それで何をすればいいのよ】

「私では発動しなければ、私の体をくれてやるから初代様が残した秘伝を使いオルシェルア王国に幕を引いてくれ」

【そんな事しなくても良いじゃない】

「ルフェール様わたくしも連れて行ってくださるのですよね?」

「スイセットは生きてくれ」

「嫌です」


スイセットはとても美しい笑顔で断った。


「ルフェール様が居ない世界など興味ありませんわ」

「スイセット…私は」

「婚約者を見捨てるなど言語道断ですよ?」

「私たちはこのまま行けば結婚しいずれは子を儲けるだろう…その子と共に生きていて欲しい」

「嫌ですわ」

「えっこっ断られた…」

「その時が来たら考えれば良いですわ」

【考えなしで実行しちゃ駄目よ…マセガキども】

「最後の方をドスを聞かせた声で言うなピプルクルセル」

【羨ましくないんだから!】

「今さらツンツンしても無駄ですわ」


◇◇◇


【スイセットちゃん!ここから逃げなさい!】

「ピプル様…ルフェール様を頼みました!」

【早く!追っ手が来るわ!】

「わたくしは必ずここに戻ってきます!それまでどうかご無事で…!」

「居たぞ!」

「我らの希望を奪った女を決して逃がすな!」

【体を手に入れたらアタシがたっぷり遊んでやるわ…アタシの友を傷付けた落とし前つけてやるからなぁ~!】

「くっ!逃がしたか!」

「何か寒気が!」

「捜索隊を編成し捕まえに行くぞ!」


◇◇◇


「ルフェール様…いい加減我々と共に歩む未来を考えましょう」

「お前たち…こんなことしたら今度こそ滅ぶぞ…」

「いいえ!わたくしたちは不滅です!滅ぶ事はありません!」

「約束を違えるのか…」

「あんな古びた約束などとっくに終わってます」

「ふぅ…あの制約が古びた約束か…」

「サニカ・ルミナレスは継承の時にしかここに来ませんからね、どうとでも騙せますよ」

「ゲホッ…」

「ルフェール様いい加減参ったと申されたらどうですか?…痛め付けるの嫌いなんですよ」

「そのわりには慣れているみたいだがな」

【アタシのルフェールちゃんを拷問なんて…許さないわ!このムッツリ陰険眼鏡!】

「何か不愉快な物を感じますね…」

「マトルス様!例の女を捕らえました!」

【「!」】

「私としては遅かったですね…」

「ですが我らの希望をどこかに隠されました!」

「おや…あの女も滑稽ですね…隠すとは…吐かすために」

「それが!」

「何かあったのですか?」

「サニカ・ルミナレスが作ったとされる牢屋に引きこもりました!」

「なんですって!あの牢屋に引きこもっただと!首尾はどうしたのだ!!」

【激おこね】

「…ふ…笑わせるな」

「それが我々に隠していた力を使い妖精牢に逃げられました!」

「小賢しい!あの女!いつもいつも私の邪魔を!」

「マトルス様我々に指示を」

「ふぅ…ふぅ…これから私はルフェール様の洗脳に入ります。あなたたちは牢屋を壊す努力をしなさい」

「…ピプルクルセル…時が来たら私の体を…オルシェルアはもう駄目だ息子よ…お前は王族とか気にせず自由に生きてくれ」


◇◇◇


「ピプルクルセル約束通り私の体をくれてやる」

【もういいの?息子さんこちらに向かってきてるわよ】

「わたくしの体も受け取ってくださいな」

「スイセット」

「わたくしもルフェール様と共に行きます」

「ティルクスの為にも…」

「大丈夫ですわ、親代わりの方がわたくしたちの理想通りに育ててくださったみたいですし…今さらあなたの母なのですよとしゃしゃり出るのはちょっと」

【会ってあげなさいよ】

「ルフェール様と行くので良いですわ…親として最低ですが…ここで育つよりは他の方に託して正解でした」

「…ピプルクルセル後は頼んだぞ?」

【あなたたち…最後くらい何か残しなさいよ】

「そうだな……今さら父親ヅラするのは最低だが…お前が生まれた瞬間がこの世で一番の幸福の時であった…お前は自由に生きろ、オルシェルア王国は今日限りで終わる」

「ティルクス…お爺ちゃんになって天命を終えるまでちゃんと生きるのよ」

【えっそれだけなの?】

「今さら父親ヅラはないからな」

「それにこのやり方の方がさっぱりしてるわ」

「「ティルクス、あなたの人生に幸が多からん事を祈っているよ」」




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