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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
新生クレイバール島の暮らし
553/555

1000年後のお話 その昔あったこと

【クレイバール島】


《新クレイバール学校 職員室》


「最近、外からお客さんとか来てるけど迎賓館、作らないの?」



学校関連の資料を整理している賀実とカーウェンと暇だからとやって来た花恵の三人でお茶を飲んでいる所に花恵がポツリと言った。



「この島が作られた当初は迎賓館を兼ねた公民館があったんだけどねぇ…」

「あったんだけどねぇ?」

「…いやー…かなり前、それこそ花恵の祖先の時代にまで遡るけど…ラブナシカが理性を失うほどに興奮しちゃったときがあってね」

「カーウェン、もしかして私が異世界へ行った後に起きた話しだったりする?」

「うん…それも賀実が異世界へ飛ばされたであろう三日後くらいに起きたんだ」

「クレイバール史に書かれてないのは…」

「悠珂と当時の賀実に化けてたアリアとマジェリルカが箝口令をしいたからだよ。でもそろそろ時効って事での話してもいいかなぁ」

「ポツリと言った手前、聞きたいような聞きたくないような…重要なお知らせな気がする」

「そうだねぇ…聞くの怖いなぁ」

「…今よりも2000年以上前の過去になるけどぉ」

「あー」

「聞かせるきだぁ…」









◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




今よりも2000年以上前のクレイバール島



「マジェリルカ!子供たちは宿屋に来客はお前さんの指示通り公民館に避難させたぞ!」

「良くやったわ!ルウカ!」

「カーウェン!ラブはどうなってる?!」

「ダメだ!止められない!ダメだありゃ!」

「諦めるな!カーウェン!」

「そもそもどうしてビーストモードになったのよ?!」

「それがわかんねーんだよ!」



するとそこに宿屋から通信が入った。



『ねぇ!さっきからラブナシカが公民館の近くを四つん這いでうろしてて怖いんだけど!

来賓の方もぶるぶる震えてるし!』

「えぇ…」

『ギャー!ヤバいオカマが!オカマが窓にへばり着いてる!』

『ヒィィイイイ!!』

『タシュケテェエ!』

「もしかしてラブナシカの土直球な好みの輩がその中に居たりしてな」



ルウカの言葉にクレイバール公民館の中にいる来賓が発狂した。



『『『イャァァァ!!』』』

『ラブナシカが忌避している魔法が掛けられてる公民館の中に居れば大丈夫だから騒がない!ルウカも煽らないっ!』

「悪かったよ」

『そもそもビーストモードのラブナシカと意志疎通できそうなの?』

「多分、無理だろ…一通り暴れさせるしかないんじゃねえ?」

「二次被害さえ起こされなきゃ良いんじゃないかしら」

「…マジェリルカもルウカも匙を投げたよ」

「一応は動く…か」

『鎖で縛れないの?』

「始めに縛ったんだけど引きちぎられたのよ」

『あぁ…』

「でも近くまで行こうぜ」

「えぇ」

「まぁ…仕方ないわね(ラブナシカは野郎にしか興味ないから狙われることないから良いわ)」







《クレイバール公民館の近くの林》



「ウヒャヒャヒャ!ダァ~リィ~ン!待ってたわよぉ~マイスイィ~トハァ~トォ~!」

「「ブフォッ」」



ラブナシカは窓にへばり着くのに必死でマジェリルカとルウカが吹き出したのにも気づかないくらいにヤバかった。



「何あれ(ドン引き)」

「アッヒャヒャッ」

「ヒッー!」


マジェリルカとルウカは地面にその場で倒れ伏して地面を叩いている。


「君たちはアレを見て笑える質か」

「だってこっちに被害こないしっ」

「もはやアレは神じゃねぇ!獣だ!」


ラブナシカの行動がさらにエスカレートして遂には公民館の窓から弾かれ地面に墜ちた。

だがビーストモードになっているラブナシカはへこたれなかった。


ラブナシカは四つん這いのまま宙に浮きクレイバール公民館の窓にギリギリまで迫り、窓を覗き来客を見て舌なめずりしてサニカと来客を震え上がらせた。



『うぉお!』

『お母さーーん!』

『助けてーー!』



ラブナシカが窓を開けようとした所に空から降ってきた人物に取り押さえられた。



「コラッ【天災】!うちの所の強者にちゃちゃをいれるんじゃないよ!」

「キィイイイ!離しなさいっアマゾネス!」

「「「誰?」」」

「誰がアマゾネスだコラァアア!!」



するとアマゾネスと呼ばれた人物はラブナシカを掴み振り回し公民館にラブナシカがぶつかるとクレイバール公民館が轟音の破壊音と共に建物が一瞬で半壊し丸見え状態になった。


ラブナシカが渾身の力を使い、アマゾネスさんを振り払おうとしたが、助太刀としてルウカとカーウェンも入り流石に保護下にいる者を傷つけまいとラブナシカも大人しくなった。



「汝らは林で隠れていたようだが…助太刀に来たから不問としてやろう」

「アマゾネス殿は」

「我の事はヒュリと呼ぶが良い。名を名乗る前だったから今のは不問とする」

「…ヒュリ殿はどうしてここに?」

「我が世界の強者が本気の救難信号を出したものでな…しかも始めてだったのもあった」

「「あぁ…」」 

「よりによって汝か」

「貴女の所のだったのね」

「ひとつ聞くが汝らはどうしてこの世界に来たのだ?」

「「「………」」」

「何故に黙っているのだ?」

「理由は簡単よ」

「魔女よ答えてみよ」

「そこの助平どもは豪快な女傑が多い世界の女よりもお淑やかな女を欲して来たみたいよ(笑)

悪いけどここの世界の娘たちを渡すつもりはないから送り返す所だったけども」

「なんだと…それは本当なのか?」

「我が女神よ!そこな魔女の話は全てまやかしですぞ!」

「ならヒュリ様が選んだ【海洋国家の女王】とさっさと結婚しなさいよ」

「なっ!」

「そこの二人もそうよ【炭鉱の山の国の女王】と【砂漠の国の女王】と婚姻を結びなさいよ。

三人してヒュリ様が選んだ女傑な婚約者がいるのだから。

差別と言われても批判されようとも言うわ。

女には適齢期があって世継ぎを絶対に生まなきゃならないその婚約者様たちの適齢期がぎちゃうわよ?」



さっきまでラブナシカにあてられ震えていた三人組はヒュリ様を見て顔を青くしていた。



「ほぉ…そこまで見えるのならば汝は本物じゃ。まさかこやつら独身時代最後の思い出にと異世界旅を許したが…我が決めた結婚を避けるために旅をしていたのならば……」

「決してそんなことで旅などしておらませぬ!」

「ならここで婚姻を結べや」

「「「え」」」

「ちょうど愛の伝道神がいるし、仲人をしたお前たちの世界の女神サマも居ることだしな」


ルウカかとてつもない程の良い笑顔で指パッチンするとヒュリ様の世界の【海洋国家の女王】【炭鉱の山の国の女王】【砂漠の国の女王】がルウカの開いたゲートから現れた。



「オレ見たいな優秀な魔術師ならチョチョイのチョイだぜ」

「な"」

「お淑やかな娘を探してなど居ないのだろう?

ならそろそろ独身時代のお遊びは終わりと言うことでそろそろ世継ぎを生むのにギリギリになる前に…な?」



するとそれぞれの女王は三人に対して冷たい目線を送った。



「わたくしたちの年齢を考えずに遊び呆けるとは良い度胸ですわね」

「おっ俺たちは遊び終えたら適齢期の時代に戻…ひぃっ!」

「貴様ら!さんざん遊び終えたら適齢期の時代に戻るとは何事だ!その時代に戻れば良いと考えていたなら甚だしいし、烏滸がましい!!」

「ひょえっ」

「それまで放置されてきたアタシらはどうなる?!バカにするのもいい加減に!!」

「各国の女王よ落ち着け」

「「「……っ」」」

「まさか…お主らさんざん遊び終えてから適齢期の時代に戻れば良いと思っておったのか?」


強者三人はうつむき黙ったままである。


「…ハァー…女王たちよすまぬな。我の神託により汝らの一番良い時を奪ってしまったようだ…そしてこの様子だと既に童貞ではなさそうだな…」 

「童貞じゃなきゃいけないことでもあったのか?」

「あぁ、異世界から勇者召喚したバカな国があったのだが…その勇者が性病持ちだった事で性病が広がり人類の半数亡くなってな。


そこの三人の女王の国だけは普段の暮らしが過酷ゆえに勇者が立ち寄ることもなく病持ちの商人なども病持ち故にたどり着くことなく入ることがなかったから何も憂いがない国なのだ。


だからこそ貞操概念がとても厳しい世界となった…そこの三人は三国の外の者で病持ち出ないからこそ伴侶として選んだと言うのにっ」

「それでどうするんです?病持ちではないのはこの世界に居られるって事で証明になってるわ」

「だろうな…そうさなぁ…待たされた三人の女王に任せる」



三人の女王はヒュリ様に判断を任された瞬間にそれぞれ動いた。



 








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




現在の【クレイバール島】


《新クレイバール学校 職員室》



「それで結局どうなったの?」

「三人の女王はそれぞれ三人をボコしてから女神様とラブナシカに力を取り上げさせて婿にした」

「君はそれを見てたのか」

「そうだよ…アレは色々とすごかったよ」

「三人の女王様は良くボコれたね」

「三人ともとても逞しい益荒男のような方でね」

「おうふ……ムキムキな女王様でしたか」

「まぁ…その世界の主神様がアマゾネスと呼ばれてるくらいだから。

その出来事でクレイバール公民館が壊れてそのままなくなったんだ…直さなかったんだ」

「だいたいそのくらいか【大海と島々から連なる世界】…この世界が鎖国状態になったから直す必要ないとなったね」

「……なんか胸焼けしそう…山本先生、帰るね」

「気をつけて帰るんだよ?」

「はい」


花恵は帰っていった。


「さて、資料のまとめも完成したし私も帰るとしようかな…カーウェンはどうする?」

「僕はもう少しここで過ごしてから帰るとするよ」

「それじゃ戸締まりよろしくね」

「うん」



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