ティルクスの覚悟
「ティルクスは行かないでね…行ったら修羅場が起きるよ…」
「ミリア姉さん…」
「ここにいたかティルクスよ!」
カフェルネが両脇に双子姉妹のソリン姉さんとアリン姉さんを連れていた…。
「落ち込んでいると思ったんだけどな?…元気だったな」
「最初は機嫌悪かったが…ティルクスの言う通りこの村は美人だらけだな!こんな美人なかなか居ないぞ!」
「お前も戻るんじゃないのかよ!」
「戻らなくても良いんじゃね?」
「カフェルネは強制送還だな」
「我輩帰らない、自給自足の生活で暮らすぞ」
「止めろ、ソリン姉さんとアリン姉さんはこの村の自警団の隊長してるオルセ兄さんの嫁だ馬鹿」
「何だと!この美女をふたりまとめて嫁にしているだと!」
「「ふふふ…」」
「リシア殿とカリーナ殿とミリア殿それにラミー殿が残っているな!」
「カフェルネひゃんには~悪いけどぉ~好みじゃないわ~」
「うっ」グサッ!
「悪いけど私もパス…まだしばらく独身でいたいの」
グサッ!
「ごめんなさいね~私にはヤらなきゃいけないことがあるの~」
グサッ!
「私…しばらく結婚はない…」
「ぐは!」
カフェルネは精神ダメージ100を受けた。
「我輩…モテないのか」
「外に行けばかなりモテるんじゃないか?」
「この村は見た目だと通じねぇからな」
「ティルクス今外せるか」
「アルーヴさん、パーティーの準備終わったんですか?」
「あぁ、終わった」
「それじゃ先に行ってるか」
「そうね…」
「頑張りなさい」
「先に行ってるわね~」
「怪我したらお薬あげるから」
「男は度胸だな」
「父さん、加減してよね?」
兄さん姉さんたちはパーティー会場に向かった。
「少し離れるか」
「…そうですね」
◇◇◇
「ここなら良いな」
「………」
「ティルクス単刀直入に言う、ミストルの事をどう思う」
「オレはミストルには友情を感じてます」
「本当か?」
「最近はあんまり絡んで来なくなったので…少しソワソワしてました」
「そうか…ミストルといつまでも絡んでいたいなら俺と手合わせしろ」
「………」
「ここがティルクスとミストルの分岐点だろう」
「そうですね」
「よく考えろ、どうしたいかな」
オレはどうしたい?…ミストルとは赤ん坊の頃からの付き合いで前回の時には会うことがなかったが今回のオレの思い出の中には常にミストルが居る、ミストルはどんなときでも傍に居た。
オレは…………。
「アルーヴさん…オレに…ミストルが共に歩きたいと言うのであればオレに隣を歩かせてくれ」
「良いんだな?」
「はい!」
「そうか…ティルクス体術だけでの組み手をする…俺にお前の覚悟を見せろ!」
アルーヴさんは上着を脱いだ、オレも上着を脱いで動きやすい格好になった。
「本気で来い!」
「必ず勝つ!」
アルーヴさんは肉体強化のブーストを使うことなく吸血鬼の能力を使い攻めてきた。
「ミストルが吸血鬼の血に呑まれた時はティルクスが止めるようになる!」
「わかってます!」
オレはばあちゃんに叩き込まれた体術をアルーヴさんに仕掛けるがやはり戦闘経験の差でなかなか詰められない前回の経験活かせないな…こういう時は…ばあちゃん直伝のドロップキックからの…。
「流石サニカさんに直接鍛えられただけはある!」
「擦っただけか」
「なかなかいい蹴りだ、俺に傷を付けたのはイシェーラ以来だ」
「そうですか」
「ティルクスそろそろプロレス技を止めてくれ」
「参ったと言うまで放しません」
「くっ」
「【コブラツイスト】って言う技です」
「結構来るな…!」
絞め技を使ってからかなりの時間が経った。