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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
509/555

蠱惑図書館の珍道中

【クレイバール新学校】


《高等科1ー1》


「……やるか」

「どうした賀実」

「蠱惑図書館の攻略をどうしたものかと思ってね」

「あぁ…迷路モードの奴か」

「私が読みたい本がほぼ禁書庫に入れられてるぽくってね。

ラブは「頑張れ」としか言わなないから自力でやれってことなんだろうけども」

「賀実はどうして禁書庫を行き来したいの?」


賀実の話にルフェルニカが食い付いた。


「一つ前の記憶以前の記憶がなくなったことにより失った知識を少しでも多く入れたくってね」

「不老不死でいるなら必要なくない?どうせ永く生きて知識蓄えるんでしょうからに」

「ルフェルニカの言う通りなんだけど【栞】持っておけば後々楽できるかなって」


すると話にタヌ治郎と玖寿が割り込んできた。


『でもこうは思わない?禁書庫に顔パスでいける者は呼び出しがかかる可能性があるからあえて取らないって言う選択』

「タヌ治郎にそれを言われると悩むけど、一度はアタックしてみようかなと思ってね。

もし私とアタックしてくれる人がいるのならば今日の学校終わりに図書館前に来てほしい」

『おぉ、まさかこんな事を言うなんて…一定の記憶がないと賀実の本質が見れていいね…従魔も参加可能なのかな?』

「可能みたいですよ?図書館が出来てすぐにラタムさんと母さんと父さんが従魔引き連れ組んで挑んでましたし」

「それで結果は?」

「【クレイバールの栞】とやらを持って帰ってきてましたから攻略できたのでしょうね……帰還した三人と母さんとラタムさんの従魔二匹がゲッソリしてましたし」


それを聞いたクラスメイトたちはなんともいえない表情になっていた。

そして放課後の【蠱惑図書館】の前では。



「意外な人物が集まったもんだね」

「冒険にでられる年齢だからついていク…あたしも【クレイバールの栞】が欲しいかラ」

『残りはボクだけか…蓬と譜月は?』

「あの子らはふたりでやることあると言って付いてこなかったよ」

『……何してるんだろう?』

「教えてくれないからわからないけど悪いことはしてなさそうだから私からは言うことはないかな。

ディーシェも居るしそろそろ行こう」

『ディーシェ、立ち話しててごめんよ』

「別に大丈夫ヨ」



賀実とディーシェとタヌ治郎で【蠱惑図書館】の迷路モードに入っていった。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





【蠱惑図書館】


《ピンク部屋》


「「『……………』」」


部屋に入った瞬間に視線に入ったものを見て三人は顔を引き攣らせながらフリルデーモン達のボディビル姿の蝋人形を見ていたが、部屋に入った瞬間に鍵がかかり出られなくなった。


『始めに入ってコレは流石に大人ですら悲鳴あげるよ』

「精巧すぎてなんか…」

「うわァ」

 『…ねぇ、本物混じってない?』

「視線を感じるからいると思う」

「そういう時はこうすると良いそうヨ」


するとディーシェは蝋人形の前に立ち乳首を抓った。


「コレは蝋人形ネ」

『ごめんねディーシェ、ボクてっきり股間辺りに何かすると思って身構えちゃったよ』

「流石にそれは最終手段の一つヨ」

「誰に教わったのそれ…」

「ラブナシカ先生の保健体育で教わったワ。

生きてればピンとそ『ディーシェ、それ以上は言わなくて良いよ。

恥ずかしがらずにそう言った事を言えるくらいには性教育はちゃんと出来てるってわかったから』

「そウ?」

「私も安心出来るけれども…さてこの部屋の扉の鍵を探さないとだけど…たぶん持ってるのはその日の担当のフリル達のだれかだよね?」

「確実にそう思うワ」

『この部屋に入るたびに持ち主が変わる仕掛けなら早々に見つからないし渡せないような相手なら渡さないように出来るのは良いね。

今日は誰が持ってるのかな〜?』

「乳首チェックして見つければ良いとおもうワ」

「50体以上のフリルさんの蝋人形の中から探すのか…さてと私も探さない「いやん♡」



静かな部屋に響いたフリルデーモンのイケボの喘ぎ声に三人は動きを止め、一番近くで聞いていたのは賀実で、蝋人形だと思っていたフリルデーモンの乳首に触れていた手をそのままに、どのフリルデーモンなのかを確認するためにゆっくりと見上げた。



「あらぁ…こんなにあっさりと見つけるなんて賀実ちゃんは凄いわねぇ」

「…………」

『賀実が絶句してる…』

「うふふふ♡ディーシェちゃんの乳首チェックは良いわね。攻略法の一つとしてアタシ以外のフリルちゃん達にも共有しておくわ♡

はい、次のフロアに行くための鍵を渡すわね」


フリルデーモンAは乳首に触れている賀実の手を優しく外させて鍵を握らせた。


「次に行きなさい」

「……う、うん…見張りご苦労さま」


賀実は引き攣った表情のままだが労りを言ってディーシェとタヌ治郎が既に待っているドアの前に向かい次のフロアに向かっていった。


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