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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
503/555

寸胴型の装着と忘れられし怪物とガチムチパンツレスリング

【ブック・オブ・ラビリンス】


《セーフティゾーン》


「……目的の物を探さないとだけど…【忘れられし怪物】が我々が引き連れた事でこの階層で彷徨くようになってしまったけれどもね」

「囮をしてても良いんだが…効率がな」

「…それに私達がこの迷宮に入ってから結構な数の強者達が調べ物するのに入ってきてるみたいだね」

「それに関しては茶々を入れるのはこの迷宮では禁止にされてるから大丈夫だろう…怪物対策をしてやらないと後で強者達に大ヒンシュクを食らうだろうなぁ」

「………………………」

「賀実?」

「思いつきはあるけども…ねぇ」

「思いつきがあるのか?」

「あるけども…君とキトリエスで造ったものをこんなに早く起動させることになるなんてね」



賀実の発言を聞いて悠珂はハッとした。



「アレなら確かに生物じゃないから呪の影響は受けないな…突発的なオレの思いつきは冴えてる!」

「冴えてないよ。モザイクが常に掛けられる特級呪物を作っておいて」

「話の腰を折るのやめてくれよ」

「嫌だね」

「誰があの寸胴の中に入るかだな」

「私は入らないよ絶対に」

「なら自動で動くように設定し直すか」

「それだと被害者でない?」

「怪物が目の前に現れたら設置すれば大丈夫だろ」

「適当すぎる」



悠珂は取り敢えずモザイク加工されている寸胴型の装着するための物を取り出した。

取り出された寸胴型の物は既に起動し…拗ねていた。



『都合ノ良イ時ニ呼ビ出スナンテ最悪ジャナイ』

「なんか拗ねてる…AI搭載と言ってたけども既に自動で動いてない?…ロボなのにオネェのような発音」

「オネェキャラはキトリエスの影響だな。それなら尚更都合がいい…始めるか」

「…………」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【ブック・オブ・ラビリンス 最深部】


《渡り廊下3階》


「コレ目当てで来てないよね…私達以外の強者たち」

「拗らせ童貞と拗らせ処女は沢山居るからな」

「君たちもそれに含まれてるけどな」

「お前もな」



【忘れられし怪物】はモザイク加工されている悠珂とキトリエスに【造られた物】によりガチムチパンツレスリングの指導を授けられている。


ハァハァと観察しているムッツリ助平な強者達がそれぞれ1階の死角や渡り廊下2階などの安全地点からガチムチパンツレスリングをガッツリ眺められる位置から覗いている。

その様子をスンッと言った表情で悠珂と賀実と知り合いの強者で愛丸に詰…愛丸に頼まれ、聖書の迷宮の写本を持ち出す許可証を持っている時空図書館に勤めてる【男女平等主義の司書】と共に見ていた。




〜5時間前の回想〜


セーフティゾーンを離れて直ぐに【忘れられし怪物】に狙われた二人は怪物を待ち受け例の物を設置した。

だが。


『イヤッ!アンナケダモノヲ止メルナンテ…アタシイヤヨ!』

「知ってるか?今はあのような姿になってるがとても罪深い事をした事であのような姿になってる神族だから実際はとても美形みたいだぞ」

『エッ!ホント?!』

「あぁ!美形だらけの神族ですら振り返る美貌を持っていたらしいぞ!」

『ゴクリッ』

「呪は解けないだろうけど…触るの禁止というのはないからお触り放題だ!

オレ達が触ったら確実にヤバいから近づけないがな。

満足するまで触り放題だな!」

『…アタシヤルワッ!足止ヤルワ!!ウォオオ!!』

「良しっ」

「……どうなっても私は知らんぞ」

「大丈夫だろ今のオレ達よりも強い強者達が集まってきてるしな…閲覧料の代わりにコレから起きるであろう事を見たのならば協力させればいい」

「それで止められれば良いけどね」

「大丈夫だ」

「その自信…どこから来るやら」





そして現在に戻る。




「それにしてもいきなり下半身からガシッといったの見て流石は【愛の伝道神】の系譜が関わっただけはあるな」

「それでどうみる?」

「たぶん、賀実の言う通り呪は解けないから神々は…コレを見てもたぶん見なかったことにするんじゃね?でもスゲーな…【忘れられし怪物】から甘…」

「それ以上は言わんでいい」

「…いつまで続きそうだ?」

「【造られた物】が満足するまでじゃない?」

「だとすると長いな」

「モジモジしてるしなんか本当に快楽を感じ「マジで止めろ」

「こんなにも強者がいるみたいだし監視の目を外しても大丈夫そうかな探し物しないと」

「そういえばお前たちは何の本を探してるんだ?」

「【神の呪い】を解くための手順が書かれてる本」

「あ~…そういえばお前たちの所は【太古の勇者】対策でやったんだけか。

ここまでやったお前たちに酷な事を言うが…お前たちが自ら集めた本の中にあるはずだぞ…お前たちが探してる本は」

「「え゙」」

「宿屋を返還したらしいが…賀実が今に至るまで集めた本はお前のアイテムボックスの中に全て戻ってると思うんだが」

「え」

「タイトルは【神々の祝福という呪を解くため】だっけか?」

「それで合ってる。ちょっとアイテムボックスの中を調べるよ」



賀実はアイテムボックスから【神々の祝福という呪を解くため】というタイトルの本がないか調べていたがピタッと止まった。



「もしかしてだが」

「私、持ってた…」

「あちゃー」

「素直に時空図書館に行ってればよかったな」

「そうだね…見つかったからには帰るだけだ。

後は写本した本の処分の仕方だけど思いついたから実行しようかな」

「思いついたのか?!」

「うん…この状況では胸焼けしそうだからやらないけど迷宮を出る直前に処置をするよ」

「胸焼け…?」



賀実はそれだけ言うと【忘れられし怪物】が【造られた物】によってガチムチパンツレスリングを受けている場面にふと目を向けた。

すると亡霊たちまで現れ強者達と同様に眺めていたのを見てお主らもみてるんかいと思ったが…賀実はふと黒い司祭服を着たリッチーが目に入った。

悠珂と自身をこの迷宮に誘った黒い司祭服を着たリッチーを。


賀実は貴殿もか…と思ったが賀実はこういった時間を無駄にしまいと自身が読める本を手に取り警戒しながらも本を読み始めた。


悠珂はガチムチパンツレスリングのBGMを聴きたくないのか両手で耳を塞ぎ現実逃避を始め【男女平等主義の司書】は愛丸に頼まれた本の写本を外に持ち込めるようにするための処置を始めた。


そしてこのガチムチパンツレスリングが終わるまで迷宮の外では結構な日数が経っていたことを迷宮にいる者たちはまだ知らないのであった。

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