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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
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魔法陣の完成に半年と目覚と変化

【薔薇色のお宿】


《エントランスラウンジ》


「お前ら怖いんだよ!血走った目と静寂の中で俺の近くで覗いてるんじゃねぇ!一瞬、心臓が止まるかと思ったわ!今も目がギンギンしてて怖いし!まつりに関してはその場で立ったまま寝だしたし!」

「まつりが飽きたって言ったから、いつになったら視線に気づくだろうかのミニゲームでもしようかと」

「だからって俺を使うな、賀実を使え」

「賀実を使ったら◯されるからやらないわ」

「おい」

「眠れないって本当にキッツいわ…でもお酒の効果切れてまつりは昏睡状態に陥ってるけど大丈夫なの?」

「副作用だからそこまで気にする必要はないよ。それにしても詩子もワタシや愛丸と同様に10日目になりそうだね」

「マジで辛いわ…でも境界線の先の世界って本当に面白いわね。地球にないものが沢山あってどれ見ても新鮮なのよね」

「だからこそこういった物を見続けたい、永く生きたいという欲望が生まれて人間やめるのが続出するのさ」

「アタシは強制的にだけど……それで賀実と愛丸はナニをしているのかしら?」

「ん?」



エントランスラウンジの奥の方で愛丸と賀実は何かを調合していた。



「アレは手製の【魔力のインク】を作ってんだ」

「【魔力のインク】?」

「昔は魔導書を作るのに自身の魔力の結晶をインクに溶け込ませて自身オリジナルの魔導書とか作ってたもんだ。

唯一無二の魔導書作りには欠かせなかったが今はそれぞれの世界で覚えられる魔法の規制やらがあって使う場面がなくなってるからな」

「新しく入る技術もあれば失われていく技術もあるのねぇ…………あっ」



突如として詩子は直立不動で動かなくなった。



「……コレは…寝たかな?」



紫蘭が詩子の元へ確認しに行った。



「うん…まつり同様に直立不動で寝たみたい、目を開けたまま寝るとはなかなか器用だね」

「おっ…なら悪戯してやるか…今朝の奴の倍返しだ」



すると悠珂は教科書の偉人の肖像画の落書きの定番であるカモ眉毛や目を瞑っている瞼に目を描いたりし、しかも詩子の顔に油性ペンで描いた。


※本人の許可なくやった場合、場合によっては罪になるので本人の許可なくやってはいけません。



「「ブフッ」」

「後で詩子から闇討ち受けないように」

「おっ、その感じだと完成したのか?」

「インクを用意するのにカレコレ3日掛かったけどもね…このあと昼食を取ったら書き始める。どれだけの日数が係るか分からないけど」

「二人目は誰がやるんだ?交互でやるんだろ?」

「それならアタシがやるわ。結界に組み込んだりの構図もインク作りしながら立ててたから」

「なら俺はいつも通り見張りをやっとくから安心して魔法陣を完成させろ」

「そのつもりよう」



それから巨大な魔法陣が完成するまでに半年もの時間が掛かった。この半年間細かい字を書き続けたことによる妙なテンションに陥って珍妙な事をした賀実のプライバシー権を守るために何をしたかなどの事を書いてない事を記しておく。


結界も上手く作用しひとまず安心安全に過ごせるようになった。





そして……。





【クレイバール島】


《クレイバール新学校…高等科》



「授業を始めるわよー」

「はーい」



呪を解いた途端現れた変化は小学生だった子供達が悠珂と賀実とほぼ同じ年に肉体が成長し、精神面も成長していた。

大人組は特に変わりなかった事で悠珂と賀実と愛丸と紫蘭は胸を撫で下ろした。



「……なんでオレと賀実もここで子供らと同じ授業を受けさせられてるんだ?」

「私達…高卒認定は持ってるけどもね」

「それは地球のでしョ?それに子供らって呼ばないのヨ…同級生なんだかラ…名前で呼び合いましョ?」

「中々に言ってくるじゃないか」

「そりゃそうだろ。ふたりはもう島の守護者を解任されてるし、宿屋の主人でもなくなったし」

「アタシらと同じただのクレイバール島の島民になっただけだもの」

「まぁ…そうだが」

「あれ?賀実喋らないけど、どうしたの?」

「…………………」

「万年コミュ障の心配性にあんまり絡むな。ガチガチの着ぐるみ着込んでくるようになるぞ」



賀実は既に顔に覆面を被っているが。



「それはそれで何か楽しそう」

「ほらほら、授業が始まるわよ!席に戻りなさい」



ラブナシカが日誌を手に持ち現れ、それぞれ自身の席に戻っていった。

そして授業を終えてラブナシカは悠珂と賀実を残して話し合いを始めた。



「悠珂も賀実も不服そうにするのは辞めてちょうだい…授業中に泣くわよ」

「「泣かんでいい」」

「少し不満かもしれないけど…アナタたちにもちゃんとした青春を送って欲しいの。ずっと戦ってたりの毎日だったから…」

「それで良いとオレも賀実も納得してたんだがな」

「取り敢えずはいって言ってればいいのよ」

「暴論…それになんかろくな事がコレから起きそうで」

「だとしても大丈夫よ。あの子たちはその辺の人間よりかはかなり頑丈だもの…何者が来ようとも対処出来るようになるし…島の大人組もいるしフリルちゃん達も居るもの♡」

「だな。でもオレと賀実は地球とクレイバール島を行き来させてもらいながらだな。

ちゃんとこの体の時間で地球でも過ごしたいしな」

「うふふ…そうね」

「あとはクレイバール島に図書館作らなきゃ…アイテムボックスの中にある本をちゃんとした施設に写したいから」

「そうね図書館を作りましょう」



悠珂と賀実は含みある笑みを浮かべたラブナシカを見て図書館作るのに何かコイツ仕出かすぞと思ったが、話を切り上げて悠珂と賀実のそれぞれの家が出来るまでの間は宿屋で過ごす事になっているので【薔薇色のお宿】へと戻っていった。


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