各国の王と元村人
世界議会会場
四つの国の王達が集まっていたがとても重い空気を醸し出していた。
「誰の国だ…最初にあの村に手を出した馬鹿が居る国は」
「…すまぬ、妾の国の冒険者じゃ」
「すまぬじゃないわ!何で手を出した!」
「冒険者ギルドで心得叩き込まれるはずなのじゃが…最近の若い冒険者は言うことを聞かんのじゃ」
「どうすんの?ヤバいよ?あの村人たち怒らせたら国滅ぶよ?」
「それどころではない!大陸が滅ぶわ!」
「まぁ落ち着けスヘデクナの王よ」
「落ち着いてられる訳がないであろう!ドルクトスの王よ!」
「手紙の中身は共通してる事が書かれていたであろう?」
各国の国王へ
山に入ってくるのは止めてと50年前に協定結んだよね?何でわからないの? 冒険者の教育出来てる?出来てないとそっちに行っちゃうよ?いいの?
各国の王達は「やべっ来られたら、自分たちより村人が強くなっちゃう、各地で下克上が起きちゃう」と危機感を持ちすぐさま各国の王を集めて会議を開いたのだった。
「どうするのですか?」
「どうするとは?」
「来ちゃうんじゃないの?」
「手紙を最後まで読んだか?」
「えっ何か書いてあったのか」
「なんじゃ、ソナタら見ておらんのか」
追伸
10年間手出ししてこなかったらチャラにしてあげる♥️
賢者ルトラウスより
「……ルトラウス?」
「えっ…賢者ルトラウスって」
「何だお前達は先代国王から聞いていないのか」
「三千年前の人魔竜戦争の生きた英雄じゃ」
「あと剣聖サニカ殿も秘境の村に共に暮らしておるぞ」
「かの有名な剣士だとまだ生きているのか!三千年前の英雄が、カフロルトの女王よソナタは知っていたのか!」
「十三年前に先代女王が秘境の村に嫁いで行ってな、妾が女王になったのはその頃で15の時じゃ、その時に妾はルトラウス殿に傀儡の王にならないよう教育を受けたくらいじゃな」
「僕の所は先代の国王が最悪だったから詳しく聞く前に殺しちゃったからねぇ~僕は子供向けの方しか知らないよ」
「ワシの所はさっさと若い女連れて引退したからそこまで詳しく聞く暇がなかった、先代がよく言ってたのは怒らせたら大陸が滅ぶと口癖の様に言ってたぐらいだ」
「我の場合は剣聖サニカ殿に鍛えられ育てられたぐらいだな…国内を馬車で移動している所を襲われ父上と母上が暗殺され我も殺されかけたがその場所にサニカ殿が通りかかってな…我だけが生き残った」
「かの有名な暗殺事件だね、それに大物の名前ばっかりでるね…羨ましいね~裏には大物が控えているんだから」
「そんなことはない、ある程度終わったらさっさと帰ってしまったからな」
「後ろ楯ではない…気まぐれで鍛えられたものだ…そちらの方が裏でエンシェントドラゴンを控えさせているだろう」
「君の暗部は優秀だね…でも最近変な宗教が出来て、民衆がごっそり持っていかれそうになったけど「漆黒の~」とか変なことを言うから極一部の奴らが宗教に入信したぐらいですんで良かったよ」
「私の所もそうだ…ナエノルト王もそうなのか…「漆黒の~」と言う変な宗教」
「……まさかな」
「……一応探りを入れておくか」
世界会議は恙無く進み秘境の村に手を出せなくするための対策を作り、過去侵入した冒険者と今回侵入した冒険者には厳罰を与え教育し鍛え直した。
そして新しく出来た変な宗教ことドラグニア教を監視し、各地のギルドに秘境の村にだけは何があっても近づくなと厳しく教育するように言いつけた。
一方その頃…ドラグニア教総本山
【世界一高い山 オリスセティエ】
円卓を囲み震えているのが六人居た。
「……何でバレてるんだ?」
「さぁ…」
「かーちゃんにシバかれる」
「兄さんにバレてる」
「姉さんが毒薬飲んでシネって毒薬送った来た」
「爺さんに金槌で殴られる…」
「しばらく動くのは止すか」
「ルトラウス爺さんとサニカ婆さんにシバかれるのはちょっと…」
「レベルドレインされる」
「ドラゴンの欲望を叶えてやろうとしたけどしばらく無理そうだな」
「10年ぐらい我慢すれば良いよ」
「俺達にしたらほんの一瞬だな」
【何がほんの一瞬だ…あぁん?】
六人同時にびっくと反応した。
「ルトラウスじじぃ!」
【誰がじじぃだ、ガキども…】
「なななな…なんで!」
「特定されてる!」
【トカゲどもの欲望を満たす為だと?…なめてんのかコラ?トカゲどもにはサニカがお灸を据えに行った…この世界は俺様たちの物だと言って世界が荒れ、千年続いた世界大戦になったきっかけを作ったトカゲどもだと知ってるだろうが…お前たち(・・・・)には正しい歴史を教えているんだからなぁ】
「俺達が言ってるのは頭の中の設定だぞ」
【トカゲどもはヤル気満々だったが?】
「本気にしてやがるのかよ」
【サニカがトカゲどもにお灸を据えに向かった】
「………エンシェントドラゴンたち終わった」
【お前たちの親兄弟から許可貰ってるから、首取りに行っていい?】
「演技だからなルトラウス爺さん!」
【村に戻ってこいや…皆待っとるぞ】
「戻らない!戻ったら死んでしまう!」
【だったらすぐに畳めその宗教を】
「嫌だ!」
「皆逃げるぞ!それぞれの神殿に逃げろ!」
この六人は蜘蛛の子を散らすごとくそれぞれの神殿に戻って行ったが、目的地に着く前に金槌で殴られたり、毒に侵され死にかけたり、フライパンで殴られたり、口に猛毒の魚を突っ込まれて死にかけていたり、拳骨で殴られ蔓で縛られ吊るされていたり、オタマで殴られて土に埋められたりしてそれぞれの信者に見つかり保護されたのだった。