1000年後のお話 夏祭りだ!終わり。
【クレイバール島】
《夏祭り会場》
ドンドンと太鼓を叩いているリュウラとミズキとラークスはフリルデーモンたちが出している屋台のお手伝いをしている花恵とミトミとヴィアンヌに念話で声掛けをしていた。
『なぁ、そっちの様子はどうだ?』
『特に問題はないよ』
『はぁ…ようやく夏祭りが終わる曲に入ったわ』
『そうじゃな。それで【例の輩】たちはそっちに来てないかの?』
『残念ながらメインの模擬店であるフリルちゃんたちの所にもやっぱり来てないわ』
『…【例の輩】たちに対して【四季・永劫回帰】が斬撃を執拗なくらい容赦なく放ってるから来なくなったんじゃない?』
『来なくなったらないいんだけど【例の輩】たちの動向を知りたくて毎年サボって模擬店や太鼓叩くのをやってたけどなぁ』
『……玖穏が夏祭りに出なくなった要因でもあるし、大人たちは決して関わるなと言われたわ』
『理由も教えてもらえず納得が行かず【子供だけで要因を取り除く隊】を結成したけどもまだ一度も解決したことないからのう…』
『もしかしたらギリギリでくるかもだからな、気を引きしめて最後までやるぞ!』
『『『『『『おー!』』』』』』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【クレイバール島】
《祭り会場 案内所》
「うふふ、相変わらずサボった罰として模擬店や太鼓叩く役をやってる子達は【鬼姫ちゃんの血族】を狙っているお馬鹿さんを探してアタシたちにバレないように探っているのね」
「隙を見てキョロキョロしてるの可愛いわよ♡」
「ここに来れる強者たちは諸事情は知ってるから子供らしい注意散漫なキョロキョロを見て微笑ましそうに見てるのもチラホラ居るものね」
「それで奴は?」
「祭り会場やクレイバール島の島民限定の宴会場にの近くを通った気配はないわ」
「でも島の子供たち大好きな【四季・永劫回帰】が斬撃を執拗なくらい出してたから居るはずなのだけれども」
「鬼姫ちゃんも一応は警戒してると思うけど…配置しておく?」
「ううん、鬼姫ちゃんに連絡入れた時に配置しなくていいって言われたから大丈夫よ」
「あらそうなのね」
「「こちらに気を遣うな。祭りを楽しんで欲しい」とも言ってたわよ」
「もう、気を使わなくていいのに。島ひとつで家族なんだから♡」
「でもそうねぇ。何かやらかさないかの警戒や見回りをしてて忙しいから助かるわ」
フリルデーモンたちが話し込んでいるとクレイバール島の夏祭りにやってきていた強者が訪ねてきた。
「すまないが友人と迷子になったのだが…」
「あらあらそうなの?それで顔写真とかあるかしら?場合によっては裏に連れ込まれてる可能性あるから確認としてわかるものがあると良いのだけれども」
「それならコイツなんだが」
「確認するから少しま「あっ彼なら裏に連れて行かれてたわよ?」
「「え」」
「何でも何人かで待ち合わせしててクレイバール島の島民限定の宴会場に侵入して未成年と女性陣をナンパしたらしいわ」
対応していた友人を探していた強者はナンパしたらしい友人になにやってんだと思った。
「ナニしてんだアイツはっ…珍しく誘いに乗ったと思ったらっ」
「まぁまぁ、落ち着きなさいな。もう裏に連れ込まれてるのよね?」
「えぇ、ナンパした瞬間に男性陣からそれぞれ瞬時に格闘技を喰らわされて巡回してたフリルたちに連行されていったそうよ」
「……はぁ…」
「まぁ、気を落とさずにね」
「アイツとは連れ帰った瞬間に縁を切ってやる。…迷惑をかけた」
「毎年ある事でまだ被害は出てないから貴方に責任を追及はないけども来年からは気を付けるのよ?」
「あぁ」
「夏祭り楽しんでね☆」
強者は無表情で案内所から離れていった。
「エクソシスト、退魔師といった子達も来てるけど今年は喧嘩を吹っ掛けてこないわね」
「共存共栄してるの知ってるから手を出してこないのよね…昔は見かけてすぐに吹っ掛けて来た血の気の多い子達がいたのに」
フリルデーモンたちの言葉に近くにいた強者たちは心のなかで「ここの悪魔どもは悪魔らしからぬ誠実で正しい生活しかしてないし、極悪非道な事をしてないから下手に手出しできないんだよ」と思った。
「あら、そろそろ交代の時間ね」
「ホントだわ」
ド派手なサンバの衣装を来たフリルデーモンたちがやって来た。
「交代の時間よ~!」
「相変わらずド派手ね」
「目立つし、悪いことしようとしてる子にこの衣装で迫ってメッてすると効くのよ~」
「でしょうねえ」
それを聞いていた強者たちはガチムチかつぱっつんぱっつんのサンバの衣装をチラッとみてブルッとした。
「アンタ、その衣装のままだとはじめてきてる子が怖がって案内所に近づけないから着替えなさいよ?」
「大丈夫よ、着替えるわよ」
「それじゃ行ってくるわね~」
「いってらっしゃい~」
フリルデーモンは一瞬で普段のフリル付きのお気に入りの服に着替え案内所の席に座った。
「うふふふ、次のかたどうぞ?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【クレイバール霊園ダンジョン前】
《鬼人の住まう邸宅の居間》
「…………ふぅ、今年も来たわね。どうやって侵入するのかしら?フリルたちの目を掻い潜るなんてホントにそこだけは敵ながら天晴れね」
『……僕も共に表に』
「でなくて良いわ、ゆっくりしていって。どうせ既に大智の作った罠や【四季・永劫回帰】の斬撃で満身創痍でしょうからに」
『え』
すると鬼姫は縁側の襖をピシャと開けると庭に満身創痍状態の麗人がプルプルしていた。
「やっやぁ…鬼姫」
「なにしに来やがったのかしら?」
「我が半身をいただ『絶対に婿になどやらん!ここは恋愛結婚推進です!』
プルプルしている麗人は突然起きたポルターガイスト攻撃を受けその場で一瞬で宙に浮きグルングルンと二回転してドサッと地面に叩きつけられたのを見た鬼姫は笑いを堪えた。
「ぉ"ぉお…我が半身の祖先の技…見事なりっ…!」
『見事なりじゃねぇわ。……この感じ…コイツ竜族でしょうか』
「隙あり!!」
鬼姫が笑いを堪えている隙をついて玖穏の魔力がある場所を開いた瞬間に右頬に音もでない重いビンタを喰らって庭まで吹き飛ばされた。
「鬼姫、異世界のお偉いさんの前で笑いを堪えるのは偉いけども、こういった異世界のお偉いさんの皮を被った変態は絶対にやらかすから警戒しなさい。
ここに来孫が居なくてもね」
「…はい、ごめんなさい」
『流石、賀実ですね』
「貴様はっ」
「変態が侵入したと知らせが入ってね。
クレイバール島の島民限定の宴会場に入ろうとしたけど心配になってここに潜伏させてもらってたんだ。
さっきも言ったけどここに貴殿が狙ってる子は居ないよ」
「なに?!」
「追放印が押されてるのにどうやって侵入してくるやら。
地球の私立の学校もそうだけどなぜか警備員が居ても変質者って侵入してくるよね」
『そうですね。
妻から話は聞いてましたが、本当に来孫が狙われてるとは…しかも竜人族ですか』
「油断も隙もないわ」
「異世界では偉い立場なのでしょうけども、ここでは貴殿はただのペドの変質者兼変態です。
さっさと帰ってください」
「嫌じゃ!」
すると変質者はその場で竜に姿を変えようとしたが悠珂によってドロップキックを捩じ込まれ変身が出来ずに転げた。
「間に合ったな!」
「ちっ」
「舌打ちしたってことは鬼姫はまだ伝家の宝刀の金棒は使ってないな」
『悠珂も相変わらずですね』
「おう玖瑶、久しいな。それと悪いな、お前の来孫がクレイバール島の夏祭りを解放するとオレとラブで言った事でペドの変態に狙われるようになっちまったからな」
『僕の来孫含め友人たちのひ孫たちもちゃんと守ってくれてるなら誰も責めませんよ』
「そうだと良いんだがな。フリル!ヤれ!」
「は~い」と返事をしたフリルデーモン2体が現れ悠珂のドロップキックを喰らってピクピクしている変態を亀甲縛りしてさらに縛り上げた。
「それでこの竜人さんどうするの?」
「一応、異世界のお偉いさんの系譜だから案内所の迷子センターに持っていって親戚の迎えが来るまで放置で良いよ」
「それまで色々して良いぞ。迷惑行為したらフリルたちが一線を越えるギリギリまで責めていいという許可をコイツの本家筋の親族から貰っている」
「「えっ?!」良いの!?」
「コイツ以外の親族もやらかして【番を求める犯罪者共を許さないの会】に世話になってるからこれ以上親族がやらかすなら番関連を使えないように処置するぞと異世界の神族含めた連盟で言われてるからな」
『うわぁ…』
「それじゃ運ぶわよっ」
「そ~れ!」
エッホエッホとフリルデーモンたちの力業によってドナドナされていった。
「それで玖穏はどこにいるんだ?」
「それは秘密」
「えー」
「夏祭りが終わった明日から会えるから」
『「敵を騙すならまずは味方から」と言う奴です』
「まぁそうだな…隠し場所に関しては少人数の方が良いのか」
「玖穏は確実に安全な場所に居るから安心してなよ」
「ふーん。鬼姫はどうする?」
「ワタシはここで過ごすわ。玖瑶とギリギリまで過ごしたいから」
「そうか、ならオレと賀実はクレイバール島の島民限定の宴会場に行くぞ」
『楽しんで』
「おう、また来年も来るんだろうからな。またな」
「また来年」
『はい、また来年』
それだけ挨拶を交わすとクレイバール島の島民限定の宴会場へ悠珂と賀実は向かっていった。
『相変わらず、元気そうで良かったです』
「玖瑶の育ての親ですものね」
『ですね』
「それにしても良く来れるようになったわね」
『貴女の世界の長様から許可をとり貴女が天命を終えるまで眷属にして貰い、お盆の時期だけでもこの世界に戻る許可を得たのですよ。
天命を終えて初お盆の時以来の再会ですからかなりの時間がかかったようですが』
「そうね」
『貴女が天命を終えるまで待ってますよ』
「うふふふ…それだとかなり永い時を眷属として過ごしそうね。…もし眷属の役目が辛くなったらワタシの事を気にせず転生の環へ行っても良いのだからね?」
『善処します』
この後は特に何事も起こることなく無事に盆踊りを踊り、この世界に訪れていた異世界の強者たちが全員帰還したのを確認して今日でたゴミを燃やしたキャンプファイアの周りで輪になって最後のフォークダンスを踊りこの日を終えたのであった。
リジエト・サイフォンス・ルイゼントナー
種族 人間(ミックスブラッドの長命種)
性別 ♂
現在 37
職業 鍛冶屋の店主
一人称 オレ
家族構成 妻と息子
クレイバール島の鍛冶屋の店主
妻シュティルマとの出会いは賀実の素材集めの旅に同行したときにとある異世界のとある国に滞在していたときにその国で武道大会が開かれていて、その優勝賞品であった【緋色のアダマンタイト】をGETするために出場し決勝戦で武器を使わずに格闘技だけで勝った。
決勝戦の相手が男装したその国の唯一の姫であり末姫だったシュティルマだった。
シュティルマに惚れ込まれたリジエトは危機感を察知して賀実と優勝賞品を抱えてさっさとトンズラこいたが最後の採取現場でシュティルマと従者に見つかり問答無用でシュティルマの国に連行されてシュティルマの両親と五人の兄たちと勝負させられて、結婚なんてまだしないと不正して負けようとしたが賀実が乱入して全員〆て勝ってしまった事でシュティルマはリジエトの押し掛け女房となった。
最初は程よい距離でなどのルールをお互いで作りお互いを知るための生活をしてから2年後に正式にリジエトの方からプロポーズして婚姻を結んだ。
シュティルマ・ドラネット・サイフォンス
種族 ドラゴノイド(上位種)
性別 ♀
現在 127
職業 主婦しながら時々魔物狩りに参加する女傑
一人称 妾
家族構成 最愛の夫と愛息子
クレイバール島の鍛冶屋店主の妻
元はドラネット竜王国の六人兄妹の唯一の姫で末姫だった。
自国で武道大会が開催された時に兄達と両親に内緒で参加していたが決勝戦で武器を使わずに格闘技だけで向かってきたリジエトに対してあんまり良い印象はなかった。
ドラゴノイドである自分が武器を持たない人間に負けるとは思っておらず徹底的に負けた時に「妾の夫はコイツ以外いない!」と惚れ込み迫ろうとしたが、その時には既に逃走していたリジエトを従者を連れて追って最終的に捕縛に成功し両親と兄達に認めて貰うために話を着けようとしたがひと悶着あり勝負することになった。
本気を出さないリジエトに対して「妾…好かれてない…」と自覚しそうになったが、観戦していた賀実にちょっかいを兄が加え蓬がキレかけた事で賀実が大惨事が起きないように介入した事で押し掛け女房になれた?
押し掛け女房となったがクレイバール島の生活するのに甘やかされた末姫だから苦労すると思われたが2年の時間を掛けて順応しリジエトを驚かせた。
そしてクレイバール島に骨を埋めると言いきった日にリジエトにプロポーズされて結婚した。
時々、クレイバール自警団と共にクレイバール島を脅かす魔物狩りを行っている。
ロニセラ・ベジヴィヴァン
種族 ドライアド
性別 ♀
現在 37
職業 農家兼業の牧場主
一人称 わたし
家族構成 夫と娘
クレイバール島の生活を支える農家兼業の牧場主
夫メルスとの出会いは賀実と譜月と共に食い倒れの旅をしていた時に聖者が国の代表をしている聖王国に立ちよった時に魔物狩りにあって逃走生活が始まり(聖王の刻印をくらい期間転移が使えなくなった事で)しばし追われる身となりその追手の中にメルスはいた。
だんだんと追いかけっこに飽きてこの世界の料理を食べ尽くした事でそろそろ刻印を解かせに行きますかと聖王国にカチコミした。
聖王の色欲による理由で刻印を付けられたのに呆れていたが、メルスのツッコミを聞いて笑いを堪えていたがメルスが刻印を解いて聖王に歯向かった事で反逆者となったのを見て一旦クレイバール島へ連れて帰ろうとメルスを連れ去った。
話し合いの末にメルスを聖王の居ない過去の時代に送ることになったが送るにも時間がかかるとクレイバール島で暮らし馴染んでるメルスを見て「強い人ね~」と言っていた。
いつの間にかメルスに惚れられプロポーズされた時は少し驚き、話し合いをして一歩も引かないメルスに本当に婿に来るのねと確認をとりそれでも良いならとプロポーズを受けた。
毎日仕事を終えて家に帰るとメルス自身が花畑の一部を借りて育てている花を渡されてるそうである。
メルス・サクトムル・ベジヴィヴァン
種族 人間
性別 ♂
現在 35
職業 クレイバール島の教会の管理しながら牧場の手伝いをしている。
一人称 私
家族構成 最愛の妻と愛娘
元はとある世界の高位の司祭だった。
魔物認定され刻印を刻まれたロニセラを連れて逃走していた賀実の捕縛を任務としていたが、どれだけ追おうとしてもロニセラと賀実の作り出す罠やカラクリにしてやれ悔しい思いをしていた。
だがいい加減帰りたいなとなった三人(特にロニセラと譜月)が聖王の元に刻印を解かせるためにカチコミに向かいそこでようやくご対面しロニセラをみた瞬間に「どっからどう見ても人間じゃねえか」とくそ真面目だったメルスがツッコミを入れて驚いている隙をみて賀実が自白剤を聖王に飲ませ刻印を入れた理由を喋らせた。
そうしたら聖王が譜月に惚れ込みついでに傾国レベルの美女だったロニセラもあわよくば妾として手に入れようとしたからで追手として動き、一番若かったメルスが聖王に対して「こんの性王が!既に己には妻子がいるだろうが!己の下の世話をするための組織ではないわ!」とガチキレしてロニセラに施された刻印をメルスが解いた。
その事で反逆者となり賀実と譜月とロニセラがクレイバール島への転移する時に引きずり込んだ。
ひとまず話し合いをして本来ならメルスを聖王が居ない過去の時代に送るという話が纏まったが、過去の時代に送るのに準備が必要とし、暫しの間クレイバール島で生活をしてフリルデーモンとの共存共栄を見てカルチャーショックを受けたが若く考え方が柔軟だったのか普通に馴染んだ。
メルスがクレイバール島での生活するのに気がかりだったので交流を持っていたロニセラと賀実との交流を深めていたがロニセラにいつの間にか心引かれメルスの方から共に生きていきたいから妻になって欲しいと牧場の手伝いをしているときにプロポーズしていた。
今はクレイバール島にある教会の管理しながら自身の信仰する神にお祈りし(ラブナシカから許可を得ている)牧場の手伝いをして可愛い娘にも恵まれとても満たされ人生何が起きるかわからないもんだなとのことです。




