ノリで異世界に行くもんじゃない。
これにて、今年の投稿は終了です。
次の更新は年を越して1月の10日過ぎになりそうですのでそれまでご勘弁を。
皆様も良い年末年始でありますように。
【地球の自宅】
《リビング》
「よし、異世界に行くぞ!」
「急にどうした」
「日常生活に飽きた」
「おい」
「日常生活に飽きたは嘘だが思い立ったが吉日。島の子供たちを目覚めさせるぞ!」
「それには賛成だけどもねぇ」
「準備しろ!」
「話を聞かんかい」
悠珂はコタツから飛び出すと準備を始めたそれを見た賀実は本気で行くきだと理解し準備してない状態での旅はヤバいと思い準備を開始した。
【時空移動用のゲート】
「それじゃ行くぞ」
「…重たい荷物を私に押し付けるな。君の荷物は君が持て」
「別に良いじゃねえか…荷物持ちしてくれよ」
「リュックとか背負うの嫌ならアイテムボックスに入れておきなよ」
「突然ねぇ。ホントに大丈夫?新年を前に異世界に行くなんて…」
「大丈夫だ。いつも異世界に行くときはこんなもんだからな」
「それじゃ留守を頼んだよ」
「えぇ、任せて」
悠珂と賀実はゲートを潜って行った。
「行動すると決めるとホントに早いわ。しばらく暇になりそうねぇ…地球での暮しを充実させるために沢山資格とか取ろうかしら…?」
悠珂たちが向かったのは数多の聖人たちが転生したり異界から巡礼するために集う聖なる世界【セインツヘブンス】そこで待ち受けていたのは……。
ディストピアとなっていた聖都であった。
【聖都ネビュラス】
《郊外にある廃教会》
「何がどうなってんだ?」
「コッチが聞きたいよ。前世にこの場所に訪れて死霊系のダンジョン作ってたりしてるから私の方がどうしてこうなった状態だよ」
「それについて私がお話いたしましょう」
「誰だ?!」
悠珂と賀実は声のする方を振り返ると黒い司祭服を着た霊体の女性が立っていた。
「まさか…魔王から賢者となった者とこの世界に大いなる遺産を残した至りし魔法使い様の転生体が訪れるとは思いもしませんでした」
「……そのことを知ってるって事はその時代に生きてた者か」
「はい…子供の頃、ダンジョン作りしている至りし魔法使い様を遠くから見てました。
ダンジョンに何かあった時のためにと自身で作り上げた魔石がこの地に残され、その魔石が至りし魔法使い様の魔力に反応したのでおふたりのどちらかがその至りし魔法使い様だと理解したのでおふたりの気配をたどり現れました」
「聖都がこうなったのって…ダンジョンが壊れたりスタンピード起こしたの?」
「いえ、至りし魔法使い様が作り上げたダンジョンは作られた日から一度もスタンピードを起こした事などありません。
聖都がこうなった理由はとある代の聖王がやらかしたからです」
黒い司祭服を着た女性の話によると今現在から1000年前に誕生した【史上最低最悪の聖王】と今現在言われている聖王が突然、聖都ネビュラスの国教こそ唯一無二であるとのたまった事と数多の異世界の宗教に喧嘩を売って宗教戦争が起きた。
そしてダンジョンでも小競り合いが行われダンジョンが壊れそうになった時に至りし魔法使いが仕込んでおいた救済処置が発動し、創り出したダンジョンが迷惑をかけないように救済処置が発動しダンジョンを消し去ろうとしたが聖王お抱えの特殊部隊が聖王の指示で救済処置を破壊し、そこから瘴気が世界を包み込み野生の魔物が全てゾンビ化して無限に湧いてくるようになってしまったそう。
異世界の宗教はいち早くこうなっからにはとこの世界から撤退し派遣されてた司祭共々自世界に戻した。
時空図書館も今回の件は流石にヤバいと重い腰を上げて今現在存在している世界の宗教が全て集められていたので既に無くなってなってしまった信仰などの珍しい文献などがあったらしく回収するために介入しようとしたが、全て聖王自ら燃やし尽くしたらしく行くだけ無駄になったこの世界の歴史に関してはもう観測するのは辞める取り決めこの世界に生きる者たちだけで解決するしか方法がなくなったらしい。
「そこからが大変でした……そもそも聖王が調子に乗った理由が「この世界に住む者たちが全員神聖魔法を使えるからダンジョンが無くともダンジョン化して落ち着いた原初の頃よりあった瘴気を浄化できる。コレまで間に合わず他の世界の宗教に頼っていたがもう必要ない!」と何をどう勘違いしやがったのかそう考えたらしいです」
「最初は良かったけど時間が経つ度に限界が来たと」
「はい。我々は人間ですので活動限界がありますがゾンビたちには活動限界などありませんから聖都が制圧されるのにも時間は掛かりませんでした」
「それで史上最低最悪の聖王はどうなった?」
「彼の者はゾンビの大群が聖都に来る前に特殊部隊と共に市民を置いて逃げやがりました。
我々残された司祭は置いて…いいえ、逃亡のための時間稼ぎの人柱にされた市民とともに最後まで抵抗しましたが…駄目でした。
おいつめられゾンビになるより亡霊の方がマシと考えゾンビに食われる前にその場にいた者と共に毒杯を飲み未練を残し亡霊と成りました」
「と言うことは…君は」
「…私は身分が高かった影響か【リッチー】と成り、聖都ネビュラスは聖人たちの都ではなく亡霊たちが管理する都【死者の都ネクロサクリス】へと姿を変えました」
「オレたちみたいな生者がいて大丈夫なのか?」
「私のような高位のリッチーが側に入れば大丈夫です…それとこの場所を荒らすような者はゾンビであろうとも生者であろうとも入れませんから」
「そうか」
「うふふ…リッチーになって悪いことばかりではありませんわ…体力に限りがないというのは本当に好きにできますからね……それで何を求めてこの地へ?」
「神族の呪を解くための情報を得るために」
「最近、そういう方が多くいらっしゃいますが…外で何かあったのですか?」
「世界をどうこうできる輩たちがやらかしてな」
「そうでしたか…ではそういった資料がある場所へご案内いたしましょう」
こうして悠珂と賀実は高位のリッチーとなった司祭に案内されこの廃教会から出てその場所へ向かっていったのだった。




