1000年後のお話 夏祭りだ!その3
【クレイバール】
《クレイバール中央区 祭り会場 宴会場》
「良い呑みっぷりだなぁ!流石は鬼人だな!」
「大智の姐さんもな!」
若い鬼人たちの席に座って酒を多量に摂取している幼馴染みをドン引いた表情で見ている郁朔は自身の隣に座ってる幼馴染みの旦那に声をかけた。
※大智さんはアルコールをいくら呑んでも大丈夫なように体が作られてるのでご心配なく、皆さんは決して真似しないでね☆
嗜む程度にしとこうね☆
「マカ、大智がやらかす前に回収してくれよな」
「ワッハハ、そこは大丈夫。ワイがちゃんと見張ってるからさ。前は子供たちが居たところでやらかす手前ヒヤヒヤしたからよう」
「俺もヒヤヒヤした」
「…マカはなんでここにいる?お囃子のために舞台上に上がると聞いていたが?」
「今年も花恵を含む数人がクレイバール神社の集まりをサボったらしくてね…サボった罰として交代させられたんだよう」
花恵の父であるマカ・イトカはきゅっとした表情になった。
「それでか」
「だからワイら花屋の夫婦は花飾りとかが終わって自由行動が許されちゃったからね…酒呑みするとフリルのオネェさんたちに聞いたからフラフラしてて異世界の方々に絡まれるのも面倒だから夫婦共々来たって訳さ。
でも流石にタダ呑みするわけにはいかないからワイらも菊酒とか持ってきたよー」
「ここの花屋の造る菊酒は本当に美味しい…」
「あとエディブルフラワーを使った前菜やデザートも大量に持ってきたから食べてね」
「…悪いな。もしかしたら屋台でツマミとか買い足さないとと思ってたんだが…助かった」
「どういたしまして」
六月一日夫婦と花恵の父が話し込んでいるとさらなる二組の夫婦がやってきた。
「…大智とマカさんもやっぱり来てたか」
「おーマイフレンドたちも来たんだな」
「マイフレンドって言い方はどうなからないかい?」
「ワッハハ、相変わらずウルリカは手厳しいね」
「マカさんは相変わらず陽キャだな」
「ふふ…この流もここに来てから変わらないのがほっとしますわね」
「…郁朔、酒呑みするって聞いたからオイラたちからも追加の酒と食い物持ってきたぞ」
「ありがとう。食べ物と酒は」
「あの多量にお酒と食べ物が置いてある場所に置けば良いのですよね?」
「そうだが」
郁朔は大量の大荷物をヒョイっと軽々と持ち上げ運ぶ呉服店に嫁いできたハーフリンクの女性を見て「相変わらずスゲー」と内心思った。
「ユチェリカ、オイラにも手伝わせておくれ」
「なら糸徹さんは食べ物を運んでください」
「重たい飲料…」
「落とされたくないので却下ですわ」
「はい…食べ物を運びます…」
「ふふふ……アタイらも運ぶとしますか」
「そうしよう」
新たにやってきた二組の夫婦によりさらに大量の酒と食い物が増えた。
クレイバール島の大人たちは懐かしい子供の頃の話をしていたが、いつの間にか自身の子供たちの話になっていた。
「全く、どうしてこうも娘たちは大人の言うことを聞かないかねー」
「ホント…ミズキの反抗期早くない?って思うことが多くて…山本先生曰くウルリカたちの時は手を焼かなかったって話しだし」
「だから鍛冶やんからは面白味のない世代と言われてたけどなぁ」
「それを言いはなった瞬間に山本先生とラブ校長からほぼ同時にピコハン喰らってたぞ」
「なんとなくですが思い浮かびます」
「郁朔~糸徹~どうしたらお前たちの子供たちの用に素直に育つんだよ~」
「…サボってるだけでミズキちゃんたちまだまだ可愛いもんだと思うんだが。廸真、そればかりは生まれ持った性質としか言いようがないと思うんだが?」
「外の世界の子供たちも最近クソ生意気なのが増えてるからなぁ…この島の子供たちはまだまだ可愛いもんだぞ?この間、酒とか買いに地球に行ったけど大荷物を持って道を歩いていたらすれ違った小学生高学年の子に舌打ちされたんだけど」
「えっ」
「さらにあの人大荷物持ってるとかクスクス小馬鹿にされたしな」
「なんで大荷物を持って道を歩いてるだけでそうなるの」
「最近の地球は自身で買い出しにいかないでネット注文とかしてるからかもしれないね」
「なんだかなぁ…まだサボるだけマシなのか?」
「…それとこれとは別な気がしなくないような」
「子供たちの将来とかは親がとやかくいっても仕方ありませんからね…」
「まぁ、なるようにしかならん、以上!」
郁朔の妻である諧音が「これ以上の話は無用」と話をぶった切った。
「ぶった切った…まぁ考えるだけ取り越し苦労か」
「そうだ、子供たちはバカじゃない。サボった分の勉強やらはちゃんと山本先生とラブ校長が見つけ次第、単位を取らせてるからな」
「そうだな…」
するとどこからかクレイバール島の子供たちにしか聞こえない笛の音が聞こえた。
「…これは」
「もしかして何かあったのですか?」
「緊急事態ではないけど気を付けろの音だね」
鬼人の若い衆と共に酒を多量に呑んでいた大智たちの方から「「「「「「「「あっ」」」」」」」」という声を聞き話し込んでいた目線を大智たちの方に向けてから大智たちが見ている方向に目線を向けると竜巻が移動することなくその場所限定で起きていた。
「たっ竜巻だー!」
「あの竜巻はベラが起こしたやつだなw」
「……また例の親戚の方でしょうか?」
「たぶんな。普段なら竜巻は起こさないし」
「本当に懲りない奴らだな」
「あっラブ校長先生が飛んでいった」
「終わったなベラの遠い親戚wあっ郁朔の遠い親戚でもあったな」
「六月一日家のことは昔から存在そのものを無視されてるから関係ないが?」
「あからさまだなぁ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【クレイバール島】
《中心街 出店フロア》
「……ルミルチル、子供たち大丈夫ですか?」
「大丈夫ですわ、お母様」
「大丈夫…ベラリエルさんの遠い親戚さん本当に懲りないわね」
「ホントですよ…もし絡まれたらヤって良いと言われてたので吹き飛ばしちゃいました♪
お客様の皆様、お騒がせして申し訳ないです」
クレイバール島にやって来ていた異界の旅人たちは苦笑いしながら通りすぎていったが、特に気にせず祭り会場の賑やかさが戻った。
「ベラリエル!大丈夫なの?!」
「あっラブ校長先生、お騒がせして申し訳ないです。遠い親戚さんは吹き飛ばしちゃいました」
「危害とかは?」
「娘を庇ったヘリオトープが怪我をしたので治しておきました…」
「えっ!?…それで輩は何をしたの?」
「わたしが無理ならとルミルチルを拐おうとしたのを庇ってくれたヘリオトープに怪我を負わせたのでわたしが一発ビンタ噛ましてから森の方へ吹き飛ばしました」
「……全く…今後一切、立ち入り禁止ね。ヘリオトープもルミルチルも大丈夫?」
「大丈夫よ。怪我をしたといっても腕を強く捕まれたくらいだから」
「ヘリオ…」
「そういえばヴィクトールは?」
「ヴィルなら星明かりの森に吹き飛ばした人を追って飛び出しましたよ」
「あら?」
「遠い親戚は今頃、ヴィルとフリルさんたちから尋問されてると思います」
「アタシの出番なさそうねぇ…でもアタシの追放印をつけないとだし様子を見に行くわ」
「そうしてあげてください」
「ヘリオトープもルミルチルも本当に大丈夫なのね?」
「「大丈夫」」
「絡まれたり面倒だなと思ったらクレイバールの島民限定の宴会場に鬼人の若い衆と郁朔たちが集まってるからそっちに行きなさい」
「わかりました」
「それじゃね」
ラブナシカは問題を起こした輩が集められる【星明かりの森】に向かっていった。
土屋 大智
種族 人間(ミックスブラッドの長命種)
性別 ♀(本来は♂だった)
現在 37
職業 花屋の店主
一人称 オレ
家族構成 夫と息子
クレイバール島の花屋さん
元々は男だったが祖先の男児が100年に一度生まれるか生まれないかの種族の血の作用が突如として現れ性別が変わり女性化した。
マカ・イトカとの出会いは賀実の世界の自然公園観光に付き合っている時に当時ガイドをやっていたマカ・イトカに出会い頭に「結婚を前提にお付き合いして欲しい」と突然告白されたが断った。
潔くお断りされたのを受け入れてからはガイドに徹していたマカ・イトカの観察をしていた。
最終日に問題が起きたがなんとかなり自然公園観光を終えてからまた告白され受け入れた。
告白を受け入れたのは植物の知識量やネイティブ・アメリカンの自然との向き合いかたに引かれたからだそうです。
マカ・イトカ・ムクハ・土屋
種族 地球人 ネイティブ・アメリカン
性別 ♂
現在 42
職業 花園の管理人or 植物博士
一人称 ワイ
家族構成 最愛の伴侶と息子
クレイバール島の花園の管理人であり植物博士。
賀実のアメリカ自然公園観光に同行していた大智に一目惚れして出会い頭に告白したが断られ潔く引いてガイドに徹した。
最終日に横暴な輩に絡まれ大智が自然公園で迷子になってしまったが逞しく自然に馴染んで過ごしていた大智を見てさらに惚れ込んだ、ちょうど二人しか居ない時に男だったとも言われたが、惚れ込んだ事がぶれることはなかった。
最終日にもう一度告白したら受け入れられかなり有頂天になり賀実に窘められた。
糸徹・N・善和
種族 人間(ミックスブラッドの長命種)
性別 ♂
現在 37
職業 呉服店の店主
一人称 オイラ
家族構成 愛妻と息子
クレイバール島の呉服店の店主。
妻ユチェリンカとの出会いは悠珂と武者修行の旅に出たときに【とある世界】の戦場でどっちにつくか決めかねていた時に男に混じって軍を指揮していたユチェリンカを見て一目惚れ。
ユチェリンカの軍に傭兵として入ったの見て悠珂はニヤニヤしていたが、ユチェリンカの軍がかなり疲弊していたのを見て押されてるし、どうしたものかと思っていたら調子に乗った糸徹がヒャッハーして戦場を荒らしに荒らし有耶無耶になって継承戦争が収まってしまった。
傭兵としてユチェリンカの国に留まり5年後には傭兵から近衛騎士に成り上がり「色ボケ近衛騎士爆誕ww」と悠珂が腹抱えて大爆笑していた。
腹抱えて大爆笑していた悠珂をすぐに〆た。
王族専属の近衛騎士になって直ぐにユチェリンカにプロポーズし(両親から許可を取りアプローチはしてた)受け入れユチェリンカの両親に許可をもらい国を挙げた結婚式を挙げてからクレイバール島に連れてきた。
ユチェリンカ・イシュトレイリア・善和
種族 ハーフリンク
性別 ♀
現在 68(人間の年齢では34歳)
職業 裁縫師兼アクセサリー職人
一人称 わたくし
家族構成 夫と息子
クレイバール島の呉服店の小物作りの名人。
元々はとある世界の由緒正しい国のお姫様だった。
糸徹との出会いは姉姫との王位継承で国が割れて内戦に突入してしまいあと少しで負ける所まで行っていたが突如現れたヤバい奴ら(糸徹と悠珂)により荒らしに荒らされ内戦が有耶無耶になったのを見てこれまで犠牲になった者たちが報われないという虚無感に襲われたそうである。
傭兵として残ったヤバい奴らのお陰で継承戦が(糸徹たちがいるので)血で血を洗う事なく話し合いなどで進めていくことになったのは感謝したそうな。
少しして糸徹からアプローチを受け始め「あぁ…わたくしが王位を継ぐことはないですわね」と悟りそれでも国を強固にするために継承戦は続けた。
5年後には周囲の国に出し抜かれる事もない強固な国になり(悠珂による遊びという名の策略により貴族や騎士たちが鍛えられて)自国に居なくても大丈夫だなとなりプロポーズを受け入れた。
他国の者に付け入る隙を与えないためにもちゃんと王族としての結婚式を挙げた。
糸徹に関しては最初は恐怖の塊であったが信頼関係を5年掛けてちゃんと築いた事で信頼し今では相思相愛だそうです。
ウルリカ・ガーネット・ネプチューン
種族 グラデーションマーメイド
性別 ♀
現在 37
職業 鮮魚店の店主
一人称 アタイ
家族構成 夫と娘
クレイバール島の鮮魚店の店主。
夫である廸真との出会いは小学校の林間学校でプライベートビーチの浜辺と旅館を貸し切りにして海で人魚の姿で泳いでいた時に溺れ描けていた廸真を助けたことであった。
なんやかんやあって廸真との手紙やハガキでの交流が始まった。
大学生の時は地球で過ごし、そこで廸真と大学の同級生として過ごしていた。
大学在住に廸真から結婚前提のお付き合いをして欲しいと言われ少し待ってて欲しいと言って(婿をとると決めていたため)悩んだしラブナシカと賀実と両親に相談していたが、廸真は家族に婿入り宣言してカオスになりかけた。
悩んでも無駄だからヤることヤるぞとなり、廸真の家族を招待して受け入れられないようなら記憶消去することを盛り込んでのクレイバール島に招待したが順応能力が高く異世界を普通に受け入れられ是非とも婿へどうぞとあれよあれよと結婚した。
廸真・ネプチューン・水谷
種族 地球人(日本人)
性別 ♂
現在 37
職業 養殖漁業者と海洋学者を兼任
一人称 オレ
家族構成 愛妻と愛娘
クレイバール島の海洋学者と養殖漁業者を兼任している。
ウルリカとの出会いは家族で海に行く予定だったがクレイバール学校の林間学校が貸し切りにしていた為に行けなかったことで貸し切りにしていたビーチの近場で過ごすことになりそこで潮干狩りができ過ごすことになった。
海に入りたくなり腰の深さまで入ろうとして足を滑らせて潮の流れにひっぱられて溺れた。
ちょうどその場所を泳いでいたのがウルリカで助け出された。
溺れるなかでウルリカの姿を見て一目惚れし、助け出されたてラブナシカに記憶を消されそうになったが「消さないで!絶対に言いふらさないから!」と懇願してもし言いふらしたら記憶を消しに行くから宣言を受け入れて記憶を消されずにすんだ。
手紙やハガキでの交流をして欲しいとウルリカ含む子供たちに必死に頼み込み当時の子供たちは若干、引いてたが嫌な感じがしなかったから受け入れた。
そこから交流して自身に必要な知識を溜め込むぞと家族が引くくらい努力するようになり海洋学者を目指すようになった。
それから年月がたちウルリカが地球の大学に来ることを男子たちの手紙のやり取りで知り、ウルリカが受ける大学に一発合格しアプローチを開始した。
家族に関しては婿入りする宣言した時に大喧嘩したが賀実の奇策により家族ごとクレイバール島のに招待され家族が順応し受け入れたのをみて引いた。
廸真の家族はクレイバール島の事を胸に秘める事を約束し、守り続けられているのでゴールデンウィークと年始末だけだがクレイバール島にやって来る許可を得て過ごしている。
野心がないのはフリルデーモンたちのお墨付きを貰ってるてよ。