蠱惑図書館
ヴィレルドとラブナシカの共同作業によりクレイバール島に速攻で図書館が完成し軽い式典が行われ、数名の大人と子供達は既に図書館の中に入っている。
【クレイバール図書館】
《入口前》
「何度も何度もしつこく言うけどさ…建物から怪しい雰囲気が出てるんだけど何か言い分ある?」
「紫蘭たら〜そんなに怪しまなくていいじゃない。ココには貴重な書物とか日記とかあるから少しは手を加えるに決まっているでしょう?
でも貴女が怪しむほどの事はしてないわ」
怪しむほどの事はしてないわ発言のあとに悠珂の悲鳴が響いた。
「まぁ…大人の絵本とかのピンク部屋や種類別にちゃんとヴィレルドと一緒に作ったわよ?」
「俺もラブ先生がやりすぎないように軌道修正とかしたがな…まさか悠珂が最初に引き当てるとは思わなんだが」
「引き当てるって…」
「図書館に入る時に普通モードと迷路モードを作るように要望されてな。
たぶんだが悠珂は迷路モードに入ったな」
「えっ」
「希少な書物は迷路モードから入らないと部屋に行けずに見られないように仕込んでいたわ。
漫画とか誰もが知ってる伝記とか小説とかは何時でも何事もなく閲覧可能よ」
「資料とか探すの大変になったゾ」
「ラタムが使うような本は写本を作って学校の図書室に置いてあるわ」
「それってなんかこウ……やっぱり何でもなイ」
「ラタムに賀実も心配するな。図書館の管理人に認められれば迷宮モードから入らなくても禁書庫とか入れるようになる物を貰えるから」
「え」
「それっテ…」
「この図書館もクレイバールの寄合所を管理している【ブラウニー】をココの管理人として役目を増やしたのよ」
ラブナシカの言葉を聞いてこの場に残っていた者は全員もれなく真顔になった。
「あの問題児に管理をやらせてるですって?」
「えぇ…」
「それ大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。お任せくださいってウキウキしてたわ」
「悠珂がピンク部屋を引き当てたって言ってたけど、それって…」
「それ以上は必要ないわ〜…故意にブラウニーちゃんが行ってるわ〜」
「ひぇ〜それヤバいべ」
「普通モードの意味ある?選ばせてくれるのか?」
「そう言った問題でてくるわよね?…場合によっては新しい図書館を1から作ることになるわよ?」
「その必要はないわよ」
「どこから来るのですか…ラブ先生のその自信は」
「女の勘よ♡」
ラブナシカに女の勘と言われ図書館の近くにいる者達は一斉に図書館の方を見た。
怪しい雰囲気に包まれた図書館から先ほどから数多の悲鳴が外まで響き、窓ガラスにベタッと張り付いた見知った顔を見てさらに顔を引き攣らせた。
「本当に大丈夫なんですよね?」
「大丈夫よ。今はこうでも慣れるわ」
「慣らさないデ…」
「…正式名称は【蠱惑図書館】に決定ね」
「「「「「異議なし」」」」」
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クレイバール図書館を改めて【蠱惑図書館の内部】
「あんのブラウニーぃ…覚えてやがれ」
「悠珂は変わってないねぇ…大人の絵本は相変わらずダメなのか」
「記憶は前の奴しかないが…苦手なもんは苦手だな」
「賀実に関しては警戒心とか前より高いし」
「その辺りは本人の気質…見たか今の」
「ボクハナニモミテナイ」
「フリルデーモン達はコレまでずっと裏方に徹してくれてたからな…貴腐人達が嗜んでても何も言うまい」
「まぁ…うんそうだね。この期に交代制を入れてるみたいだし…イケメンが多いっ」
「ラブの配下として影響を受けてるからな」
「ピンクのお部屋にイケメンのフリルデーモン達」
カーウェンと悠珂が遠目からフリルデーモン達の様子をみていたが、所々で悲鳴が響いているのに辟易し、様子見で入った図書館からヴィレルドから図書館に入る時に持たされたアイテムを使い出た。
島民達のクレームによりブラウニーは寄合所だけの管理に戻された。
だが迷路モードに関しては図書館をよく使う者達によってブラウニーが居なくなった場合の再確認で実用性アリと確認された事で迷路モードの機能は残された。
だがラブナシカはブラウニーが少し悲しそうにしていたのを見てとある条件が達成された場合のみ図書館でブラウニーが好き勝手出来るように組み込んだのだった。
ラブナシカとフリルデーモン達以外の島民たちはその事を知らないのであった。




