【忘れられし怪物】※悠珂の目線なので自主規制が多い
コレは古い時代に起きた出来事である。
とある……いいえ、【プラントクォルット】という世界がとある次元に存在していました。
※この次元に関してはどんな素晴らしい書であろうとも載せることは出来ないので深く追求しないように!
その世界を創造した物の名は【生命の神カシナ】生命を慈しむ慈悲深い性別を持たぬ神であった。
数多の神々の中でも世界を創造したのは最後の方だった。
理由は先輩神族達が創造した世界を見て回り知的生命体が何度も争うのを見て何が楽しいのか分からずいたからでした。
ですが自身が所属している神族の長に「そろそろ世界を創造し、神族として経験を積め」と言われしぶしぶ世界を創造しました。
生命の神が創造した世界は知的生命体が存在することを拒んだ世界で植物と水だけが存在するとても静かな世界でした。
永い月日が経ったある日、その世界にイレギュラーな出来事が発生したのです。
それは植物達が自我を持ちあろうことか【ドライアド】が誕生したのです。
ドライアド達は群れを作り始めましたが、世界を創造した【生命の神】は争いの元であると決めつけていた知能を持つ存在を良しとしませんでした。
【生命の神】はそこで初めて生命の神としての禁忌を犯しました。
その【ドライアド】の群れを神力で滅ぼしてしまったのです。
ですが【生命の神カシナ】が自分の都合で理を歪めた事の因果なのか小さなオスのドライアドだけ他のドライアドに守られたことで生き残ったのです。
そしてそのオスのドライアドはこの世界の創造主たる【世界の神】に復讐を誓いました。
それからさらなる年月が流れ小さかったドライアドのオスは立派な雄となり【生命の神】にバレないように力を付け、創造主の居住区に侵入したのです。
【生命の神】が神力を使い力を溜め込むために眠っている所を奇襲し、復讐を誓った雄のドライアドは【生命の神】を抵抗できないようにしてから自身の苗床にしてしまいました。
それからー…自主規制。
【生命の神】が創造した世界から神族たちの会合に出なくなった事を心配した先輩神族達が【プラントクォルット】へ向かうとそこは静寂でありながらも美しい世界が自主規制な世界へと変貌をとげ、あろうことか雄のドライアドは【魔王】へと変貌していました。
【生命の神】が【魔王】へ至った雄のドライアドに自主規制。
先輩神族たちはすでに数多の魔を孕み産み落とした事で【堕神】となった【生命の神】と【魔王】へと至ったドライアドを淘汰するのに【堕神】が産み落とした魔によってかなりの時間をかけることになった。
神族たちは疲弊していましたが魔を淘汰したその時に【プラントクォルット】は神族の長によって禁忌の星として固く封印じられたのでした。
それからさらに悠久の時が流れ【プラントクォルット】にとある幼神が訪れたのです。
その幼神は【プラントクォルットの悲劇】の戒めを上の世代の神族たちから聞いていましたが、好奇心を止めることが出来ずにやってきました。
その幼神は【プラントクォルット】をくまなく探索し特に危険もなく最後にようやく【堕神】と【魔王となったドライアド】が常に自主規制していた居住区へたどり着きました。
その居住区の中心にショッキングピンク色のそれはそれは禍々しくも蠱惑的な一本の木が生えていました。
幼神はショッキングピンク色の木に生えていた一つのとても甘美な匂いを放つ果実を見つけ収穫しました。
果実を収穫した木は実を取った瞬間に枯れましたが特に気にすることなく果実を持って帰っていきました。
特にお腹も減ってなかったので食べることなく、一応禁足地て収穫した事もあり、果実に何重にもプロテクトを掛けてしまい込みました。
まだ幼神だった故に、友人の神族達と遊んでいるうちに果実の存在を忘れてしまったのでした。
それからまたさらに年月が流れ、幼神も立派な青年神族へとなった時にとある事件が起きてしまうのです。
…それは同期の異性の神族に恋をした事でした。
初恋だったからか舞い上がり甲斐甲斐しく世話をしてましたがある時、恋人が友人達と話し込んでいる所でトンデモない話をこっそりと聞いてしまったのです。
恋人だと思っていた神族は罰ゲームで付き合ってるだけに過ぎない、ホントは本命とも付き合っていて二股状態である。
神族たちのパーティーで自身を追い落とし、恥ずかしめる計画を計画していると言う話も。
それを知った青年神族はかなりショックを受けましたが持ち前の精神力で直ぐに立ち直り、向こうがそんな事するならば…コチラもやってやろうと決めました。
どんな事をしてやろうかと思っていると幼い時に見つけた何重にもプロテクトがされた果実を見つけ、そして青年神族は思い出したのです。
コレは禁忌とされた星で見つけた果実だということを…。
そして青年神族はこの果実はどんな物なのか様々な実験を自身と自身の家族を使って実験しました。
果実の効果は性別を変える事ができたり、かなり強力な媚薬として使えて、そして少量ならそこまで害にならない事を知った。
そこからの行動は早かった。
この青年神族は見た目だけはとても麗しく誰もが頬を赤く染めるレベルである。
果実を液状にして既に見限った恋人の本命に近づき、仲良くなった所で本命をボイスチェンジしさらに目隠しして自主規制した後に自主規制をした。
それから見限った恋人の様子が変わった。
それは本命が行方知れずになった事に不安を表すようになった。
だが本命はふらっと行方知れずになるのは日常で少しすれば戻ってくるだろうと心配はされてなかった。
そして神族たちのパーティーの日が近づき自主規制しまくり、果実を液状にしたものちょうど使い終えて、洗脳も終え本命を解き放った。
そしてパーティー当日、順調に物事が進んでいたが、突如現れた本命がとんでもないことをしてしまったのです。
それは洗脳された本命が青年神族の恋人がやろうとしていたことを逆に利用してパーティーを台無しにし、会場は目も当てられない自主規制による混沌と化したのです。
騒ぎを聞いてやって来た神族たちは混沌とかした会場を見てかつて解決した【プラントクォルット】の件が頭によぎりました。
既に会場に居る青年神族たちは本命の体液から溢れ出る果実の力の影響で神力を失いただの自主規制になり自主規制しているだけだった。
そこで引き起こした者を神族の長が力を使い仕込んだ青年神族を見つけ、どうしてこんな事をしたのか訪ね全てを語ったことですべてを知った。
神族の長は事を起こした青年神族を罰するために記憶や感情を全て取り払い力を封じ【怪物】にし【プラントクォルット】を使い一からダンジョンを創り上げそこへ封じた。
そして今回の件で青年神族を凶行に走らせた恋人のふりをしていた神族も罰せられました。
「そもそも貴様がちゃんと別れを告げていたら……いや、追い落し、辱めようとしなければ被害はここまでにはならなかっただろう。この者に加担した者達がこうなったのならばそれも因果である。
それに気づけなかった我ら大人も含め今回の件を起こした者の一族を攻める義理はない」と言い放ち恋人のふりをしていた神族やその他の青年神族たちは【怪物】の封じきれなかった力を封じる枷にされた。
それからこの話は次世代の神族たちには必ず伝え話すようになった。
果実を液状にして飲まされた神族は死ぬことも出来ずに、今もこの次元の神族達によって果実の影響が外へ漏れ出さないように【結晶化】されて封じられているという。
「……自主規制が多い気が…」
「読み終えたならメガネ返して」
「それにしても使えるなこのメガネ」
「見たくないものを自動的に自主規制してくれるメガネなのでね。
この場所をウロウロしてる【忘れられし怪物】の正体も知れたけど、あの怪物の呪解除は【プラントクォルット】世界を元にしたダンジョンを見つけてそこ解呪しないと呪は解けないだろう。それだけ厄介かつ重い」
「なんだかなぁ…コレで光ってた本の一冊は読めたんだよな?」
「うん」
「残りの一冊を読むのなんか嫌だな」
「コレよりマシだと思い込むのだよ」




