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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
永い旅路
482/569

フリルデーモンパニック

【とあるコンサート会場】


《特別観覧席》



「危害を加えられたことないって言ったとしてもっ!デーモンだよ?!」

「愛丸に忠誠誓ってるからぁ」

「忠誠誓ってるからじゃないからっ!」



まつりは悠珂にグイグイ迫った。



「まつりの対応からしてヤバいの?デーモンって」

「詩子が知ってるような輩が多いけども中には少し変わり者とかいたりしてる。

人間とあんまり変わらないよ」

「そうなの…」

「君たちの反応見る限り、私も悠珂も島の子供たちもデーモンがいる生活に慣れすぎてるのかもね」

「おおふ…」

「私の影から出てきたのがフリルデーモンたちの総取り締まり役の既に消滅してしまったとある異界の元悪魔王だったデーモン」

「ぶふっ!?」

「確かキトリエスと名乗ってる」

「どうして…あんな…あんなに美丈夫なのにっ…!」

「異界の元悪魔王だったデーモン。

キトリエスは本名じゃないね…フリルデーモン…デーモンなのにフリル」

「人生色々」

「賀実も一言で片付けないの」

「それであのフリルデーモンとやらはナニをしに向かったのかな?」

「そのナニをしに向かったんだと思うよ」

「………………そこまでなの?」

「一つ言えることは未だにフリルデーモンたちは清いという事だけは言える」

「「「えっ」」」

「愛丸と違って肉体言語はやってないよ」

「なんで賀実はそれがわかってるのよ。なんで悠珂はこの事を知らないの?」

「オレからしたらフリルデーモンたちはてっきり愛丸と同様のことをしてると思ってたからな」

「…フリルデーモンたちを鑑定紙を通して見るたびに悠珂と同じように頭上に清いと矢印が出てるんだよ」

「…マジかよ」

「……何か下心ありそうでボクとしては怖いなぁ」

「取り敢えずこの話は一旦置いといて様子を見てみようぜ」

「うん…」

「久しぶりに水晶から覗こうか」

「賀実、どうしたんだ?」 

「水鏡とかだと邪魔されたり引きずり込んだりが出来るからね。邪魔をされたくなくってね」

「そうか」

「移動しよう」



賀実たちはコンサート会場から出てデパートの屋上に出てそこで風呂敷を広げて水晶を使いフリルデーモンたちの様子を見たら衝撃的な場面が映った。



「…………………………」

「…さすがデーモンね…やる事がホントにエグいわ」

「魂と身体の一部を食ってやがるな…。本当にフリルデーモンたちにとって美味しい獲物だったんだな」

「……力を取り戻した強者よりもフリルデーモンの方が強いということは確実にクレイバール島の警備の裏で侵入してた異界の強者を追い払うことなく他にも魂とか食ってる」

「愛丸は知ってたの」

「…多分だけど知らないと思うぞ。アタシの義妹達はとても素晴らしいのと自慢してたからな」

「………ん?」

「どうした?」

「……君たちは気にしなくてイイヨ」

「どうしたのよ…………あっ」

「賀実、詩子どうしたの?」

「まつりと悠珂は見ないほうが良いわね。一部のフリルデーモンたち…✕✕✕食ってるわ」

「「えっ」」

「だからチ「それ以上言うのはやめようか」

「別に悠珂たちの前なんだから大丈夫よ」

「そういったのに慣れると日常会話でポロッと出ちゃうよ」

「あらぁ…その様子だと言ったのがいるのね」

「今、詩子✕✕✕って言った?」

「言った」

「……よりによって何食ってんだ」

「悪魔だからね…本人たちが大切にしてるのを持ってくよね…様子確認をまだする?」

「……何しでかすか分からないから見てようぜ」








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇





【約束の場所】



「ギャァァァ!!」

「んふっ…やっぱりこの男の子に関しては肉欲を必要としてるみたい♡…でももうないけど」

「あっ…あぁ…わたしの…!」

「魔術師っ…!」

「もう子供は産めないわよ?貴女の大切な子供を産むための物をここに呼ばれた代償に貰ったから♡」

「……奴らデーモンを…飼ってたのか…」

「失礼ね!飼われてないわよ!あの子達がここに居て良いってよって言ってくれたから共存してるのよ!やっぱ取っちゃって良かったわね!これまでの被害者たちの無念も報われるわ!」

「人間の繁殖に使うものは栄養があって良いわぁ」

「もう!カニバリズムしちゃだめしゃないのっ!お姉様に怒られるわよ?!」

「だって〜久方ぶりの獲物なんだもの…我慢できなかったわ。やっぱりその者が大切にしてるのって極上よね…あぁ…久しぶりに満たされたわ」

「もう!」

「キトリエス、本人たちが大切にしてる物はやっぱり良いわね♡絶望の感情は最高っ!」

「うふふ…」

「あいつら…!」



悪魔たちに散々もて遊ばれたのに心が折れずに抵抗しようとしている者がいたが。



「あら、まだ抵抗できる気力があるなんて凄いわね。貴方たちがありとあらゆる物を使えって言ったんじゃないの」

「だとしても…やりようがあったろう…!」

「人間と人間やめてるものでは実力が違いすぎるし…一度は奇襲されて負けたのだから、力を取り戻したならさっさとこの地球から出ればこんな事にならなかったのに…馬鹿ね」

「我々には成果が必要なのだっ!元の世界に戻るに来てもっ!」

「だとしてもこんな事にはならなかったでしょ?」

「……お前たちをここへ寄越した奴らも他人任せにしてばかり…いずれ寝首をかかれるが良い!!」

「……もう既に寝首はかかれているわ」

『「なんだと?!」』



この様子を見ていた悠珂と抵抗した者とハモった。



「どうせ何処からかこの様子を見ている四人に言っておくわ、クレイバール島に戻ったほうが良いわ。

……アタシたちは貴方たちの味方なのはコレからも変わらないから安心して…()()()()で出て行けと言うのであれば出ていくわ。

愛丸ちゃん……いいえラブナシカ様の元へ早く!アタシたちでもどうにもできなかったのっ!」



それを聞いて悠珂はずっとひた隠していた秘蔵のアイテムを使うと四人はこんな状況にも関わらずクレイバール島へ直接戻っていった。


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