ポロリしちゃってる戦士たち
【秘都の隠れ里その1】
《とある藪》
(………くふふ)
(よく笑えるな…賀実)
(…久しぶりに世紀末をリアルで見たものだから非現実的だと脳がバグる)
(わからなくないけどな)
藪に隠れている悠珂と賀実は5年かけて作った隠れ里が隠れ里じゃなくなってきているのを見ていた。
(オレらに稽古を付けてくれてた鎌倉武士たちは結構な実力者だったんだな。
派遣組が雇った鎌倉武士たちを蹂躙してさらに派遣組ごと下僕にしたぞ)
(妖術に関しては詩子が時折どういうものかと実演して鎌倉武士たちがどうやったら抜けられる、耐えられるとかの訓練をリーダーの指示でしてたもんねぇ。
威力のあるのは流石に歴史の闇だとかに隠しきれないから使えないように処置されてたし)
(…賀実、もしかするかもよ?)
(私としてもそっちのほうが有り難いかな)
四人で話し合っていた展開と違い、力の制限を受けているとしてもまさか鎌倉武士たちに太古の勇者に派遣された強者が徹底的に叩きのめされて下僕にされるのを見て現場に来ていた悠珂と賀実は驚いていた。
そしてこのまま行けばこちらが何もしなくても終わるんじゃね?的な雰囲気になり始めていた。
だが、もしもがあるからとふたりは警戒しこの場所の流れを見ていた。
「しっかし…あの刀鍛冶夫婦には裏切られ四人と共に逃げられた感じだな」
「まさかあれほど強い酒がこの世に合ったなんてな。
飲んだことのない…この世のものとは思えぬ甘美な味だった…」
「刀鍛冶に関しては金銀財宝のお陰で都の名工とも縁が出来たならば文句あるまいよ」
「それでこの奴隷共はどうするんだ?」
「……妖術使いの詩子の様にそこの奴隷共は妖術が使えるようだから妖術使いを増やしたいものだ」
「貴様ら…我々に手を出して良い方向に続くと思うなよ?」
「随分と威勢のいい小生意気な小娘どもだ…お前たちのお仲間は既にこちら側だぞ?」
とある鎌倉武士の家から男女の如何わしい声が耳をすませば聞こえる。
「良い種馬となろう。貴様らも良い母体となろうさ…さてとそろそろ時間だな」
それだけ言うと鎌倉武士たちは一旦はこの場から離れつい先程、何処かの村から攫ってきたであろう美しい娘たちが押し込まれている家へとぞろぞろ入っていった。
「………地球の戦国の世の前進の時代の戦士がここまでと我らも侮りすぎた。男どもは奴らの言った通りに既に涼略されたと思う?」
「さあ?涼略されてないと思いたいけど今回は周辺の村娘たちのお陰で免れているわ。
素直に太古の勇者が【至竜】に掌返しされたと連絡きた時にアタシたちだけでも撤退していればこうはならなかったわね」
「…嘆いてもどうにもならん…さてどうする?」
「ヒューマンだったとしても異世界の血をこの地球は入れたがるかしら?この地球は異界の血を嫌がると聞いてたけど」
「異界の男どもが種をまいているのに地球の神族が何もしてこないということは…血を残したとしてもこの地の神族にいずれかの場所で淘汰されるのだろう」
「……そもそも誰よ。太古の勇者が白旗上げたのに引き返さないでアレらから力を奪うと言ったのっ」
「男どもだな…我々女組はこの地球と【賢者】と【魔法使い】から手を引く選択をしていたからな」
「(小声)その話は本当か?」
「誰だ!」
「(小声)静かにしろ」
「貴様ら」
「(小声)私たちはあんまり血なまぐさいのは好きじゃないからねぇ…もし本当に手を引いて負けを認め【真名契約】を結ぶのであれば助けてあげる」
「よりによって【真名契約】か…」
「(小声)悪いがオレたちも昔、口約束の約束で痛い目に何度も遭っているから敵だった者に対しては【真名契約】を結ばないと助けないことにしていてな」
「……フン…情けは受「アタシは真名を言うから助けてちょうだい」
「なっ裏切るのか…!」
「裏切るも何もアタシは自分の生まれた世界に帰るわ、利用されるのはもうゴメンよ。
自分の世界に帰って好きなことをしてたほうが絶対に良いわ。
どっちに真名を言えばいいの?」
「(小声)縛られてもいいと思う方に」
「そうねぇ…辺境の魔法使いさんに頼もうかしら」
「(小声)わかった…今から魔力を送る」
賀実は魔術師の格好をしている者に念を送った。
(一時的に繋げたよ)
(あらホントだわ…ホントに助けてくれるんでしょうね?)
(正しく降伏する者には公平に接するよ)
(……アタシの真名は【※※※※※※※※】よ)
(確かに真名契約は結ばれた…では解放する)
賀実は遠くから真名を名乗った魔術師を解放してすぐに真名による指示を送った。
魔術師はこの場からすぐに離れ【秘都の大木】がある場所へ向かえと指示を送り魔術師は行動に移してこの場所から居なくなった。
「(小声)まだ決着がついてないから帰せないから安全な場所に避難てしもらった。お前さんはどうする?」
「このままでいい…情けは受けぬ「受けなさいよ」
「えっ」
いつの間にか戻ってきた魔術師が戻ってきた。
「(小声)変なプライドを持ってるからいつまで経っても処女なのよ。…拗らせてんじゃないわよ」
「「「…………………………」」」
魔術師の言葉のナイフにより数名ダメージを受けた。
「(小声)辺境の魔法使いに真名を名乗っちゃいなさいよ」
「(小声)なぜに私」
「(小声)アナタなら悪さを思いついたとしても利用しないと思えるからよ」
「我に負けを認めろと?」
「(小声)認めないならこのまま帰るから良いよ」
「………わかったと言うとでも思ったかっ!皆のもの敵襲だっ!!」
縛りている女戦士が大声を出した瞬間に賀実は真名を名乗った魔術師を飛ばした。
するとほぼ全裸状態の鎌倉武士が家からぞろぞろと出て来たポロリした状態で。
悠珂はとても嫌な予感がしたがここで動いたら確実にバレると思いギュッと目を瞑った。
それを横で見ていた賀実は少しため息をついてことの成り行きを見守った。
すると魔術師の方が居ないことに気付かれ騒ぎになり賀実がチャンスを待ってここぞという場面になり悠珂の服を掴み音を立てないようにしてソロリソロリとこの場所から離れていき魔術師を飛ばした場所に向かっていった。




