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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
新生クレイバール島の暮らし
541/569

クレイバール島にやんごとなき小鬼がやって来た

【クレイバール島】


《クレイバール寄合所》


「…ハッハジメマシテ…(コワッナンナノ?!コノ人タチ強イッ)」

「きゃー!鬼人にも可愛い子がいるのね!しかも挨拶できるなんて偉いわ!」

「何でカタコトになってるんだ?オレと賀実の時は流暢に話していたんだが」

「そうなんです?」

「…少々失礼。…ふむ…着ている服はそんじょそこらの服よりかなり質の良い着物よ」

「……結構良い所のお嬢さんだったり?」

「その可能性もなくわないわね。今、賀実が冥界の鬼人の中でも上位の鬼人に話を聞いてるから報告まちね」








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【クレイバール島】


《星あかりの森 星あかりの泉》


紅凰(こうおう)殿、ではここに置いてかれた小鬼は」

『えぇ、本来なら私が処分する筈だった小鬼ですね。跡目争いに負けたのもありますが、遺恨を残さないためにも小鬼を生んだ一部の黒鬼の一族を根絶やしの筈でした』

「流石はやんごとなき冥界の鬼人の一族。弱肉強食の世界」

『それにしてもそちらに逃がされて居たとは…私としても隙を着かれるとはあそこの一族の鬼どもは抜け目がない』

「…それで彼女はどうするのです?」

『このまま私が出向き処しても良いのですが…これもあの小鬼に与えられたチャンスだとして暫くそちらで預かってください。

処するのは簡単ですので、今回の跡目争いの騒動で小鬼の一族は負けましたが、この私に処するのが勿体ないと思わせられるようなら私が助命し一族ごと生かしましょうと伝えなさい。

冥界の良質な鬼人はなかなか増えないですし、多くないので使えるなら残しておきたいので』

「わかりました、小鬼にそう伝えておきます(流石は紅凰殿だよ。トップに相談せずに決められるだけの実力をお持ちの方だよ)」

『それと…貴女たちの島にある霊園のダンジョン化に関しては私でも元の状態には戻せません。

まだ数年前の学校の件がこちらでもまだ処理しきれてないと言えばわかるでしょう』

「私が居なかった時にあった学校ダンジョン化事件か」

『あっそうそう、例の学校にいた大鬼の血を引く者がダンジョンコアを手にし、ボス化してしぶとく頑丈なので新人教育のサンドバッグに使ってると伝えておいてください。

あっそれと彼の者に関しては血縁ごとクレイバール島がある次元にに向かうことの無い、とある鬼の一族に取り込ませるのでそちらの島の女性陣の貞操を脅かす者が一人減ったともお伝えください』

「えっ」

『……さて小鬼をそちらに運んだ輩どもを〆に行きましょうかね』



紅凰様がそう最後にボヤいて水鏡の通信を切った。



『なかなかにヤバそうなのな案件がきたのう…早速〆に向かったぞ』

「もしかしたらと思ったけども、私が思ってたのよりさらにヤバい案件だったね」

『どうするの?』

「どうするもなにも【冥界の鬼の一族】はそんじょそこらの鬼人と違って凶悪性とかない神に遣えれるレベルの理性の塊の鬼人の集まり。

ここに置いても大丈夫だから本人が望むなら教養やらを仕込むのもやぶさかではないかな」

『そっちにシフトするのね』

「……さて、紅凰殿の伝言を小鬼とラブナシカと島長のポーリアに伝えないと」









◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







【クレイバール島】


《アシュクラフト邸の当主の部屋》



「賀実、ここでの話し合いってことはろくなことじゃないわね?」

「弱肉強食の厳しさを知ったよ」

「それで?アタシたち少数にのみの内容は?」

「紅凰殿から聞いた事情はね…」



賀実からの伝言を聞いた小鬼はガクブルしだし顔を真っ青にしだした。

ラブナシカとポーリアはスンっといった表情になった。



「貴女……大変ねぇ」

「ここに逃されたのはチャンスか。それにしても一族の命運をその歳で握っているとは…なかなかにヘビーね」

「ハッハワワッ…」



過呼吸になりかけたがポーリアが小鬼を妖精の力を使い落ち着かせた。



「大丈夫よ。ここに居る限りそこの現人神の加護で暗殺だけはされないから」

「暗殺ダケハサレナイ…」

「小鬼ちゃんの話は少し置いておいて…【クレイバール霊園】のダンジョン化の件はどうなってるのかしら?」

「私が居なかった時にあった学校が瓦礫になった時の件がまだ処理しきれてないから二つも引き受けられないそうだよ」

「そう…なら霊園に関してはそのままになりそうね。さらに深く調査しなくちゃ」

「あと」

「まだ何かあるの?賀実」

「タツキの件なんだけど」

「あら、懐かしい名前が出たわね」

「ウゲっ」

「タツキに関しては学校ダンジョンの主となった事で鬼人の新人教育のサンドバッグとして優秀だからこのまま冥界の鬼人の方で血縁ごと引き取るってさ」

「それって」

「取り込ませる鬼人の一族はクレイバール島のある次元に向かうことが無い血筋だから女性陣の貞操を脅かす存在が減ったと喜べだそうだよ」

「……なんだかうまい話しすぎて怖いわ」

「その辺りは永久に生きるつもりなアタシとフリルちゃんたちで見張るからポーリアは安心しなさいな」

「………そうね」




こうして小鬼の身の上の話と霊園のダンジョン化の話を伝え島民たちはなんだかなぁと言った表情になった。


霊園のダンジョン化に関してはラブナシカと島の自警団で調査する事が決定され、イルミナット島の最後の島長だったタツキの話を聞いた島民たちは脅威が一人減ったと安堵したような、しなかったような感じであった。




小鬼ちゃん


種族 鬼人

性別 ♀

現在 ???

職業 とある一部の黒鬼の一族の跡取り

一人称 ワタシ

家族構成 ???


クレイバール島で引き取ることになったやんごとなき小鬼さん。

色々と事情があるようだがまだ内容と名前が秘匿されている。


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