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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
518/569

大昔の勇者で行商人

【とある山】


《山中》


「……【オクフク様】生きてる?」

「生きてるわ。強者たちの自主規制で凄いことになってるけど」


愛丸がその辺の枝で【オクフク様】をツンツンしながら生存確認している。


「キトリエス…」

「やったことに後悔は無いわ」

「それで全裸で転がってる強者たちはどうする?」

「それなら…我らにまかせてくれませぬか」

「え」


背後からの声に振り返ると着物姿の木のお面を付けた女性が2人ほど立っていた。


「この山の土地神の使いの者ね」

「はい…我々ですら手を焼いていた物の怪をこうも容易く弱らせるとは…感服いたします」

「物の怪を弱らせ我らに引き渡す事で山を穢した事に関しては不問とするそうです」

「ならさっさと連れて行っちゃって」

「「はい」」


土地神の使者はモザイク処理された【オクフク様】を連れ立っていった。


「あれ?強者は?置いてったけど」

「彼らは特に何もしてないんだろうね」

「いろんな自主規制にまみれてるのを連れ出すの嫌だぜ」

「キトリエスはホントにナニをしたんだか」

「カッコいい子たちとカバディしてただけよ♡」

「せめて褌を履かせなよ…」

「ナニがとは言わないけど色々と揺れて凄かったわ」

「それ以上はヤメロ」

「わかってるわよ〜」

「彼らは自力で時空移動出来ると言ってたからこのまま放置しといても大丈夫そうだから放置しましょう」

「愛丸の好みは居なかったか」

「せめて上に何か被せておこうよ…キトリエスがやったんだし」

「そうねぇ」



5人で協力していろいろな自主規制にまみれた全裸で倒れてる10数人を魔法でキレイにしてからそっとパサッとタオルを被せた。



「コレで良いわね」

「良しなのか…」

「賀実が待ってるし行くぞー」

「うん」

(まつりと悠珂たらしれっと流したわねぇ)





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【とある山の麓】



「この辺から賀実の魔力を感じるんだが…」

「賀実、言ってたよね。この原付バイクは今日が初陣だって。その日に破損しちゃったよ」


まつりがいった様に賀実が居たらしい場所に大破した原付バイクが転がっていた。

その周辺に血が点々と地面に着いている。


「ここまでボロボロにされるとは…ナニと戦ったのかしら。キトリー範囲とか調べられそう?」

「少し待ってね…今調べるから……んん~……あら?」

「どうしたんだい、キトリエス」

「賀実、コッチに向かってるわ」

「ならこのまま待ってて良いわね」

「この大破した原付バイクの処理だけやっておくか」

「悠珂なら直せそうだけど…」

「流石にここまでボロボロになったのは無理だな」

「そっか」


悠珂が事故処理をしようとした瞬間に時空が割れ超弩級のイケメンに首根っこを押さえられ、返り血であろうが付いたままのキグルミが【穢を浄化中】というタスキを肩に掛けられた状態で現れた。


「えっ」

「まったく…最悪だ」

「えっ」

「あら!イケメンッ!」

「うげ」

「「「ん?」」」


イケメンを見たのに愛丸が「うげ」と言ったのを聞き逃さなかった悠珂とまつりと紫蘭は愛丸とイケメンを交互に見た。


「やっぱりお前のところの輩かコイツ」

「えぇ、そうよ。それにしても地球に貴方が来てたなんてね」

「……ん?……!…お前【天災】か!!」

「そーよ」

「神族の肉体はどうしたっ!とうとう屠られたか!」

「まだ屠られてないわよ!アタシの大切な場所で【終末狂会】の【司祭】に呪をかけられちゃったから結晶に封じて眠らせてるのよ!」

「…やはりお前の所にも来たか…ということは鍵の欠片は奪われたか」

「奪われたわよ」

「そうか…だということは…俺のパートナーの所にも来そうだな…めんどくせぇ」

「…愛丸、その人は?」

「ん?……お前(天災)を受け入れた最初のガキのひとりか」

「えぇ、この子なかなかでしょう?」

「………そうだな。このキグルミもなかなかだが…ソッチのほうが鍛えれば強くなるな」

「悪いけどそのキグルミちゃんをコチラに寄越してちょうだい」

「良いぞ」


キグルミは超弩級のイケメンの手から解放され悠珂達の元に戻って来た。


「お前…何したんだ?」

「カーチェイス」

「えっ原付バイクで?」

「そう」

「誰と?」

「何かの要因で穢れすぎて堕ちた何処かの土地神とカーチェイスした」

「「「えっ」」」

「この山の土地神ではない」

「そうか血が垂れてたが…」

「それは堕ちた土地神のやつ。肉体が溶けてて急カーブで曲がりきれずに当たってグチャっとなった場所からの出血で私の方まで飛沫して原付バイクを乗り捨てることになったよ」

「どうしてあのイケメンに首根を押さえられてた?」

「イケメンさん、奥さんと久し振りの地球デートしてた所に私と祟り神のカーチェイスを見て奥さんが「何アレ?!」とデート放棄して死にかけの祟り神とその血にやられてる私の方にやって来てさっきまで浄化作業部屋に連れられてた」

「それでかぁ」


賀実の側にやって来ていた悠珂とまつりと紫蘭はチラッと愛丸とギャーギャー言い合ってる所を見た。

いつの間にか合法ロリの女性も混じっていた。


「おひさ~」

「貴女も相変わらずねぇ」

「【天災】もね。いやーなかなか土地神が堕ちた状態での遠征なんて見られないからダーリンとのデートを放棄してまで現場に飛び込んじゃったわ〜」

「危ない所に突っ込むとは…大丈夫なの」

「あたしには効かないわよ。浄化終えて処理もし終えたからもう大丈夫……ニシシ…まさか地球の八百万の神の素材が手に入るなんて…うふふふ」

「ハニー…」

「待たせてごめんね?デートの続きをしましょう。あの子もあのままキグルミを脱がせないでね」

「血まみれの衣装で居させるのね?」

「えぇ、じゃないとしばらく呪われるわ。姿を見たなと。あのタスキの【穢浄化中】の文字が消えたら脱がせても良いわ。今回の浄化の件は良い素材が手に入った事で手打ちにしてあげるわ」

「相変わらずねぇ…でもありがと」

「じゃね☆」


それだけ言うと超弩級のイケメンがフェラーリを何処からともなく出して乗り込んでふたりは去っていった。


それを見ていた四人は愛丸の側に向かった。

 

「…愛丸の古い知り合いか?」

「えぇ、太古の勇者で今はいろんな世界を飛び回って行商人してる百合カップルよ」

「えっあっ……あの超弩級のイケメンさん…女性なの?!」

「えぇ、それもアタシのお師匠様の世界出身のね」

「えぇ!!」

「だから知り合いなのよ。相変わらず守銭奴なのは流石よねぇ」

「愛丸、君のお師匠様の世界って」

「なーにか言いたげね紫蘭?」

「ナンデモナイデス」

「賀実達も話は聞いてたでしょう?賀実のキグルミが脱げる時が来るまで地球で過ごすわよ」

「買い物はどうする?」

「それなら買い物は済ませてきたから帰ってもいい気がするけども」

「なら今日はもう帰ろ?また今度にしよ?」

「色々あったものねぇ…(あのイケメンが女性だったなんて…アタシもまだまだね)」

「そうするか」

「ならアタシが転移させるわね♡」



キトリエスはそれだけ言うとバイクごと自宅の庭に悠珂たちを転移させてそれぞれ自由時間を過ごした。

賀実は愛丸が特別な部屋を自宅に用意し、そこでキグルミが脱げるまで過ごすことになった。



メファイム・ゴルドレ・ナイアン

 

性別 ♀

現在 あたしの望んだ金額を積んだら教えてあげる☆

職業 行商人

一人称 あたし

通り名 神の身ぐるみすら巻き上げた行商人

人生のパートナー ナフェルイン


太古の昔から存在するとある世界の元勇者で現在は世界を越えて行商人をしている人物で神族であろうとも容赦ない取り立てをする事で有名な方。


ナフェルイン・ゴルドレ・ファルファンデス

 

性別 ♀

現在 誰が教えるものか

職業 メファイム専属の運転手兼護衛

一人称 俺

通り名 メファイム命の麗人

人生のパートナー メファイム


守銭奴ことメファイムに心底惚れ込んでいる女性でメファイムが勇者してた時に同行していたメンバーで元戦士していた。

メファイムに心底惚れ込んだエピソードは自世界の美の神に一族代々呪われていたが、メファイムがその美の神の身ぐるみを剥がし膨大な金すら吸い尽くしドン底に落としさらに…後はエグすぎて話せない。

それからメファイムに心底惚れ込んで一生を尽くすと決めたそうです。


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