表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
新生クレイバール島の暮らし
564/569

過去改変計画と改変の始め

【クレイバール島】


《賀実の自宅》


「……ぅ………!」


賀実は1000年後の意識が覚醒し、とんでもない量の記憶が頭に流れ込み重い頭痛となり身悶えた。


頭痛が落ち着ついてから自宅にある壁掛けの時計とカレンダーを見た。



「七月二十日の夜の7時ということは…船旅を終えて蓬が悠珂に私を飲まず食わず状態で3日放置した事の落とし前をしてて譜月が付き添いで付いて私は自宅でひと息着いてた時だね…せめて1時間後には動かないとだね」

「そうですね」


背後からの声に反応し、賀実は椅子から飛び上がり声のする方を向いた。


「早い、10分くらいは待てい」

「何を言ってるのです。こういうのは一人で予定を組むのではなく二人でやるなら二人で計画を立てた方が言いに決まってます」

「それはそうだけどね…まぁいいや、始めましょうか。私と紅凰様が知ってる出来事の整理をしながら」

「はい」

 

賀実は紅凰様とお互いの情報を照らし合わせるなどしながら話し合いをし計画を立て始めた。



やることその1


今日、これから来るであろう偽者の紅凰が現れる場所は特定済み。


偽者の紅凰に関しては逃げられる前提とするがなるべく捕まえる。 


もし追えずに即座に逃げられたら鬼姫と霊園管理の鬼人を確実に捕獲する方にシフトチェンジする。

冥界の鬼人に効果抜群の縄を使い捕縛する協力者として紫蘭(アリア)に捕縛の協力を頼む。


そして紅凰様が最後の最後で言いはなった言葉として、もし追えて鬼ごっこが始まるようなら、なるべく飲むようにと特製の増強水を渡された。




やることその2


島に訪れるであろう…DNA保存機関の組員の捕縛及び、尋問。

これに関してはラブナシカとフリルデーモンに協力をしてもらう。


たぶんだが、これにより玖寿とコナルヴィアが結ばれる事がなくなる可能性が出てくるが、それに関しては修正される事でのタイムパラドクスが起きない様に冥界側が対応するから心配ないと紅凰様が申された。


たぶん家系が増える。




やることその3


【神界】へのカチコミ。


【神界】の神族の中にDNA保存機関のスポンサー及び裏のフィクサーがいる可能性大。

1000年後のルイゼントナー家に絡んでくる理由としてクートを婿入りさせるだけして、DNA保存機関との共存の天使の血を持つ者の実験体にされてた可能性があり、クート以外の実験体確保のため求めてる可能性大。

事実として異世界の重要人物の血筋が神界に行ったりき帰ってこない事があり相談を受けた冥界側が介入したら……的な事があったらしい。


もしそうならクートを保護しに行かなくては。

神界の姫様(跡取りではない)が心の底からにクートに惚れ込み婿にしてるようなら姫様ごと回収する。


たぶんだけど家系が増える。


この件に関しては他の異世界の強者と冥界の使者との合同作業になるそうなので時が満ちたらカチコミするってさ。


…神聖な神界に住まう裏でナニかやらかしてる神族よ、何してるんだか。





その他の細かいことの諸々の修正。


私がこの島に帰還する前に起きたクレイバール学校崩壊事件とかの問題も含まれてるそう。

それ以降は紅凰様も話してくれず、とびきりの笑顔が怖かったです。

私が知らない出来事がここで暮らしててもあるのだね。


まぁ...そういった裏の処理はラブナシカやフリルデーモンさんたちがしてるのだろうけども。


今の私は観測者ではなく、ただの地球出身のクレイバール島に暮らす地球人だから知らなくていいコトですと言われた。









「取り敢えず、こんなものでしょうか」

「ですね…そろそろ活動の時間」

「ではこの【冥界の拘束紐】をお渡ししますので捕縛の方はお願いしますね」

「ガンバリマス…(良く見ると紐に見たことのない文字が刺繍されてる)」

「私はその他諸々の修正に出ます」



賀実と紅凰様は立ち上がるとそれぞれの目的のための準備やらをするために家から出た。









◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【月見里家】


《玄関》


「悪いね。ヴァレンガルド殿、紫蘭」

「いいえ、御構い無く」


ヴァレンガルドは娘を抱いて紫蘭の外出するのを見送るために玄関まで来ていた。


「賀実の生気のない顔を見れば動くよ」

「…それじゃ行こう」

「うん」

「二人とも気を付けるんだぞ」



賀実と紫蘭はヒラヒラと手を振って目的の場所に向かっていった。




【芽吹きの森】


《賀実の秘密の茂み》


「……秘密基地職人の本領が…こんなところに秘密基地があるなんて」

「外の島にもいくつか拠点があるし当然、クレイバール島にも作るさね」

「それで私に渡した紐なんだけど…これ…」

「どこで手に入れたとか聞かないでね。…紫蘭も大体目星つけられるだろうけど」

「……(ここに来るまでにこれからヤることの説明を受けたけれども。これ冥界関連でも秘匿案件の奴では…今回の件は秘匿案件の冥界絡みだから賀実の顔に生気がないのか)」

「さてそろそろ来ると思うんだけど…」


小声で話す二人が茂みに潜み様子を伺っていると転移門が現れそこから三人の鬼人が現れた。

一人は偽者の紅凰で二人目は黄色い鬼人で最後は黒鬼の小鬼姿の鬼姫である。


「…ここが我々の物に」

「そうです。今回の計画が上手く行けばですが」

「なら早くこの山をダンジョン化させようぜ」

「待ちなさい。ここにはフリルデーモンという【天災】の眷属が潜んでます。

慎重にしなければ行けません」

(…まさか本当にこの場所に現れるとは…しかも場所まで正確だ)



紅凰の偽者が懐から箱を出し、何かの種を取り出して地面に植えようとした瞬間を狙って罠を発動させた。


シンプルながらも巨大な木材が茂みから飛び出し紅凰の偽者と霊園管理の鬼人は避けたが鬼姫は背中に直撃して顔から地面にぶつかり身体がピクピクと震えている。

 


「「?!」なっなぜっ!」

「お勤め、ご苦労さん」

「なぜここにっ辺境の魔法使いが?!」

「捕縛しに来たよー」

「その紐は?!なぜ貴様がそんなものを持っている?!」


紅凰の偽者が驚いている隙に二人で一気に距離を詰めようとしたが、霊園管理の鬼人が偽者を押し出し逃がした。


紫蘭は隙を逃さず、紐を使い霊園管理の鬼人の足に紐を絡めた。


「賀実!この鬼人と悶えてる小鬼は私が確保するから偽者の紅凰様を追え!これを抑えないとクレイバール島がヤバイことになるんでしょ!!」



賀実はチラリと紫蘭が霊園管理の鬼人を紐で確保したのを確実にみて言われた通りに偽者の紅凰を追った。


流石は冥界の使者の目を欺き続けた猛者だけはあり、賀実との距離は一定のままだかへばることなく追えている為に賀実は【増強水】を飲まないで鬼ごっこを続けることにした。


戦闘訓練をやっててよかったと思いながら走り続けること一時間。


浜辺にたどり着き一定の距離を保ったままお互いに向かい合った。



「まさか計画がバレてるとは…どこからバレたと言いたいが…冥界から使者が現れたか」

「………」

「だとすれば奥底に封じた本物の紅凰が見つかったか」

「…そもそもなぜこの世界を?」

「そうですね…秘境にある世界であると言うこと、そして【イタズラの神キロイス様】がダンジョンを出現させられるくらいの魔素が潤沢にある世界だからでしょうか…それに戦力を育てるのに持ってこいな場所だと思いませんか?」

「思いません」

「そうですか…話が合いませんね。臆病者と化した者よ」

「…臆病者ねぇ…魔物と戦う以外の争いから離れるのはそんなに行けないことなのかい?

自分等で創った世界だ…どのように過ごそうとも他人であり世界を創造出来ない半端者の集団にとやかく言われる筋合いはないね」


煽り返した瞬間に偽者の紅凰が賀実を目掛けて金棒を持ち出し仕掛けようとしたが、背後に本物の紅凰様がニコニコしながら現れるとお気に入りの血塗られた金棒を手に振りかざし、偽者の紅凰のドタマに直撃するとグチャと嫌な音を立て地面に顔からダイブしその場に倒れた。


偽者の紅凰は瀕死のダメージを受け形を留めておけなくなったのか本来の姿になった。



「タツキ…か…」

「そのようですね。

…旧クレイバール学校を破壊して回収すると決めてキロイスに化けさせた駒を使いつつ私に化けたキロイスが助っ人として現れ助っ人の振りをしつつ、駒にすると決めた者に学校を破壊させて最終的に直接回収した様ですね。

旧クレイバール学校での出来事がどうなったか聞いてますか?」

「ざっくり聞いた話だと食人花となったラブナシカを目覚めさせるのにニュービーの悪魔を生け贄に捧げてラブナシカが再誕。

そしてタツキにダンジョンコアを触れさせて学校が崩れたと聞きました」


すると紅凰様は「チッ」と舌打ちした。


「…本人に直接会って悪魔との融合を解かないとですね。

キロイスの駒がホイホイ入れるのは神聖さを失った【愛の伝道神】も原因のひとつですね」

「……神聖さを失ってたのね…ラブナシカ…気付かなかったよ」

「今の貴女ともう一人(悠珂)は地球人であり人間を止めてないのでしょう?

なら致し方ない事です。融合を解きながら次の工程の話もしてしまいましょう。アレの協力は必須ですので」

「……ひとつ聞いていいですか?」

「何を聞くのでしょう?」

「タコ殴りされてる鬼姫と霊園管理の鬼人をなぜ紅凰様が引きずってるのは…」

「…今回の協力者の元へ細かい諸々の用件を二つほど片付けてから気になったので戻ってきたら鬼姫に逃げられそうになってたので加勢し、捕まえたのでその場で先に捕まえていた鬼人を受け取り協力者には帰ってもらいました」

「……運の悪い奴らよのう」

「そういえば【増強水】を飲みました?」

「飲まずに済んだので飲んでません」

「ちっ(極小)そうですか…残念です」

「(今、聞こえずらい舌打ちしたぞ……いったい何を飲ませるきだったんだこの鬼人は)後で返却します」

「そうしてもらえるとありがたいです。(実験に)使えそうな素体も今しがた手に入りましたから」

「ソウテスカ、ソレハヨカッタデスネ」

「このままアレの元へ向かいましょう」

「はい」



紅凰様はタツキと鬼姫と少し先の未来でダンジョン化させた霊園管理してた鬼人を【冥界の拘束紐】でさらに縛り上げ、敢えて痛め付けるような引きずり方で引きずりラブナシカの元へ賀実を引き連れて向かったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ