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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【勇者卒業の章】
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大昔からある禁忌の術

ルーミリアさんを見ていると…この人に手を出したヴィドさん?が犯罪者に思えてくるよ、それだけロリロリしてる…。


「ヴィド君はロリコンじゃないですよ?…わたしの方がショタに手を出したと怒られますよ」


オレの考えていた事がバレてただと!


「ティルクスがそう考えるのは分かるよ」

「見た目年齢十四歳だからな」

「わたし体の成長止まっちゃってますからカリーナとミリアと出掛けると随分と年の離れた妹さんねって言われますよ…ふへへ」

「そんな事よりイシェーラとシェザーナはどこに居るのです」

「相変わらずせっかちですね…ふたりならわたしが直接経営している施設で休ませています、それにタバサが側にいるから安心です」

「あぁ…それなら大丈夫そうだな」

「タバサさん?」

「マナーの鬼だ…俺ですら噛み付いてくるからな」

「じいちゃんにすら指摘するのか」

「タバサは娘でルーミリアの長女ですよ、フェルチェが三女で…ヴィドと同じく人間なのが次女のラタンシアです」

「今さっき来たヤバい奴の奥さんだっけ?」

「ラタンシアは楽しい人生だったと言って天命を迎えたのですが、ワナスは…あれは若返りの薬を作ろうとして…間に合わなかったのです」

「若返りの薬はどうしたの?」

「その若返りの薬は未完成でな…ワナスはその場でその未完成の薬を飲んであんな風になったんだよ」

「だとしたら何でルトラウスさんたちに八つ当たりをするの?」

「私たちはその若返りの薬の材料を持っていて渡さなかったからだろうね」

「えっ」

「ラタンシアは望まなかったのです。新しい命の旅に出るとね」

「あぁ…ワナスって言う人はそれに納得しなかったんだね」

「はい、でも誰かの人生を奪うことは出来ませんが共に分かち合う事は出来ます」

「でも蘇らせて見せる!って言ってたけど」

「無理だな!遠い昔の古ーい魔法を使えるのは【桃色天空城】にいるアレしか使えないだろう」

「知恵があろうと使えないんだよ…体質的にね」

「それにあの人は規格外な方ですからね~」

「絶対に戦いたくない相手だな…」

「父さんとお爺様のこの反応…」


でもわかる気がする…だってあのオネエサンたちのリーダーでしょ?


「魔神はその魔法使えるの?」

「使えないよ、魔神は外から来た存在だからね、術式の法と魔力の練り上げかたとか根本的な部分が違うからね」

「なのに付き従っているんだね」

「ワナスごときなら村人ひとりで相手出来るし」

「ん?じいちゃんとか少し本気出してなかった?」

「酔っ払いが勝てる相手じゃなさそうだからって言ってたよね?」

「それはですね、ワナス相手なら平気なのですがワナスに取り付いている…【虚無の義手】が厄介なんですよ」

「何それ」

「【虚無の義手】というのは大昔からあるこの世界の最大の禁忌の術でね、取り込まれたら最後この世界の果てにある【リバンティエル】の土地よりさらに奥にある本当の禁測地【マグリエルバラン】にある【虚無の楽園】にて永久の苦しみを味わい続け転生も出来ないし禁忌を犯した魂がなくなるその日までな」

「【虚無の義手】を使っている間は本来の実力よりも数千倍の力が使えるんだが…人間離れした姿になる、アレの姿は最終段階に入ったんだろう」

「あと数回使ったら【虚無の楽園】行きですね」

「ばあちゃんたちの言い方だと…」

「最終段階の時に使える力を使われると大陸ひとつ消し飛ぶだろうからね」

「もしかして麓の村に使おうとしてるんじゃ!」

「使うつもりなんでしょうね」


ちょっ!バルセイルさん!さらっとしかも無表情で言うの止めて


「それ大陸全土の命の危機だよ!」

「じいちゃん、ばあちゃん何でそんなにのんびりしていられるんだ!」

「焦っても無駄だからね」

「焦っても無駄?」

「アイツの【虚無の義手】の力を使って魔神は封印を破りたいのだろうさ、至竜の結界と何重も重ねた結界を消し飛ばしてね」

「わたしはそれを止めるために動いていましたが……間に合わなかったみたいでラタンシアに顔向け出来ません」

「ルーミリアは悪くないだろう」

「そうですよ」

「後の話は家に帰ってしよう、寒いからさっさと帰ろうか…体に悪いからね」


ばあちゃんの一声でばあちゃんの家に戻っていった。



◇◇◇



「ただい……えっ」


宿が荒らされている…皆がいない!


「何があったのか映像で見よう」


ばあちゃん!なんで冷静なの!漁られて!皆が居ないんだよ?


「血は付いてないから乱闘は無さそうですね」

「お爺様はなんで冷静なの」

「てれびの電源を点けて見ましょう」

「鑑賞会が始まろうとしてるよ」

「皆なんで出て来ないの?」

「朝になるまで出てこないだろう、こうなっているんだからな」

「これでよしと…ティルクスとミストルもどこか座って見ていると良い」

「…この場所なんか湿ってないか?」

「台所が光ってるよ」

「…まずは確認しようかね」


オレとミストルはテレビになるべく近い濡れていないソファーに座って眺めることにした。


ポチっ


テレビの画面を点けるとそこには面白い光景が繰り広げられていた。



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